なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

旅行者下痢症

2016年09月10日 | Weblog

 昨日、台湾旅行の帰りに下痢・発熱で発症した61歳男性が外来を受診した。当院の診療圏ではなく、住所は隣の県だった。地元の公立病院など数か所の病院に問い合わせたが、受診を断られたそうだ。症状は感染性腸炎なので、本格的なトラベルメディスンというほどでもないと思って当院で引き受けることにした。

 月曜から木曜日まで奥さんといっしょに台湾を旅行して、帰りの木曜日から症状が始まった。血便はなく、泥状便で始まって水様便になった。嘔気・腹痛はない。体温37.4℃で血圧・心拍数は正常。高血圧症で通院している。倦怠感を訴えていて、白血球数14000、CRP16と上昇していた。血清カリウムが下痢のせいで、3.1と低下していて、これも倦怠感に関係するかもしれない。腹部は平坦・軟で圧痛はなかった。腹部CTでみると、上行結腸から横行結腸の腸管壁が肥厚して、周囲の脂肪織に炎症像がある。病原性大腸菌?。水分はとれるが、食事はあまりとれないという。便培養を提出して、個室入院とした。さて、どんな菌が出るだろうか。

(後日追記) 便培養でサルモネラ菌検出。入院後は症状軽快して1週間で退院。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする