なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ツイミーグ

2022年08月13日 | Weblog

  市医師会の学術講演会の座長を頼まれた。年に1回くらいで、医師会の教育担当理事は医局の先輩でもあり、断る理由もないので引き受けている。

 テーマは糖尿病の新薬「ツイミーグ」だった。今年の9月に発売1周年となり、長期処方が可能になる。製薬メーカーとしては、宣伝に力が入るところだろう。個人的には、新薬はよほど使用したい薬でなければ、長期処方が可能になってから使用している。名前は知っていたが、まだ使用したことがない。

 使用経験のない薬の講演会ということになる。大日本住友製薬改め、住友ファーマのMRさんが打ち合わせに来た。市内数か所のクリニックでは処方されているそうだ。処方している先生の方が適任でしょう、とは伝えた。

 講演会の講師が出演するWebセミナーを見てください、とセミナーの案内(とりあえず3つ)を置いて行った。火曜日に病院に残って午後7時からのセミナーまず聴いた。他のセミナーも聴く予定だ。

 グルコース濃度依存性インスリン分泌促進作用とインスリン抵抗性改善作用(骨格筋の糖取り込み能改善、肝臓の糖新生抑制)がある。ミトコンドリアを介してというが、機序についてははっきり「推定」と記載している。

 メトホルミンの改良版ということだが、DPP4阻害薬(機序が同じようで少し違う)とメトホルミンを合わせたような薬?。

 現状では、メトホルミン・DPP4阻害薬・SGLT2阻害薬が処方されて、さらにSU薬かグリニド薬も処方されていて(α-GIも)、それでも血糖コントロールができず、インスリンはいやという患者さんで追加するのだろうか。

 第一選択として、メトホルミンの代わりに最初からこれで開始というのもあるそうだ。メトホルミンと併用すると消化器症状が多いので、「メトホルミンの代わりとして使用」がわかりやすいかもしれない。

 欧州での開発だが、欧米では発売せず、日本でだけ発売されている。ミトコンドリアを介する点で使用してみないと影響がわからないので、日本人で試してみる?。あの、メトホルミンファーストで、さらにSGLT2阻害薬とGLP1受容体作動薬を使用する欧米のアルゴリズムに食い込むのは難しいのか。

 Web講演会をいくつか聴いて、9月から数人の糖尿病患者さんで使用してから、(使用初心者代表として?)講演会に臨むことになる。

 

 個人的には、SGLT1阻害などで消化管からのグルコース吸収を抑制して、これを飲んでおけば厳しい糖質制限なしでよい、というのがいいと思っている(うまく調整しないと栄養失調になる)。1錠内服で糖質20%吸収減少とか。今のところ発売されると言う話は聞かない。

 食事制限を強いることなく、これを飲めば好きなように食べていい(グルコース吸収を自由に調整)、というのが理想的だとは思う(夢の薬?)。

 

作用機序

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