読書日和

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揺れる大国 プーチンのロシア

2009-03-03 21:11:14 | ウェブ日記
先日NHKで、「揺れる大国 プーチンのロシア」という番組がありました。
石油などのエネルギー産業で莫大な富を築いたロシア。
経済は90年代の低迷が嘘のように、快進撃を続けていました。
新興財閥も続々と誕生し、様々なビジネスに着手していきました。
ところが…
昨年起こったアメリカ発の金融不安により、ほとんどの財閥が壊滅的な打撃を受けます。
財閥の資金の多くが海外からの借入だったために、金融不安を機にそれらの資金が一気に引き上げてしまい、それまでの快進撃から一転、経営に息詰まる事態となります。
そこで財閥たちが頼ったのが、国の資金。
ロシア政府はエネルギー産業の多くを国の統制下に置いており、50兆円にものぼる莫大な資金を蓄えていました。
ここで鍵を握るのが、プーチン首相です。
大統領を退いた後も強い影響力を維持しており、実質ロシアのトップのような存在です。

国が財閥を救済するかどうかの話になったとき、「プーチンのリスト」というものが登場しました。
国から資金を投入する企業を選んで、リストにまとめたものです。
これは怖いリストだなと思います。
助ける企業と見捨てる企業を選別していくわけですから…
選抜されるためには、プーチン首相に国益にかなう企業と認められなければならないようです。
日本でこんなリストを作ろうとしたら、あちこちから非難されると思います。
しかしロシアでは堂々とこういったことが行えるというのが驚きでした。
この番組で取り上げた財閥のトップは、プーチンのリスト入りを目指していました。
当初は”国の金には頼らない”という信念でやってきていたものの、急速な財政悪化で方針を変えざるを得なかったようです。
ただし国は無条件で助けてくれるわけではなく、「国から送る人物を取締役として迎え入れること」という条件が付きます。
最悪の場合、今まで築き上げてきたものを国に全て取られてしまうというリスクがあります。
それでも悩んだ末に、財閥を存続させるためにはプーチンのリスト入りを目指すしかない、という結論になったようです。
多くの有力者と面会し、リスト入りのために奔走した財閥のトップ。
しかし残念ながら、発表されたリストにこの財閥の名はありませんでした。
救済が受けられないということは、財閥が非常に厳しい状況になります。
現在は「プーチンの2次リスト」というのがまとめられていて、この財閥は今度は2次リスト入りを目指し、今も戦いを続けていると番組の最後に語られていました。

ロシアの今を見つめる重い内容の番組でした。
当初はすぐチャンネルを変えるつもりでしたが、最後まで見入ってしまいました。
揺れる大国ロシアは今、混沌とした状況にあるようです。
それでもプーチン首相は、今回の金融危機を乗り切る自信を見せました。
原油高のときに蓄えてきた50兆円があれば、大丈夫なのかも知れません。

ロシアも日本も、アメリカ発の金融危機に翻弄されている点では同じです。
しかし国家のあり方が違うので、国の政策も全く違ったものになってきます。
日本で今回のロシアのような政策を取るのは無理なので、日本の経済状況に合った政策を考えていかないといけません。
政治が混乱している今、果たして景気を立て直せるのか、とても不安です。
けれども、たとえ景気が悪くても技術大国日本、底力は世界でも屈指だと思います。
必ず流れが変わるときが来るはず。
がんばれ、日本
コメント (2)
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