なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

入院後乏尿

2014年08月23日 | Weblog

 一昨日急性胆管炎または急性腎盂腎炎で入院した82歳女性は、翌日血圧が70台となり、乏尿になった。意識は清明で会話もできた。苦痛はもともとの腰痛で、呼吸困難などはなかった。前日の夕方入院して、点滴で1500ml近く入っていたが、結果的には少なかったのだろう。点滴を150ml/時にして、夕方まで経過をみたが、血圧は80~90mmHgでふだんは100mhg前後とはいえ低下していた。夜電話で病棟の看護師さんに聞くと、朝からの尿量は125mlだった。浮腫や呼吸困難はなく、酸素飽和度も正常域だったので、点滴の速度をそのままにして、症状がある時は連絡するようにお願いした。今朝まで連絡はなかったが。

 前日の尿量は250ml/日と乏尿だった。さすがに3500ml/日以上の点滴が入ったので、全体に浮腫があり、胸部X線で胸水と肺うっ血が認められた。血圧は90mmHg前後だった。さすがに点滴の速度を80ml/日に下げて、ラシックス10mgを静注した。午後1時半で、朝からの尿量が500ml出ていた。やっと利尿がつき始めた。

 整形外科の処方がロルカムとトラムセット(前にセレコックスが出て、さらにロルカムも出ていたらしい)が処方されていたので、感染症としての発熱が数日マスクされていた可能性がある。また腰痛で寝込んでいたこと、最後に疼痛にデカドロン注が入ったことが、悪化に原因になったと思われる。腎機能障害にも影響したはずだ。まあ、圧迫骨折の痛みがひどかったので、その時点での治療としては仕方ないが。

 明日は、臨床微生物学会の感染症学セミナーに行くことにしていて、このまま尿が出なければ行けないかもと思ったが、なんとか行けそうだ。医局で明日(日曜日)日直の先生と会ったので、患者さんのことを話したら、診てくれるという。今晩と明日の朝に電話で尿量と血圧をチェクして、安定していれば出かけよう。日帰りで東京まで往復するのも疲れるが。

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