なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腹部リンパ節腫脹

2022年08月07日 | Weblog

 内科の別の先生が、腹部リンパ節腫脹のある88歳女性を入院で診ている。原発巣が不明ということだ。

 2013年に胃癌の手術を受けている(stageⅡ)。術前からCA19-9 とCEAが軽度に上昇していて、術後も同様だった。画像検査では再発・他の悪性腫瘍は認めなかった。

 2019年に大学病院皮膚科で左膝窩の有棘細胞癌に対して、左鼠径部転移部までの手術を受けている。これは転移としてありうるだろうか。

 今回は食欲不振で内科に入院していた。最近のCTで腹部大動脈周囲などに多発性リンパ節腫脹を認めている。肝臓内に早期濃染部があるが、腫瘍とは決め難く、よくわからない。

 ここからどうするかといっても、年齢と病状からは精査・治療は難しい。以前からCEA・CA19-9は軽度上昇が横ばいで、可溶性IL2受容体抗体は正常域だった。別に悪性リンパ腫が出たともいえない。腹部のリンパ節生検はできないので、確定診断はできない。

 担当医は家族と相談して、できる範囲で治療して病状悪化時はDNRとなったが、正確な病名はつけがたい。

 

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