なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

たこつぼ心筋症

2020年05月02日 | Weblog

 金曜日の朝に、新型コロナウイルス感染症の対策会議(20分くらいの集まり)をしていた。決めるべきところはすでに決めているので、新しい話題はほとんどなく、ちょっと形だけにはなっていた。

 甲状腺癌の化学療法を受けている60歳前半の男性が、発熱・咳・痰で救急要請があった。午前8時30分前だったので、前日の当直だった内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)が救急隊の電話を受けて、どうしましょうかと連絡してきた。

 外科外来で診ているので担当している先生に訊くと、こちらで診ますという。最近炎症反応上昇が続いていて、経過をみていたらしい。肺炎併発かなあ、入院で抗菌薬治療になるのだろうと思った。

 

 午後になって、循環器科が呼ばれて「たこつぼ心筋症」の診断がついたという話が聞こえてきた。心電図を確認すると、V2-6(Ⅰ、aVLも軽度に)でST上昇を認める。特徴的な著明な陰性T波はなかった。ST上昇がV4-5で目立つあたりが、急性心筋梗塞と違う(らしい)。

 心原性酵素としては、CK・AST・LDHの上昇はなく、トロポニンIが732と上昇していた。心エコーの記録画像を見ると、確かに心尖部の収縮が悪い。

 胸部CTでは、両側肺の背側に淡い陰影が広がっていた。癌転移の結節像もある。血圧は保っているので、肺炎に対する抗菌薬投与で経過をみるようだ。この陰影も解釈が難しいが。

 現在新型コロナウイルス感染症の問題で、心臓カテーテル検査や内視鏡検査は基本的にはしないらしい。

 

  

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