なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

熱中症と思ったらコロナ

2022年08月26日 | Weblog

 火曜日の当直は腎臓内科の若い先生だった。午後10時前に、熱中症と思われる21歳男性が救急搬入された。

 その日はアルバイトで朝から戸外で作業をしていたそうだ。暑い日でかなりの発汗があった。午後1時には手がつるような症状があった。そのまま作業を継続して、午後6時に終わって車で自宅に着いた。

 車から降りた時から全身の筋硬直で動けなくなった。救急要請した当院に搬入されたという経緯だった。熱中症で、以前の分類では症状は熱痙攣に当たる。

 点滴を開始したが、血液検査でHb17.5g/dl・総蛋白10.2g/dl・血清アルブミン6.7g/dlと著明な血液濃縮の所見があった。BUN28.9mg/dl・血清クレアチニン2.80mg/dlと急性腎前性腎不全を呈して、血清カリウムが6.6mmol/lと上昇していた。(CK 582・ALT 61・LDH 312と筋原性酵素の上昇は比較的軽度だった)

 外来で点滴を2本くらいしてと思っていたようだが、この数値では入院治療を要する。入院時の念のための検査として、新型コロナウイルスの抗原定性試験を行うと、意外に陽性と出た。

 コロナとしては無症状か軽症なのだろう。その時点では脱水症による症状の治療となるが、感染病棟入院を要する。当院の感染病棟はいっぱいだった(木曜日に1名退院予定で空く予定)。

 保健所に連絡すると県庁所在地の総合病院が当番に当たっていたようで、そちらで引き受けてもらえることになった。数日の大量点滴で軽快すれば、途中からホテル療養に切り替わるのかもしれない。

 

 翌水曜日に感染病棟に勤務する看護師2名が、発熱はないものの、咽頭痛が2週間前から続いていることが判明した。コロナの検査(院内の迅速PCR検査)を行うと2名とも陽性だった。

 発症日からはすでに隔離療養期間を過ぎているが、数日自宅静養とすることになった。コロナワクチン4回目の副反応で3名が休んでいて、勤務表作成が綱渡り的なのものになってしまった。

 

 

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