先週の木曜日に医療センターから急性硬膜下血腫術後の74歳男性が転院してきた。内科の別の先生が担当だが、転院した時から発熱があり、誤嚥性肺炎の治療が開始されていた。
発症は昨年10月だったが、術後に脳梗塞の併発や意識障害の遷延があり、長期の入院になっていたようだ。経鼻胃管からの経管栄養を受けていた。
発症の前日と5日前に頭部打撲していた。意識レベル低下と嘔吐で発症して、翌日に地域の基幹病院に救急搬入されたが、さらに医療センターへ搬送されていた。
重症で対応が難しいと判断されたようだ。発症時の頭部CT画像も送られてきていて、確かにこれは大変だった。脳実質内に出血が及んでいて、クモ膜下出血にもなっている。病側の腫脹と健側への圧排も目立つ。
脳ヘルニアかによる右後大脳動脈圧迫のため脳梗塞を来していた。さらに点状の高信号域が散在して、びまん性軸索損傷と判断されていた。
直近の頭部CTは右後頭葉の脳梗塞があるが、発症時の画像に比べると、落ち着いている?ように見える。
基幹病院はかなりの対応ができるが、すぐにさらなる高次医療機関に転送した大変な症例ということで、画像を確認させてもらった。誤嚥性肺炎が治癒したら、内視鏡的胃瘻造設術(PEG)で消化器科医といっしょに関わるかもしれない。