なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

HbA1c15%

2016年09月21日 | Weblog

 昨日の夕方に、内科医院から糖尿病の治療依頼がきていると、地域医療連携室から連絡が来た。なんでも健診で異常を指摘されて、受診した73際女性でHbA1c15%だという。糖尿病外来にしますか(外部からの応援医師担当)と言われた。外来ではきびしいので、今日受診してもらって、そのまま入院とした。自宅症状は口渇・多尿で体重減少が8~9Kgだった。

 健診は毎年受けていて、HbA1cが7.3%・7.4%・7.8%と年々上昇してきていた。要は糖尿病があるが、受診していなかった。急に増悪(数か月でだが)しているので、膵癌の発症や実は緩徐進行型1型糖尿病だった可能性などが考えられた。腹部エコーで見える範囲では特に異常はなかった。患者さん本人はさほど困った様子はなく、健診で異常だったので受診しただけということだった。入院でインスリン強化療法を開始するが、ゆっくりスタートした方がよさそうだ。内服はDPP4阻害薬とメトホルミン初期量を開始した。自己注射は難しそうな見込みだ。

 大学病院の糖尿病代謝科からの糖尿病外来がスタートする。せっかく専門医に来てもらうので、1型糖尿病やインスリン強化療法の患者さんを回したいと考えている。ただ、インスリン注sを要するのに、認知症で自分でインスリン注射できない(家族もできない)というような患者さんは回しにくいかもしれない。油断すると来なくなる精神遅滞の1型糖尿病の患者さんも、ちょっと回しにくい。治療としては難しくても、専門医の指示に従って、きちんと対応できる患者さんに限られるようだ。基本的には糖尿病だけ診るということなので、高血圧症や脂質異常症以外の疾患があれな、複数の科目受診になってしまう。正規の治療に乗らない患者さんや、複雑な疾患を併せ持つ患者さんは、常勤医対応で継続になりそうだ。

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