先週の木曜日に77歳女性が救急搬入された。外来で診ている患者さんだが、その日の救急当番だった腎臓内科の若い先生が診てくれた。訪問看護師が痰が絡んで呼吸状態が悪いとして、救急要請していた。
脳梗塞を繰り返して神経内科で診ていた。誤嚥性肺炎で内科に入院した時に、嚥下障害で胃瘻造設となって、その後は内科外来通院となっていた。
日常生活全介助で、糖尿病のインスリン強化療法と経管栄養の管理は家族(夫と娘)がしている。今診ている胃瘻造設の患者さんとしては一番経過が長い。
もともと糖尿病性腎症と腎硬化症からの慢性腎臓病(CKD)があり、血清クレアチニン1.15~1.30mg/dl程度だったが、搬入時は1.66mg/dlとなっていた。
胸部X線・CTで両側肺野に肺水腫像と胸水貯留があった。BNPがそれまでの100前後から422と上昇していた。心疾患の悪化よりは腎疾患としての悪化の結果だろうと判断されていた。利尿薬投与(ラシックス注)で入院後は症状軽減していた。
腎臓がかなり菲薄化しているが、大動脈も石灰化で土管状になって腎動脈が影響を受けているかもしれないという。経管栄養も腎不全用のリーナレンに変更してみます、といわれた。リーナレンは途中から保険適応になっていた。
入院中は腎臓内科で診て、外来になったら内科で診てもらって、時々CKD(DKD)として腎臓内科外来でも診せてもらいます、と言われた。別の目で診てもらうと、改善すべき点を指摘されて患者さんにとってもいいのだった(こちらも勉強になる)。
誤嚥性肺炎で入院した時に、症候性てんかんとしてけいれん発作が頻発した。神経内科に相談して、抗けいれん薬としてエクセグラン(ゾニサミド)を推奨されて使用開始していた。
現在ならば、新規抗てんかん薬(イーケプラなど)を使用するところだ。エクセグランは、現在は古い抗てんかん薬の中で比較的新しい方の薬という位置づけだ。当時は新規の抗てんかん薬で、神経内科としても使用してみたい薬だったらしい。(神経内科医は、現在はビムパットが好き。フィコンパはまだ使用していないようだ。)
腎臓内科医はこの患者さんの息子さんの血液透析をしているそうだ。糖尿病性腎症からの透析導入だった。娘さんも糖尿病で市内のクリニックに通院しているはずだが、詳細はわからない。