なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

これこれ、という陰影

2022年08月05日 | Weblog

 水曜日(8月3日)に保健所から、COVID-19罹患者の外来アセスメントの依頼があった。80歳女性で、発症は7月25日ということだった。8月1日に隣の市内の病院で抗ウイルス薬のラゲブリオが処方されている。

 咳が続いているが、呼吸困難はない。酸素飽和度は95%(室内気)だった。普通に歩行できて、食事摂取もできる。

 胸部CT検査をして、放射線技師さんから「コロナの陰影があります」と報告がきた。画像を確認すると、両側肺野に限局性のすりガラス陰影が散在している。胸膜下や胸膜下をスペアする形で、コロナの陰影といえばこれこれ、という陰影だった。

 血液検査で、白血球7900・CRP1.3と若干炎症反応が上昇しているが、重症化指標は正常域だった。肺炎があるので、中等症Ⅰとして報告した。

 受診したのが、発症10日目になる(自覚症状の発症日が正確ならば)。その日結果を報告して、翌日にもし入院依頼があれば、11日目で隔離解除になってしまう。

 外来アセスメントは重症度を記載すればいいので、転院の手配で忙しい時だったこともあり、コメントは入れなかった。

 翌日保健所から入院依頼が来て、翌日の木曜日に入院になった。本人がいう咳が出始めた日が確かなら、発症11日目になる。保健所は症状が続いていることから隔離解除できないとしていた。(発熱がなければ、少し咳が残っても症状消失に準じた扱いになるはずだが)

 入院した時は、発熱はなく、咳も大したことはない。酸素飽和度も97%(室内気)だった。診断した病院で処方されたラゲブリオもその日までで終了になる。肺炎が進行すれば、抗炎症薬としてデキサメサゾン投与かと思っていたが、コロナとして治療追加することはなさそうだ。

 隣町の病院に糖尿病で通院していて、インスリン強化療法をしていた。インスリン量は計78単位/日になる。経口血糖降下薬はまったく入っていない。診ているのは糖尿病専門医だが、緩徐進行1型なのだろうか。糖尿病教育入院のようになりそうだ。

 

 若年~中年のCOVID-19患者さんは、自宅静養やホテル静養になり、胸部CT検査を受けることはない。デルタ株流行期には、罹患者をかたっぱしから胸部CT検査をしていくと、軽度のすりガラス陰影は一定の確率であるのだろうと思われた。オミクロン株は肺炎があまりないので、違うかもしれないが。

 

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