湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

新伊勢崎駅前食堂にて

2008-12-18 23:59:56 | B食の道

群馬県の新伊勢崎駅近くでの仕事を終え、駅まで戻ってきたのが14時半。
朝から何も食べていないという営業のK君と駅周辺を歩いてみたが、開いている飲食店が見つからない。結局、駅前に戻ってきて、「本日休業」の札がかかっているのになぜか暖簾も出ていた『松村食堂』の引戸を開けてみた。

ワンワンワンワン!
キャンキャンキャン!
いきなり二匹の犬が飛び出して来て、僕の足にまとわりつく。その後を追うように、今度は赤い毛糸の帽子を被った小柄なおばちゃんが飛び出してきて、僕の足元で二匹の尻をひっぱたく。そして、犬たちを捕まえると、中へ戻っていってしまった。

店内を覗くと、暗くて犬の鳴き声ばかり。
「いいのかな?やってる?」
とりあえず聞いてみた。
「あっ、う・うん、いいですよ。犬の散歩の時間だったもんでね」
なるほど!
「電気を点けろよ」
奥にいただんなさんに促され、電気とテレビがついて、ようやく食堂らしくなった。


「何でもできますよ」
そう太鼓判を押されたので、『かつ定食』と『玉子焼き』を。若いK君は、ガツンと『メンチ定食』と『ラーメン』を。
さすがに電気を点けるところから始まったもので、料理もイチからだったようで、たっぷり時間がかかった。でもまあ急ぐ旅でもない、のんびり待つ。


出来てきた料理はどれも家庭的な仕上がり。普通の味がなによりだった。
「こういうのが嬉しいんすよ」と、付け合わせの小鉢の煮物にK君の顔がほころぶ。
玉子焼きも、おウチの朝ごはん的な造形がいい。実はこれ、厨房から「何にも入ってない方がいい?それともネギを入れる?」と聞かれて、玉ねぎをお願いしたもの。写真じゃわからないが(笑)、僕用にしっかりカスタマイズされているのだ。

さて、家庭のおかず定食を堪能すると、取材を始める(笑)。
どうやら僕たちが来なければ、今日はもう店じまいだったようだ。そのかわり、朝は4時からやっているというのに驚いた。
「このへんは夜の商売の人が多くて、仕事が終わってからご飯を食べにくる人たちで朝からいっぱいだったのよ。オカマチャンなんかもいたわね」
だだし、それも10年以上も前のこと。今じゃすっかりお客が減って淋しいとポツリ。
「そのころの習慣で、ずっと毎朝4時に暖簾を出しているの」と笑う。
お店はすでに70年。おばちゃんが嫁いできた30数年前には週に2回、朝一番の電車で築地まで仕入れに行っていたのだという。
そんな昔話から、カラっ風の脅威や暑さの話まで、お茶のおかわりを何杯もいたたきながらのんびりとうかがった。
「じゃあ、そろそろ」と立ち上がると
「ちょっと待って、時刻表を見るから…え~と2時54分ね」
「え~!行っちゃったばっかりじゃん!でもまあいいか」
というわけで、あんなにたくさん食べて、あんなにたくさんしゃべって、しめて2300円とは、あらお安い。
「こっちに来たらまた寄ってね」
表に出たら、風が冷たい。温かいお店だったから尚更だね。
「パソコンたたいて駅で待ってます」というK君と別れ、思いがけず僕はそれから小一時間の散歩を楽しむのであった。


12/18(木)の湘南ライナー

2008-12-18 21:33:38 | 今晩の湘南ライナー車内
9時半です。
乗車率は50%位。
車内の表示温度は17.4℃でした。

今朝は、浅草駅の券売機で「りょうもう5号」の「窓側」を指定して特急券を購入。
北千住駅からたくさん乗り込んできてほぼ満席になったのですが、なんと隣に今日の同行営業マンが!
彼は北千住駅の窓口で買ったというのですが、こんな偶然があるなんて!