第4分科会の報告をします。
「災害から学ぶまちづくり・人づくり」
事例発表
①米山(こめやま)正幸氏 北淡震災記念公園 副理事長
阪神・淡路大震災時 約300名が生き埋めになったが、当日お昼過ぎには全員救出できた。
理由は、近所の人が「誰がどの部屋で寝ているか」まで知っていたから
消防団の活躍(565名定員+OB消防団約500名=人口の約1割)
教訓 隣近所とのコミュニケーションの大切さ
防災意識・教育の重要さ(備え、訓練、命をどうやって守るか)
家屋の耐震、住民への情報伝達方法の確立、災害に強いまちづくり
災害後のこころのケアの重要性
「防災」はできないが「減災」はできる!!
自分の命は自分で守る。自分たちの地域は地域で守る!!
②千種和英氏 空き缶でもうけてもええ会 事務局長
商店街振興のため会を立ち上げる。ご当地B級グルメサミットを考案 7回目
平成21年8月9日 台風9号にともなう集中豪雨で被災し、全国各地からの支援を受ける
「まちがもどる」ということは・・・風化させないことの大切さ!
まちづくりで得たネットワークを生かし、東日本大震災の支援活動を行う
相手の身になった支援とは・・・よく話し、相手の願うことを応援する形で!
③諏訪清二氏 兵庫県立舞子高等学校環境防災科 教諭
環境防災科とは? すべて学校設定教科、科目
「災害と人間」「環境と科学」「防災情報」「社会環境と防災」「自然環境と防災」
「アクティブ防災」「人と社会」「環境防災講読」「卒業研究」
卒業履修単位88単位、専門科目27~31単位
つなげる・つながる・人づくりを!
1)震災の現実と人間 の知恵を学ぶ。本気の大人に出会う
2)校外学習 神戸市消防学校1泊2日体験訓練、地域安全マップづくりなど
3)小学校の子どもたちと防災を学ぶ・・・震災体験の継承、理科実験など
4)国際交流・国際貢献・・・ネパール訪問、インド洋大津波被災地支援、スリランカ訪問
四川訪問、研修受け入れ交流
5)外部セミナー、ワークショップなどへの参加・・・ぼうさい甲子園
防災教育チャレンジプランなど
6)ボランティア活動・・・台風23号(豊岡、洲本)、兵庫県北・西部豪雨、新潟県中越地震
7)募金活動・・・新潟県中越地震、インド洋大津波、ジャワ島地すべり
パキスタン大地震、石川県能登半島地震、四川大地震
ミャンマー水害、兵庫県北・西部豪雨など
土日、2時間2か所にたち100万円集まる力
8)石巻市 災害ボランティア 小中学校の掃除
防災教育(ぼうさい甲子園)がつなぐ交流・・・釜石東中学校、宮古工業高校
「心のケア授業」の開催
宮城県東松島市で活動 松島町で自炊生活(災害ボランティア)
帰ってから・・・報告会、発表会、手紙・電話・メール(つながっていることを伝える)
④木村幸一氏 東北地方太平洋沖地震復興支援ネットワーク淡路島 代表世話役
阪神・淡路での被災やボランティア経験から学んだ教訓を生かして
「被災者のために気持ちを込めて届ける」
震災直後・・・現地でのごみを減らすために、衣料品の放送は外し、分別の手間がかからないように品目ごとに細かく仕分け箱詰め。
段ボール箱の大きさをそろえ、重さは軽めに調整
現地では段ボールが整理ボックスに利用できることを伝える
余剰物資の対応へ提案(宮城県七ヶ浜町で)
許可を得て防寒着などを淡路へ運ぶ⇒仕分け⇒バザー⇒換金⇒必要物品を宮城県で購入⇒経済活性化支援とコミュニティへの支援
1)余剰物資の3分の2は売り物にならないようなもの(モラルに残念)
2)支援金の用途・・・仮設住宅に壁掛け時計、洗面器、洗濯バサミなど生活用品を!
「みお七ヶ浜」障害者支援授産施設の援助
※豆腐の生産販売をしていた施設。毎月12日を「豆腐の日」にとして、
仮設住宅に3年間届ける。毎月豆腐を届ける費用に使う。
パネルディスカッション
コーディネーター 福留強氏 特定非営利活動法人全国生涯学習まちづくり協会 理事長
1)災害体験と教訓を風化させない活動を。被災体験の学習が大切。
2)「克災(こくさい)」の概念を提唱。自治会をはじめとする様々な団体の活性化と、団体による地域を知る活動、そして、その団体や活動をつなぐ取り組み
3)安全・安心なまちづくりには、日常活動と防災活動の融合を図る
4)防災活動の基本はコミュニティづくりにあり。コミュニティでの地域活動には地域を知り、豊かな発想をもったリーダーが必要です。リーダー育成システムの構築を
5)地域安全マップの作製や、要援護者情報の共有など、地域情報を共有していくシステムをつくる
「今やっている地域づくりに力を入れてほしい」
と言われ、救われる思いがした。