平成24年12月12日(水)13:30~15:30 石川県女性センター 5階各女連の部屋
今年11月に金沢市で男女共同参画全国都市会議が開催された。
講演を聞いていたメンバーが、DVの実態について話を聞いてみたいと今回の講演につながった。
講師 石川県女性相談支援センター 子ども・女性相談課長 福村一氏
パープルリボンが女性に対する暴力根絶運動のシンボル
オレンジリボン 児童虐待
ピンクリボン 乳がん
レッドリボン エイズ
平成12年からこの部署に関わってきたという福村氏。当時は帰宅先がないという相談が多かったそうだ。
現在は、DVの相談が多くなり、男性だと話しにくいということもあると感じられると
とても優しい声でゆっくり話す様子は誠実そのもの。24時間相談体制に応じるため、常に携帯を話せないという。大変な仕事だ!
DVとは・・・ 家族や恋人同士といった親密な関係のなかで、力や立場の強い者が、
弱い者に対して、様々な暴力を使って、意のままに操ろうとする
もちろん、女性に対する暴力だけでなく、男性に対する暴力も含まれる。
DVの影響は・・・PTSD 過去の思い出がよみがえり、気分が悪くなる、気持ちが落ち込む
体調不良、うつ病、人間不信、無力感が強くなり、あきらめ感が出る
暴力の世代間連鎖
子どもにも大きな影響
乳幼児(0~1歳児) 感情低下、運動遅滞、言葉の遅れ
幼児期(2~5歳児)問題行動、言葉の遅れ、おむつをはずせない
学童期(小学生) 問題行動、不登校、学力の遅れ
思春期(中学・高校生)問題行動、家庭内暴力、不登校
DVの形態
孤立させる・・・仕事に生かせない、家族や友達と合わせない、電話を取りあげたりする
経済的コントロール・・・お金に触らせない、「下さい」言わせる、家計費を渡さない
身振りや言葉で脅す、被害者女性や子ども・家族などを殺すと脅す
情緒的虐待・・・悪態をつく、避難する、人前で罵倒する、恥をかかせる
性的虐待・・・女性が不快になる性行為を強要する、意思に反して性行為をする、
子どもの前で性行為をさせる
身体的虐待・・・殴る、髪をつかんでひきずる等
DVに対する誤解
DVは特殊な家庭で起こる⇒加害者タイプは一定でない。いろんな家庭で起こる
4人に1人の女性が経験、20人に1人は死も覚悟(内閣府調)
夫婦の問題は夫婦で解決⇒DVは夫婦では解決できない。相談することが大事
多くの例が10~15年以上、男性が別れたがらない
殴られる方にも原因がある⇒殴る方が悪い
子どものために、別れないほうがよい⇒子どものために、別れた方がいい場合もある
70%の暴力が子どもの目の前で
暴力が本当にひどければ逃げるはず⇒抵抗できなくなり、逃げれなくなる
そのうち、暴力はなくなるはず⇒なくなりません。加害者を治療しなければいけない
石川県女性相談支援センターの業務
○婦人相談所・・・売春防止法第34条に基づき、一時保護を行う施設を設置
○配偶者暴力相談支援センター・・・配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV法)
相談件数の74%がDVで占めている。
相談年齢は30~39歳代が一番多い。40~49歳、20~29歳、50~59歳、60歳以上と続く
DVをなくすために ①「DVはいけない」と周りに伝えて行く
②起きた時に、相談しやすい環境づくり
③子どものときからの教育が必要
講演後、参加者メンバーで感想や意見などを話し合う。
暴力の例は、昔は当たり前のように行われていた。
今でも妻は自分の思い通りにするものと思っている人がいる
いろんな施策にも、女性の意見が反映できるようにしなければ
声を上げないといけない
誰もが安心して幸せに生きたいと思っている。男性だけ、女性だけではなく、どうやったらそのような関係が築くことができるのか、互いに話し合っていく必要がある
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内閣府の数字は実感がなかったが、実際に相談現場からの話を聞いていると
胸が苦しくなると同時に、なんとか生きやすい世の中にならないものかと強く思った。
DVだけでなく、まだまだ生きにくさがあるのでは・・・
そんな声を集め、伝えていくのも生活学校運動の役目ではないか。