なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

37歳心肺停止

2014年12月08日 | Weblog

 早朝に37歳男性が心肺停止となり、家族が救急要請した。この方は先月にも心肺停止で当地域の基幹病院に搬入された。救急隊の心肺蘇生で幸いに心拍再開して自発呼吸も戻ったが、搬入時に痙攣様の動きがあって意識がすぐには戻らなかったので、神経内科に入院したそうだ。循環器科でも診たらしい。精査のため大学病院の神経内科を受診する予定となり、一昨日退院していた。救急隊が搬入要請したところ、その病院に断られてしまい、事情が分からない当院に搬入された。

 今日も救急隊到着時は心肺停止で心室細動ではなくて心停止asystoleだったという話だ。心肺蘇生をして心室細動になり、AEDで心拍が再開して自発呼吸も戻った。やはり搬入時には不穏な動きをしていて意識は戻っていなかった。当直は大学病院循環器科から応援の先生だった(大学院生)。少し安定剤を入れながら経過をみて、内科当番の先生に引き継いだ。

 心電図を見せてもらうと、V1でブルガダ様に見えるところもあった。胸部X線で心拡大はないので、拡張型心筋症などの器質的な異常はないのだろう。ただ基幹病院の循環器科が診ているので、ブルガダだったら、除細動器植え込み術の処置になるはずだ。でんかんとしてとらえているのだろうか。不整脈で発症したとして、その後心拍と自発呼吸が戻ってバイタルが安定したら意識は戻るはずだが、戻らないと心臓でいいかどうかわからなくなる。低酸素脳症としての症状だろうか。当院の循環器科医にも聞いてみたが、心臓でしょうという。

 まずは基幹病院へ転送となった。神経内科宛ての紹介状だが、病名欄にブルガダ症候群疑いと入れてもらった。ちなみに、当地域では除細動器植え込み術ができる病院がないので、大学病院かそれ以外の心臓センターのある2病院に送るそうだ。

コメント
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