先週末に、内科クリニックを開業されていた先生の訃報があった。71歳(男性)だったので、今時としては若すぎる年齢だ。大学病院から当院に赴任して、その後市内に開業された。元々は心臓血管外科医だが、循環器内科医として診療していた。私が当院に赴任するずっと前に開業されたので、いっしょに勤務たことはない。当院にその先生が研修医から育てた循環器科医がひとりいる。
健診でPSA高値があり、精査で前立腺癌と診断されたそうだ。泌尿器科医は手術を勧めたが、それを拒否して免疫療法を受けていたらしい。残念ながら効果はなく、骨に転移した。遠隔地の病院まで飛行機で出かけて治療を受けたらしい。
循環器科医に経緯を教えてもらった。普通に手術を受けていればという話になった。手術の合併症を嫌がっての対応だが、専門外のことはわからないし、正確な判断もできない。自分が病気になった時は、その病気の極々スタンダードな治療を受けて、それで効果がなければアッサリあきらめることにしたい。
肺化膿症の31歳男性は、健側の肺が気胸になった。胸腔ドレーンを挿入して吸引したが充分には広がらなかった。肺尖部に3cmくらいのブラが複数あって、外科的に処置しないと治らないと判断された。今日応援に来ている呼吸器科医に相談して、その先生の病院(呼吸器センターあり)で診てもらうことになった。片肺は黄色ブドウ球菌の肺化膿症、片肺は吸引では治らない気胸ということになる。手術する時の麻酔をどうするのかと思ったが、意識下での治療もできるという話だった。病状は呼吸器科と呼吸器外科のある病院で治療する状態だ。
今日は午後から結核医療の会議が県庁であるので、出席するように言われた。行政の話で寝てしまいそうだが、大学感染症科の先生方による講義もあるので、そこだけはちゃんと聞いてこよう。