湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

100年後の心

2008-12-01 23:19:21 | 本郷後楽園昼休み散歩


こんなに草木に覆われて、ただ静かに秋の空を映している池の畔に立っていると、ここが都内であることを忘れてしまいそうだ。
東大キャンパスにある『三四郎池』にやってきた。
元々は加賀前田家の庭園『育徳園』内に「心」という文字の形に造った池で、『心字池』と呼ばれていたらしい。
現在の呼び名になったのは、夏目漱石の『三四郎』で描かれて以降だという。
散歩する人、読書をする人、お弁当を食べている人、写真を撮る人…。お互いが邪魔をしない距離で楽しんでいるところがいい。
2羽のカモさえ、紅葉を映して染まる水面に、身を隠すようにじっと寄り添うばかりだ。
ちょうど100年の時を経て、ここは変わったのか、変わっていないのか。
それとも、時は止まったままなのか。
ただ、向こうの崖の上に美禰子が現れるのを待たずに、僕は帰路に着くのである。
だって、昼休みが終わっちゃうのだ。




向こうに見えるのは東大病院。その手前下に、三四郎にも登場する「運動場」がある。現在は人工芝。


こちらは剣道部。


こちらは、東大の正門を入ったところ。この季節、構内はどこも色鮮やかです。今日はGRDを持っていけばよかった。悔しい。