昨日は感染巣で迷った入院が続いた。といってもコモンなもののどれかというほどだが。84歳女性は40℃の高熱で救急搬入された。外科の外来に通院していて、モルヒネを内服していた。重度の熱傷後に植皮手術を受けていて、熱傷自体によるのだろうか、疼痛がひどくてモルヒネが開始されていた。ここのところ2回腸炎の診断で消化器科と外科に入院している。回腸末端から上行結腸にかけて腸管壁が肥厚して、周囲脂織に炎症像があった。憩室炎でもなく、感染性腸炎にしても変だが、それぞれ敬愛して退院している。
今回は肺炎はなく、CTで見ると腸管壁の炎症はなかった。前回の入院で退院前後から腹痛を訴えていたが、救急室で診察した限りでは、腹痛はないと言い、腹部の圧痛もなかった。もともと肝嚢胞があり、CTで依然と比べて嚢胞内が低濃度と等濃度でまだらになっていて、嚢胞周囲の肝組織がやや高濃度に見えた。放射線科の読影で、肝膿瘍疑いとなった(腎機能障害があって造影できず)。エコーの方がわかるので、さっそく腹部エコーを行たが、単なる嚢胞にしか見えなかった。尿路感染症だろうと導尿して採尿した。肉眼的にはそれほど混濁がないようみ見えたが、尿検査としては膿尿の所見だった。CTで両側腎臓は正常像で腫大も周囲脂肪織の炎症像もなかった。CVA叩打痛もない。意識ははっきりしていて、頸部痛もなく普通に首を回せた。尿路感染症でいいのだろうと判断して、尿培養・血液培養後に抗菌薬を開始した。
さらに夕方82歳女性が高熱で受診した。この方は先天性胆道拡張症があり、胆管癌で手術を受けていた。当院の検査で総胆管末端のみが嚢状に拡張していて、診断がつかず、胆膵の専門病院に紹介した。胆道鏡検査で胆管癌と診断された。手術は胆管癌が総胆管内を上行性に進展していて、結局肝管空調吻合術になった。その後何度か急性胆管炎を繰り返したが、抗菌薬投与で治癒していた。ここ数年は胆管炎は起こさずに無事に過ごしていた。
今回も高熱だけで腹痛はなかった。いつも肝機能障害が目立つが、今回はあまり目立たない。尿検査で尿混濁があり、急性腎盂腎炎なのかもしれないと思った。今月初めから腰椎圧迫骨折で整形外科に通院していて、腰痛で動くのがひどい。さらに受診した日は午前中に整形外科を受診して、ロルカム・トラムセットの内服でも痛みがひどく、デカドロン・メチコバールの注射をしていた。CVA叩打痛は判断つかず、CTで腎臓の炎症像もはっきりしない。いつもの急性胆管炎も否定できず、しかし今回は急性腎盂腎炎のほうが疑わしいという診断で入院した。