なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

結局だめでした

2016年09月13日 | Weblog

 1か月前に肺炎で入院した86歳男性が今朝亡くなった。循環器科で急性心筋梗塞にPCIを施行した既往があった。その後は慢性閉塞性肺疾患+気管支喘息(今時だとACOSか)でステロイド依存状態だった。肺炎の併発によるCOPD急性増悪で何度も入院して、外来主治医だった内科の若い先生が苦労して診ていた。もうダメと判断されて、DNRの方針となったこともあった。何とか、乗り切って外来通院していた。ベットサイドを少し介助で動くくらいだったので、家族2~3名の付き添い付きで来る。院内では当然車移動になる。

 主治医の退職でこちらの外来に回ってきた。最近は認知症の症状として騒ぐことがあり、お嫁さんが困っていた。患者さんが診察室を出た後に、お嫁さんがまた入ってきて、介護がは大変なことをこぼしていた。喘鳴が常にあり、消えることはなかった。

 外来で2回診た後に、肺炎併発でCOPD急性増悪して1か月前に入院した。肺炎は軽快したが、喘鳴がひどく、デカドロン16mg/日を点滴静注して、それにソルメドロールも入った。喘鳴がもう改善しないかと思われたが、粘っているうちに何とか軽減した。ステロイドの漸減を普通の倍かけてゆっくり行った。ステロイドが点滴静注から内服になって、小康状態になったが、また誤嚥性肺炎をきたした。

 そこからまた肺炎の治療を再開したが、肺炎自体が悪化して軽快していた喘鳴も悪化した。今回の入院2回目の、家族(長男夫婦)との相談となった。家族はもう難しいならばとにかく呼吸苦だけ楽にしてほしいと希望された。良性疾患ではあるが、緩和ケア的治療も加えて経過をみたが、昨日夕に血圧が下がった。今晩でしょうとお話したが、朝方までもって亡くなった。

 今月長男も喘鳴で外来を受診していた。やはり喫煙者だった。肺気腫像はなく、若干の気管支影肥厚くらいで慢性気管支炎相当だった。父親とまったく同じACOSになる。吸入ステロイドを開始して症状は軽快しているが、ちゃんと禁煙するのだろうか。

 地域医療連携室から、東京の大学病院に入院中の70歳代半ばの女性の転院依頼がきていると連絡があった。なんでもIgG4関連疾患とされているが、ステロイドで軽快せず、悪性疾患(頭頸部耳鼻咽喉科領域)を疑って精査しているが、診断がつかないらしい。何度も重症の感染症を併発していた。身寄りは当地の弟だけなので、当院に依頼ということだった。2ページにわたってびっしりと記載された診療情報提供書をみると、当院で手におえる気はしないが、弟さんと話し合ってから決めることにした。

コメント
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