なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

バイパスした甲斐があった

2016年09月14日 | Weblog

 今日の内科再来に90歳男性が受診した。今年の5月連休明けに心窩部痛と貧血で内科医院から紹介されてきた。消化器科医だが、貧血が目立つので、内視鏡検査なしでの紹介だった。上部消化管内視鏡検査を行うと、胃角部から幽門にかけて全周性に近い腫瘤を認めた。幽門狭窄を呈している。生検するまでもないが、groupⅤと出た。感染性心内膜炎を併発していたことが判明して、その治療も開始された。

 根治術は無理と判断されたが、年齢の割にかなり元気だった。家族の強い希望もあり、そのまま諦めるという選択はなく、5月末に外科転科してバイパス術(胃空腸吻合術)が行われた。術後経過は順調だった。感染性心内膜炎の治療を途中で経口薬に切り替えて退院した。

 退院後は内科外来に通院となった。暑い時期を乗り切ってまだまだ元気だ。トラクターを運転して畑仕事をしているという。危険なのでやめるよう言ったが、家族も無理に辞めさせる気はないらしい。貧血は鉄剤投与で安定していて、輸血の必要はない。半年もてばラッキーと思っていたが、なんとか到達しそうだ。

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