湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

節分の夜が景気回復の鍵

2009-01-27 22:46:36 | 自分四季報


「恵方巻き、頼んどいたから」
コンビニでパートをしている妻が、売上目標達成のために今年も家族の人数分、予約したという。
会社でも、別のコンビニから頼まれてゴソッとやってくるので、節分の夜はお腹が苦しくなりそうだ。
数年前から、まるで当たり前のように、その年の恵方を向いて黙ったまま“まるかじり”している。だが、そんな風習は関東にはなかったはずで、たぶん全国展開しているコンビニの戦略によるところなのだろう。
ただ、単価こそ高くはないが、この日はかなりの数がはけるから、停滞する日本経済にいい刺激を与えるかもしれない(笑)。
そうとなれば仕方がない。景気がよくなるように、節分の夜は頑張って、まるごと二本いきましょうか!

写真は、先日小田原アリーナへ行った時に、蛍田駅前で。福豆は、この時期だけスーパーやコンビニで売っているのだと思っている人も多いと思うけど…。

ナポリ遺跡への道

2009-01-27 00:54:56 | 湘南ライナーで読む


『ポパイ』や『ホットドッグ(プレス)』によって西海岸的イメージを刷り込まれた僕たちは、当然のことのように片岡義男を読みあさる。
一方で、ニューヨークやシカゴ的な匂いから徐々にトロピカルな香りに変わっていった南佳孝のLPも聴きまくっていた。

「ァィウォンチュー…」

ある日、こんなインパクトのある歌い出しと共に、この二人が合体してしまったのだ。
映画『スローなブギにしてくれ』(1981年)である。
短編小説なのに、どうやって映画化するのだろうと興味深く公開を待ったが、氏のいくつかの短編が見事に繋ぎあわされていて驚いた。また、南氏の歌がフィルムの映像に妙にマッチしていたのを覚えている。
それ以降も南氏は聴き続けているのだが、なぜだろうか片岡氏の作品はまったく読んでいない。もう何十年も(笑)。
それが、ひょんなことから再会することになった。
その本は『ナポリへの道』(片岡義男著 東京書籍刊1300円+税)。
西海岸、ニューヨーク、シカゴ、福生、大和、そして長い時を経て、次はナポリか…と思ったら、ナポリはナポリでもスパゲッティのナポリタンの話なのだ(笑)。
ナポリタンが大好きな僕に、M博士がこの本の存在を教えてくれたのである。
『ナポリへの道』は、片岡氏が自らの体験をなぞりながら、ナポリタンが戦後の日本で、どのように“日本食”となっていったのかが描かれている。
もちろん「少なくとも現在では唯一の文献」として『ナポリタン』も登場する。
すっかり衰退しているのかと思っていたら、あんがい盛り返していて驚いたとも語っている。確かに、冷凍食品やチルド食品、外食、中食などを含めた全体量では増えているのかもしれない。でも、古くからの喫茶店で供されるナポリタンは確実に減っている。古くからの喫茶店自体がどんどん店を閉じているからね。実は、古いナポリは、絶滅の危機に瀕しているのだ。
ナポリへの道をたどる旅は面白かったが、僕にとってのナポリタンはポンペイの街のように、火山灰に埋もれてしまいそうなのだ。