なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

感染症学セミナー

2014年08月24日 | Weblog

 今日は臨床微生物学会の感染症学セミナーに行ってきた。症例の1000本ノックという題名と、会場が東大の本郷キャンパスというのに惹かれた。4時間ちょっとだが、感染症で頭がいっぱいになって帰ってきた。臨床微生物学会というのは初めて聞いたが、検査技師(細菌検査)さんの学会らしい。機会があればまた行ってみたい。検査技師100名、医師70名という参加者(薬剤師と看護師も少し)だが、内容は医師にはいいが、患者さんを直接見ない検査技師さんたちには難しいのではないだろうか。講演の内容は明日まとめよう。

 乏尿になった82歳女性は昨日輸液2000mlで尿量が1700ml/日で、悪くはないが浮腫がとれるほどではなかった。東京の本郷から病院に電話して、今日もラシックス10mgを静注した。尿が出始めて、血清カリウムが3.1と下がってきたので、カリウムがほとんどフリーで指示していた輸液を変更した。自宅に帰ってまた電話すると今日は半日で尿量が2200ml出ている。浮腫も軽減してきたそうだ。ラシックスの追加はなしで経過をみることにした。なんとかなりそうだ。

 内科の若い先生が担当している脾臓低形成の劇症型肺炎球菌も昨日の時点では改善していた。文献としては、脾臓低形成の劇症型肺炎球菌感染症はけっこう症例報告が出ている。脾臓摘出術後のoverwhelming postsplenectomy streptococcal infectionと同じことになるようだ。今回の症例は類天疱瘡の発症とステロイド投与が誘因になった。

 9月から病院の感染管理室長になる予定。実務は感染管理委員会の若い委員長にまかせるので、ほとんど名目だけだが(管理職がなる決まりなので)、一応は責任者になる。病院で感染症の学会やセミナーに毎年行っているのはこの二人だけなので、このコンビで協力してやっていくしかない。

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