読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

密林の探求者

2008-09-23 21:01:40 | フォトギャラリー
渋谷の街並みはとても入り組んでいます。
それを表す良い言葉はないかと考えたら、密林(ジャングル)という言葉が思い浮かびました。
この街並み、まさに密林のような気がします。
人々は密林の果て無き探求者として、思い思いの場所を目指していくのでしょうね。
というわけで、今回の渋谷フォトギャラリーでは前回の渋谷の象徴から少し視点を変えて、入り組んだ街並みを中心にお届けします

---------- 渋谷フォトギャラリー 密林の探求者 ----------


ここはパルコのある辺りです。
50mくらい進むとすぐセンター街に出ます。


ここはセンター街の中。
この写真はいかにも入り組んだ場所ですね
ジャングルのど真ん中といったところでしょうか。


一度センター街から出ます。


道の両側に広がっているのは西武百貨店です。


この建物は劇場か映画館が入っていたような気がします。


この路地の先に、渋谷ロフトが見えますね。


これが渋谷ロフト。
文房具、雑貨などを扱っているようです。
テレビにもよく登場しますね


再び、センター街に来ました。


センター街の中には、服や靴の店からハンバーガーなどのファストフード系まで、色々な店が密集しています。


「プリクラのメッカ」というのがあります。
参拝しに来る人もいるとか。。。


というわけで、前回とは視点を変えて見た渋谷、いかがだったでしょうか。
渋谷にはまだ土地勘のない場所が多いので、機会があればまた歩いてみたいと思います

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「波打ち際の蛍」島本理生

2008-09-23 13:22:16 | 小説
最近読んだ本の中で一押しの作品です。
今回ご紹介するのは「波打ち際の蛍」(著:島本理生)です。

-----内容-----
蛍、あなたに触れたいのに。
DV、刻まれた怯え、求める心と拒む体…
痛みを超えて、もういちどわたしたちは、恋をする。
「この恋愛小説がすごい!」2006年版1位の『ナラタージュ』を超えた、最大熱量の恋愛小説!!

-----感想-----
まさに、最大熱量の恋愛小説でした。
淡々とした作品世界の中に、もう一度人を好きになることに向かっていく、熱い感情の揺らめきがありました。
このギャップが特徴的でした。
小説の世界感は島本理生さん特有の静かで穏やかな感じなのですが、主人公・川本麻由の揺れる心の何とももどかしいこと…
相談室で出会った植村蛍と少しずつ仲良くなっていくのですが、麻由は発作的に感情が混乱することがあって、戸惑ったり拒絶したり、二人の距離は思うように縮まりません。

麻由には元彼の関口遥からDVを受けていた過去があって、心に深い傷があります。
別れてから時間が経った今でも、ちょっとしたことがきっかけで感情が不安定になってしまいます。
蛍と一緒にいるときでも、そうなってしまうことがあります。
蛍のことが好きだという気持ちと、でも怖いという気持ちがごちゃまぜになって、揺れ動く感情にすごくリアリティがありました。
結局殻に閉じこもることを選んでしまう自分に嫌気が差すこともあるようです。
でも、大丈夫、蛍はそんな麻由を受け入れてくれます。
決して責めたりはしないし、麻由が落ち着くのを待っていてくれます。
ときに気まずくなったりもしながらも、ゆっくりと歩んでいく二人。
どんな結末を迎えるのか、ぜひ色々な人にこの本を読んでほしいなと思いました。

さすが島本理生さんだけあって、文章に透明感があります
その透明感に触れているうちに、一つ一つの文章を丁寧に読みたいと思うようになりました。
この作品は大切にじっくり読んでいきたいと思わせる魅力がありました

私はナラタージュよりこちらの作品のほうが良いかもと思いました。
ナラタージュも良い作品でしたが、この作品は透き通るような透明感があって、読んでいて心地良かったです。
文章も凝ったものはあまり使っていなくて、読みやすかったです。
一つ、すぐには理解出来なかったのが、麻由が自分の部屋を出るとき、目覚まし時計をセットしていた場面。
前後の文章から見ても、目覚まし時計は全く脈絡がなかったので、唐突に出てきたこの文章に?となりました。
しばらく考えてから、なるほど、と納得がいきました。
もし読む機会があったら、どんな意味か考えてみてくださいね
文章から意味を読み取るのは、なかなか奥が深いものです。

この作品にはぜひ何か大きな賞を取ってほしいです。
作品の随所に見られるクールで美しい世界感がそう思わせます。
もともと島本理生さんは芥川賞候補にも何度かなっているし、とても力のある作家です。
これからも頑張っていってほしいなと思います

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