「くっそー、雨かぁ～」
何万もするブランドもののブーツを履いている彼が、降りだした雨を嘆いた。
ブーツが雨に濡れるのがイヤだというのだ。あまりにヒドイ雨になると、ブーツの上からコンビニのビニール袋を履くのだと言って、その日も用意を怠らなかった。
な～るほど、それなら濡れないし痛まないよね…って、何のためのブーツよ。
だいたい自慢のブーツなら、人に見せたいものだと思うんだけど。
さらに驚くことに、彼の家にはそのブーツとまったく同じものがもうひとつ飾られていた。コレクション用である。
以前、会社に在籍していた若手社員の話だ。今はもう30も過ぎ子供もいるが、相変わらず靴を含めたファッションには相当な金額を注ぎ込んでいると聞く。
今晩あたりも、コンビニ袋を“履いて”深夜の道を、ガサガサ音をたてて歩いているのだろうか。
写真は、先日の東海大学で。当然彼の靴はこんなところに放置できない。