なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

しばらくぶりにコロナの入院

2023年03月17日 | Weblog

 火曜日の午前中に、保健所からCOVID-19の患者2人の入院依頼が来た。ご夫婦だった。ともに隣町の病院に通院している。妻は透析を受けていた。

 透析部門と透析担当の腎臓内科の若い先生に連絡して入院治療の了解を得た。県で手配する民間救急車で来るのが午後3時過ぎになるという。

 ともに6日前が発症日となっていて、症状は咳と倦怠感で発熱はなかった。通院している病院でコロナと診断されたが、抗ウイルス薬の処方はなかった。

 6日目のその日に38℃の発熱が出現したということだった。コロナによるというより、併発した細菌性肺炎が疑われる。

 

 夫は86歳で高血圧症・脂質異常症で通院している。抗血小板薬(クロピドグレル)も処方されているので、麻痺はないが、ラクナ梗塞を指摘されたのだろう。

 右肺に胸水貯留があり、左下葉には浸潤影があった。右肺も肺炎からの胸水貯留が疑われる。酸素飽和度が92%とやや低下していたので、酸素吸入を開始した(2L/分)。白血球9200・CRP16.1と上昇していた。血清クレアチニンが1.28でeGFRが41になる。

 スルバシリン(ABPC/SBT)1.5gを1日3回で治療を開始した。食欲が低下していたが、3日目からは食べられるようになってきた。

 

 妻は糖尿病があり、糖尿病腎症からの透析導入だった。当院に血管外科医がいた時にシャント造設をしている。(懐かしい血管外科の先生は、地震・津波の被害を受けた沿岸部の病院に転勤)

 胸部CTで左肺に胸水貯留と無気肺を認めて、左肺が縮小している。透析をうけているが、肺うっ血・胸水というのではなく、肺炎・胸膜炎(あるいは随伴性胸水)なのだろう。白血球4500・CRP7.3で、酸素飽和度は95%(室内気)で酸素吸入はしていない。こちらもスルバシリンを開始した。

 

 たまたまだが、夫婦で胸水貯留が左右逆になっていた。ADLは身体的には夫が少し良く、認知力としては妻の方がいいようだ。透析の通院は夫が運転する車で行っている。(86歳の運転は結構怖いかもしれない)

 肺炎が軽快しても、すぐに退院ではできず、一般病棟で静養・リハビリが必要になりそうだ。

 

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