子供の頃から、どうも魚卵系がだめ。
タラコ、からし明太子、いくら、筋子、白子、それからウニ…
まったく食べられないというわけではないが、積極的に摂取するようなことはしない。決して。
「大量虐殺」という言葉が浮かぶ。
まだ産まれる前だというのに、一度に何百、何千というその卵をパクリといってしまうのだ。人間て、なんてヒドイことをするのだと思ってしまう。うんめ～、うんめ～と、よく喜んで食べられるものだなあと。
「シラス、食べるよね」という声が聞こえる。
シラス、大好きです。生も、釜あげも、たたみもイケます。
一度に数百、数千、いや数万匹まとめてパクッ。
ただし、こちらは「大量虐殺」ではありませんよ。なんといっても既に産まれて、魚として大海原を泳いでいたのだから。つまり、アジやさんま、もっといえばマグロなんかと変わらない。たまたまカタクチイワシが、まだ小さかっただけ。たまたまそれをまとめて食ってしまったというだけの話なのだ。
マグロの漁獲高の方が、はるかに大きい。食べ物ですから、ありがたく「いただきます」で問題ない。
問題なのは、産まれてくる前の卵を人間がかっさらって食ってしまうということ。大海原の素晴らしさ、美しさ、自由さを知らずに、丼の中に身を横たえ、やがて胃袋の闇を行く悲しさを思うと、積極的摂取を躊躇せざるを得ないのである。
あまりに悲しいので、今日はこのくらいにしておこう。えっ？何っ？よく聞こえないなぁ。
「鶏のたまご、大好きだよね」
ま・まあ、まあ…。
写真は、おととい神田あたりで。