なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

感染症学セミナーの内容

2014年08月26日 | Weblog

 日本臨床微生物学会・感染症学セミナーの内容を振り返ってみた。日曜日に新幹線代をかけて行ったかいはあった。

 杏林大学呼吸器内科 皿谷健先生   1)肺炎球菌髄膜炎から血管炎をきたして脳梗塞。2)水痘帯状疱疹ウイルス感染から血管炎をきたして(動脈瘤形成も)脳梗塞。3)頸椎偽痛風(Crowned dens syndrome) 4)SLEとDermatomyositisのoverlapで侵襲性アルペルギールス症 5)水痘肺炎(子供から親に感染して再活性化) 6)肺膿瘍ではなくてアクチノミセス 7)大動脈弁置換術後に僧房弁に疣贅(MSSA) 8)三尖弁の心内膜炎から多発性肺膿瘍 9)潰瘍性大腸炎 便中白血球を診る 10)肺炎球菌肺炎からMRSA腸炎(あるかないか議論あり)と化膿性関節炎 11)細菌性腹部大動脈瘤 12)へそだれは尿膜管遺残膿瘍 13)結核性椎体膿瘍 Pott's disease 14)肝硬変・慢性腎不全・ステロイド内服で化膿性右肩関節炎。起炎菌はEnterobacter cloacae。 (もうひとつあったかも)

 虎の門病院 荒岡秀樹先生   免疫不全感染症 悪性リンパ腫(T-lymphoblastic lymphoma)の化学療法中に感染症 フレンドリーな雰囲気で講演も面白くて、今後この先生に注目しようと思って聞いていた。ただ、内容が難しくてよく覚えていない。虎の門病院血液内科は100床の入院ベットをもっているそうだ。体格のいい部長先生がテレビに出ていて(情熱大陸?)、見たことがある。

 杏林大学呼吸器内科 本多紘一郎先生   三尖弁形成術・徐脈性心房細動でペースメーカー植え込み術・大動脈弁置換術後・心室中隔閉鎖術・胸骨骨髄炎で開心術という、すごい症例で逆に参考にならない(当院でこんな症例は診ない)。肺炎球菌肺炎加療中に、脾梗塞・肝動脈瘤・脾動脈瘤を発症。 Candida albicansによる感染性動脈瘤。

 東京女子医大感染症科 藤田崇宏先生   1)末梢カテーテル関連血流感染症。 案外多いらしい。これは目からうろこ。2)限局性角化型疥癬 3)慢性リンパ性白血病。肺炎球菌髄膜炎が改善してから血管炎による脳梗塞発症。初期にデキサメサゾンを使用するので、それが切れるタイミングで発症するらしい。治療は再度ステロイド投与。この先生も話し方が面白くて今後注目だ。

 亀田総合病院感染症科 細川直登先生   1)透析患者さんの壊死性筋膜炎。Vibrio parahaemolyticusの感染。壊死性筋膜炎は痛みの範囲がひろく、痛みの程度がひどい。 2)誤嚥性肺炎。起炎菌はGBS。Streptococcus agalactiae。 3)尿管結石による閉塞性急性腎盂腎炎。起炎菌はStaphylococcus epidermidis。 4)セレウス菌感染と脳結核種。開頭による生検施行。こんな難しい症例は当院では診れないので、へえ~と驚くのみ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする