なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

クローン病疑い

2014年12月29日 | Weblog

 先週末に消化器科の若い先生から相談を受けた。大学生(男性)が内科クリニックから1ケ月前からの下痢と血便で紹介になったそうだ。その日大腸内視鏡検査を行って、炎症性腸疾患それもクローン病が疑われたという。生検の結果は年明けになるが、どうしたものかという相談だった。 スキップした病変でS状結腸に狭窄があり、無理して口側には挿入しなかった。年末年始はペンタサで経過をみれると判断していた。

 クローン病ならば大学病院の大腸グループ(研究テーマは(IBD)に紹介した方がいい。全消化管の精査を要するし、近くの基幹病院消化器科には大腸グループ出身の先生がひとりいるが、精査して治療方針が決まった患者さんのフォローはするが、最初から診るのはつらいはずだ。中等度までの潰瘍性大腸炎ならば、消化器科のある病院で診てよいと思うが、重症以上の潰瘍性大腸炎は紹介すべきだ。クローン病となると、全例専門医に紹介すべきだ。

 クローン病を診た経験はごく少ない。遠い昔、大学病院で19歳男性のクローン病の患者さんの主治医になったことがある。治療方針は専門の大腸グループから指示されるので、やったことはCVカテーテルを挿入しての高カロリー輸液だけだ。たしかその患者さんの姉もクローン病だったはずだ。その後は胃と大腸に病変を認めない消化管出血の27歳男性が来て、結局小腸型のクローン病だった。大学病院に紹介して、レミケードの点滴静注で治療された。また連休の時に県内の大学に通っている大学生が炎症反応上昇と貧血があり、だぶんクローン病だろうと推定された。隣県から親を呼んで相談すると、入院精査は地元の病院を希望され、そこにIBSの有名な先生がいるので紹介状を書いた。

 消化器科の若い先生から時々相談を受ける。直接の上司に相談すればよさそうなものだが、微妙な関係らしい。私も元々は消化器で、消化器疾患には興味を持ち続けているが(学会にも行き続けてはいる)、今は何でも屋になっているので相談相手としてふさわしいとはいえない。

コメント
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