なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

CRE

2020年05月27日 | Weblog

 火曜日に発熱・悪寒の57歳男性が救急搬入された。救急当番の外科医が対応して、尿混濁・炎症反応上昇を認めた。尿路感染症として内科の若い先生に入院治療が依頼された。

 前日から発熱が続いて、ふらついて動けなくなり、救急要請した。搬入時は血圧88/55・心拍数111/分でショックバイタルだった。発熱40.0℃。CT画像で尿路閉塞はなかった。血液培養2セット・尿培養が提出されて、抗菌薬(ゾシンPIPC/TAZ)で治療が開始された。

 この年齢で尿路感染症(急性腎盂腎炎)は通常ないと思うが、尿路系に問題があるようではない。PSAは正常域で、前立腺の明らかな腫大は指摘できない。

 翌日から解熱して、食事摂取は良好になった。治療的には問題がなかったが、培養結果に驚かされた。尿培養と血液培養2セットからEnterobacter aerogenesが検出されて、しかもカルバペネム耐性腸内細菌(CRE)だった。

 メロペネム(MEPM)のMIC<1μg/mLで問題ないが、イミペネム(IPM)のMICが>2μg/mLかつセフメタゾール(CMZ)のMICが>64μg/mLだった。(CREは、MEPMのMIC>2μg/mL、またはIPMのMICが>2μg/mLかつCMZのMICが>64μg/mL)

 カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症は5類届出感染症になるので、保健所に届けた。保健所で菌株を取りに来て、遺伝子検査などが行われる。

 それにしても最近の入院歴もなく、院内感染(医療関連感染)の起炎菌であるEnteobacterが出た理由がわからない。ゾシンが効いて良かった。最初から個室管理だったのも良かった。

 保健所に届けるので、感染管理ナース(ICN、正しくはCNIC)が院長に報告書を提出した。院長(外科医)は、最初何を言っているのかピンとこなかったらしく、CREとあるので最初は「クレアチニンがどうした?」と思ったそうだ。

 

 

 パイロットの蛍光ペン「フリクションライト」のイエローを愛用していたが、黄色が濃すぎると思っていた。しばらく使用すると黄色が薄くなっていい感じになる。

 最近、フリクションライトにソフトカラーが出ているのに気付いた。それのソフトイエローはいい感じの淡い黄色(ちょっと黄土色っぽい)になる。塗った文字の見え方もいい。今後はこれを使用することにした(大量購入する)。

 

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