湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

街道をゆくママチャリで

2008-12-22 23:35:56 | 湘南ライナーで読む


文庫本で一度読んでいるのは確かなのだが、そのありかがわからない。
いや、内容についても、脳内のどこの引き出しにしまい込んだのかまったく思い出せないでいる(笑)。
そこで、『街道をゆく 本郷界隈』(司馬遼太郎著 朝日新聞社刊 1100円)【ワイド版】を改めて購入した。昼休みの散チャリの友である。
再び読んでみて驚くのは、司馬氏は常に膨大な資料を傍らに、たっぷりと時間をかけて歩いているということ。今ならインターネットで簡単に調べられるものも、当時は(といっても1991~2年頃)ぶ厚い文献のページを何度も何度も持ち上げるように開いていたに違いない。
だからこそ、その一歩一歩に重みが感じられるのだ。いつだって行き当たりばったりの僕の散チャリと一緒してはまったくもって失礼である。
それにしても、土器が発掘された地名から命名された弥生時代に始まり現代まで、歴史をひもときながら時間の旅を楽しむことができて実に面白い。
あの時代にここでこんなことが…
そこではそんな事件やあんなロマンスが…
いつもの風景が違って見えてくる。
そして、司馬遼太郎氏が本郷歩きを始めた最初の日、ここでクスノキの大木を見上げた姿を想像すれば、それ自体も既に大いなる歴史の一部である。