前田哲監督、永野芽郁主演、『そして、バトンは渡された』、11/3、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞。2021年50本目。
『そして、バトンを渡された』は文化の日にお袋と観に行きました。
自分はお袋と一緒に映画を観に行くことに抵抗はありません。
といってもそんなにしょっちゅう一緒に映画を観に行っているわけではないですよ。
何しろ好みの映画が全然違うので、一緒に観に行くことに抵抗はなくても実際一緒に観に行くことはめったにないのです。
ただ『そして、バトンを渡された』はネットでの評判もいいようだし、たまには親孝行もしないといけないなと思い、お袋を誘って観に行くことにしました。
お袋は感動して泣いたとのことだったので、連れて行ってよかったと思っています。
感動したのはお袋だけでなく、終盤では周りのお客さんからもすすり泣く声が聞こえました。
では自分はどうだったかというと、正直、どこか遠い星のお話にしか思えませんでしたね。
本作の主人公は永野芽郁演じる、どこか引っ込み思案な少女優子なのですが、実質的なヒロインは石原さとみが演じた優子の義母梨花だと言ってよいと思います。
《ここからネタバレ》
病を得て(おそらくは子宮がん)子供が埋めない身体だった彼女は義理の娘である優子を本当の娘のように可愛がります。
それはいいのですが、自分が病気であること、そしておそらく長くは生きられないということを優子にはもちろん、夫の秀平にも言わないんですよ。
幼い優子に言わないのはわかるのですが、夫に言わないというのは自分にはちょっと考えられません。
もし梨花がそのことをきちんと秀平に伝えていたら、彼もいきなりブラジルに行く、なんて無茶なことは言いださなかったと思います。
ここからちょっと個人的な話になります。
うちの親父は医者からがんで余命半年と宣告されたことがあります。
でもそのことを子どもたち(つまり兄と自分)には話さなかったんですよね。
動揺するとか、受け止められないとか、両親には両親なりの理由があったとは思いますが、伝えるのが当然だった、と自分は考えます。
まぁ実際には余命半年と宣告されて10年以上生きたので、問題なかったと言えば問題なかったのですが、でも宣告通り半年で死ぬことも当然ありうるわけで、その際そのことを知らされていなかったと知ったら、当時の自分はどう思うでしょうね?
裏切られたと思うんじゃないかな。
もしくは深く傷つくかもしれない。
ともかく、家族であれば病気のことはきちんと包み隠さず言うべきでしょう。
映画に話を戻すと、梨花は三番目の夫となる壮介にも病気のことは言わないんですよ(壮介には連れ子の優子がいることすら言わない)。
言っちゃなんですけど、これって「詐欺」ですよね。
持病を持つ人は恋愛をするな、とは言いません。
映画を観に行ったり、食事に行ったり、ちょっとしたデートであれば病気のことは言わないでもいい、と思います。
でも結婚となると話は別ですよね。
自分には持病があること、子どもを産めない身体であること、連れ子がいること、そういったことはきちんと伝えるべきでしょう。
もちろんそれを伝えることで相手を失ってしまうんじゃないかと恐れる気持ちはよくわかります。
でも伝えるべきです。
それが家族になるってことなんじゃないですか?
まぁ独身である自分が言っても説得力はないかもしれませんが…。
梨花の行動自体自分には到底受け入れがたいものだったのですが、驚くのは壮介がすべてを受け入れちゃうことですね(彼が梨花の病のことを知るのはずっと後になってのことですが)。
聖人君子か!と思いましたよ。
同じ人間とはとても思えません。
ついでに言っておくと、梨花は優子のことを想い、壮介と結婚するのですが、彼のことを深く知って結婚したわけではないんですよね。
壮介が聖人君子だったからよかったものの、もしロリコンの変態野郎だったらどうするんですか?
東大卒で一流企業に勤めるエリートサラリーマンがいい年をして独身だったら、その可能性は低くないと思いますけどね。
梨花の行動はことごとく結果オーライになるのですが、だから何も問題はなかった、というふうには自分には思えません。
結果オーライなんだからそれでいいじゃないか、そう思える人は本作で感動出来ると思います。
お気に入り度★☆、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
『そして、バトンを渡された』は文化の日にお袋と観に行きました。
自分はお袋と一緒に映画を観に行くことに抵抗はありません。
といってもそんなにしょっちゅう一緒に映画を観に行っているわけではないですよ。
何しろ好みの映画が全然違うので、一緒に観に行くことに抵抗はなくても実際一緒に観に行くことはめったにないのです。
ただ『そして、バトンを渡された』はネットでの評判もいいようだし、たまには親孝行もしないといけないなと思い、お袋を誘って観に行くことにしました。
お袋は感動して泣いたとのことだったので、連れて行ってよかったと思っています。
感動したのはお袋だけでなく、終盤では周りのお客さんからもすすり泣く声が聞こえました。
では自分はどうだったかというと、正直、どこか遠い星のお話にしか思えませんでしたね。
本作の主人公は永野芽郁演じる、どこか引っ込み思案な少女優子なのですが、実質的なヒロインは石原さとみが演じた優子の義母梨花だと言ってよいと思います。
《ここからネタバレ》
病を得て(おそらくは子宮がん)子供が埋めない身体だった彼女は義理の娘である優子を本当の娘のように可愛がります。
それはいいのですが、自分が病気であること、そしておそらく長くは生きられないということを優子にはもちろん、夫の秀平にも言わないんですよ。
幼い優子に言わないのはわかるのですが、夫に言わないというのは自分にはちょっと考えられません。
もし梨花がそのことをきちんと秀平に伝えていたら、彼もいきなりブラジルに行く、なんて無茶なことは言いださなかったと思います。
ここからちょっと個人的な話になります。
うちの親父は医者からがんで余命半年と宣告されたことがあります。
でもそのことを子どもたち(つまり兄と自分)には話さなかったんですよね。
動揺するとか、受け止められないとか、両親には両親なりの理由があったとは思いますが、伝えるのが当然だった、と自分は考えます。
まぁ実際には余命半年と宣告されて10年以上生きたので、問題なかったと言えば問題なかったのですが、でも宣告通り半年で死ぬことも当然ありうるわけで、その際そのことを知らされていなかったと知ったら、当時の自分はどう思うでしょうね?
裏切られたと思うんじゃないかな。
もしくは深く傷つくかもしれない。
ともかく、家族であれば病気のことはきちんと包み隠さず言うべきでしょう。
映画に話を戻すと、梨花は三番目の夫となる壮介にも病気のことは言わないんですよ(壮介には連れ子の優子がいることすら言わない)。
言っちゃなんですけど、これって「詐欺」ですよね。
持病を持つ人は恋愛をするな、とは言いません。
映画を観に行ったり、食事に行ったり、ちょっとしたデートであれば病気のことは言わないでもいい、と思います。
でも結婚となると話は別ですよね。
自分には持病があること、子どもを産めない身体であること、連れ子がいること、そういったことはきちんと伝えるべきでしょう。
もちろんそれを伝えることで相手を失ってしまうんじゃないかと恐れる気持ちはよくわかります。
でも伝えるべきです。
それが家族になるってことなんじゃないですか?
まぁ独身である自分が言っても説得力はないかもしれませんが…。
梨花の行動自体自分には到底受け入れがたいものだったのですが、驚くのは壮介がすべてを受け入れちゃうことですね(彼が梨花の病のことを知るのはずっと後になってのことですが)。
聖人君子か!と思いましたよ。
同じ人間とはとても思えません。
ついでに言っておくと、梨花は優子のことを想い、壮介と結婚するのですが、彼のことを深く知って結婚したわけではないんですよね。
壮介が聖人君子だったからよかったものの、もしロリコンの変態野郎だったらどうするんですか?
東大卒で一流企業に勤めるエリートサラリーマンがいい年をして独身だったら、その可能性は低くないと思いますけどね。
梨花の行動はことごとく結果オーライになるのですが、だから何も問題はなかった、というふうには自分には思えません。
結果オーライなんだからそれでいいじゃないか、そう思える人は本作で感動出来ると思います。
お気に入り度★☆、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。