6月21日に記載した膵癌の85歳女性。
入院後に、点滴と尿路感染症への抗菌薬投与を行った。感染症は軽快治癒したが、食事摂取は進まなかった。CTで胃噴門部~胃体上部が腫瘤様にも見えていた。
1週間後に上部消化管内視鏡検査を行ったが、胃癌はなかった。単純CTだとそんな風に見えてしまうのかもしれない。
看護師さんがいろいろ食事内容を工夫したが、少量摂取にとどまった。低ナトリウム血症の問題もあり、ステロイドを入れてみたがあまり反応はなかった。
火曜日に胸腹部CTを再検した。両側胸水が貯留していた。膵体尾部の腫瘍は2か月弱でかなり増大していた。肝転移も認めたが、入院時の単純CTでも(造影すれば)あったのかもしれない。
先日ソーシャルワーカーから後見人制度のことで相談された。患者さんは一人暮らしで、独身だったので家族はない。キーパーソンは甥だけになる。
その甥は以前から患者さんからお金を引き出していたそうだ。患者さんが亡くなれば、財産は甥が相続することになる。何か手続きがあれば頼むしかないが、あまり快く思ってはいないのかもしれない。
甥には入院した時しか会っていないが、自分の病気のことだけ熱心に語っていた。患者さんのことについては、病院にお任せしますとだけ言っていた。
この病状では、今さらということになってしまう。何か手続きをとるのは難しい、と伝えた。