この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

春物の財布を買いました。

2012-01-31 22:58:00 | 日常
 春物の財布を買いました。
 正確にはお袋に買ってもらったんですけどね。


   


 日曜日、演劇を観に行った帰り、お袋と二人でキャナルシティの中をうろついていたら、本革製品を取り扱っているお店に通りがかった際、あんたもこういうのがいるでしょ、と突然言い出したんです。
 今使っている財布が使えなくなったってわけじゃないし、いい年をした大人が母親に財布を買ってもらうなんて聞かない話だし、この日はお袋の誕生日を祝おうと思って連れ出してるのに、祝おうとしている相手からプレゼントをもらうなんて変だし、いや、いい!!って固辞したんですけど、この日のお袋は妙にご機嫌で、こういうときじゃないと買ってあげられないから、と聞かないんですよ。
 まぁ素直に買ってもらうのも親孝行というものかと思って、買ってもらうことにしました。

 この財布がいくらなのか、具体的な金額は言いませんが、自分の意志では絶対に買わないというのは間違いないですね。
 何しろ自分は小銭入れにジュースの空き缶を使ってるぐらいなので。笑。

 それはさておき、財布を買ってくれたのはありがたいんですけど、使い始める日を指定されてしまいました。
 それがいつかというと、2/8。
 お袋曰く、何でも新しくものを使い始めるのにはちょうどいい日、だそうです。
 う~~~ん、よくわからない。
 お袋にはこういう昔気質というか、信心深い面があるんですよね。
 まぁそれぐらいは全然構わないですけどね。
 いい物を買ってもらったんですから、大事に使っていきたいと思います。
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二月は何だか忙しい、、、

2012-01-30 22:32:06 | 日常
 いよいよ明日から二月ですね!!
 って、あれ、一日、早かったか。笑。
 ま、それはさておき、二月は何だか忙しい、、、ような気がします。

 何といっても観に行く映画がやたら多い。
 2012年は厳選して映画を観に行くぞ!!と誓ったにも関わらず、二月は何と前売り券を購入しているだけでも五本、劇場まで映画を観に行きます。

 まず、2/4に公開されるウィレム・デフォー主演の『ハンター』
 これは最初、観る気はなかったんですよ。
 観たくないという意味ではなく、どう考えても時間的に観る余裕がない。
 でも、マイミクさんの一人が絶賛されていたので、無理矢理時間を作って観に行くことにしました。

 でもって、2/10には『ドラゴン・タトゥーの女』が公開されます。
 これは監督がデヴィッド・フィンチャーなので最初から観に行くつもりでした。

 さらに2/17は『TIME/タイム』が公開されます。
 これも個人的に外せない一本です。

 さらにさらに2/18には『ものすごくうるさくてありえないほど近い』が公開。
 これは、、、最初は観るつもりはなかったのですが、給料が出たばかりで気が大きくなっていたのか、つい前売り券を買っちゃいました。笑。
 でもハズレではなさそう。

 さらにさらにさらに九州では2/25から『灼熱の魂』が公開。
 この作品はどの映画レビューサイト、映画レビューブログでも絶賛されているので、ひねくれ者の自分でも観に行ってみるか、という気になりました。

 で、五本の映画とは別に2/12には『侍ロック』という演劇を観に行きますからね。笑。

 さらに二月は車検も受けなければならないし、女の子からもらう大量のチョコレートを食べないといけないし(見栄張んなよ)、ほんと、忙しくなりそうです。
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洗練された不謹慎な笑い、三谷幸喜作『90ミニッツ』。

2012-01-29 22:28:22 | 新作映画
 三谷幸喜作の演劇、『90ミニッツ』をキャナルシティ劇場まで観に行ってきました。

 観る前は、二人芝居で¥8400というのは高いな、と思ったりもしたのですが、実際観ると、なるほど、これなら¥8400も高いとは言えないな、と思いました。

《ストーリー》
 とある大学病院に交通事故によって瀕死の重傷を負った一人の少年が運び込まれる。少年は90分以内に手術を受ければ間違いなく助かる(という医者の見込み)。
 しかし、少年の父親は宗教上の理由から輸血を伴った手術を拒み、一方大学病院の副部長は父親に手術の同意書にサインを求めるのだが…。
 果たして少年は助かるのか否か?

 シチュエーション・コメディというコメディのジャンルがあります。
 これは登場人物がギリギリのシチュエーションの中でてんやわんやの騒ぎを起こすというコメディのことですが、そのギリギリのシチュエーション、それ自体が笑いの要素になっています。
 いうまでもなく、ギリギリのシチュエーションというのは、あくまでギリギリであって、一線を越える、ということは通常ありえません。
 例えば、一人の少年が助かるかどうか、そういったシチュエーションはシチュエーション・コメディには基本的にあり得ないのです。

 しかし、驚くことに三谷幸喜はこの『90ミニッツ』に笑いを持ち込んでいるんですよね。
 スピルバーグの映画を見ると、よくそんな不謹慎なことをネタに笑いを取ろうと思うものだな、と感心するのですが、この『90ミニッツ』はその比じゃないんですよ。何しろ一人の少年の命がかかっているのですから。
 コメディを作るのであれば、もっと無難な題材を選べばいいであろうに、挑戦的すぎるのも程がある、と思わずにはいられません。
 おそらく、この作品は、『国民の映画』同様(といってもこちらは未見ですが)三谷幸喜にとっての新境地だったのではないでしょうか。

 さて、本作は尋常じゃなく不謹慎な笑いのシチュエーション・コメディですから、ざっとレビューブログを見回った限りでは、評判はよくないようです。
 いわく、命というものを軽視している、8,000円も払って観る劇だとは思えない、全然感動できなかった、etc。散々です。笑。
 酷評しているレビューを読んで、なるほどな、と思わないでもないですが、自分の感想はちょっと違います。

 実は本作は実際にあった事件を元にした作品です。
 輸血を拒否した、という一点からもわかるように、父親のモデルはつまりエホバの証人の信者であり、その事件は今から十年以上前に起こったことです。こちら。
 十年以上前に起こった事件をなぜ今さら三谷幸喜は演劇の題材に選んだのか?
 自分は興味本位に選んだ、とは思えないのです。
 根底にあるのは、やはり怒りではなかったのか?
 
 本作ではオープニングで、この作品は実際に起こった事件を元にしているが、特定の人物を非難するものではない、というような断りが映像で流れ、さらに、エホバの証人という具体的な宗教名は秘され、代わりに地方の習慣と置き換えられています。
 しかしそれを額面通りに受け取るものではない、と思いますよ。

 この演劇のレビューを読むと、観劇後、モヤモヤとしたものが残った、中には怒りすら感じた、と書いている人もいましたが、自分はそれこそが三谷の狙いではなかったか、とすら思います。
 過大評価かもしれませんが、どうあれ、事件を風化させるべきではないと三谷が思ったのは間違いないでしょう。

 ともかく、この劇を観て損をした、とは思いませんでした。
 とはいえ、¥8000以上する演劇をちょくちょく観に行く、ということは現実的には出来ませんけどね。

 ところで、一緒に観に行ったお袋に、観劇後、「パフュームのコンサートより、こっちの劇を観に来てよかったやろ?」と尋ねたら(自分が独断でパフュームのコンサートではなく、こちらの演劇のチケットをお袋の誕生祝いでプレゼントした)、「実際あっちのコンサートに行ってみないとわからない」と答えやがりましたよ。
 実際理屈としてはその通りだけど、その答えはないだろ!と思いました。笑。 
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我が愛しのイタ車。

2012-01-28 22:07:40 | 日常
 突然ですが、愛車のフィットはイタ車です。
 といっても、自分には特別好きなキャラクターやアイドルはいないので、いわゆる一般的なイタ車のようにボンネットやルーフにイラストが描かれたシールを張り付けているわけではないのです。
 でも、自分の車に初めて乗った人は大概ドン引きしますね。
 車内のあちらこちらにストラップやチェーンホルダーなどのグッズを飾り付けているので。


   


 これはバイザーに取り付けてある映画の前売り券のストラップ(群)。
 映画の前売り券を買うと、特典でよくストラップをもらうんですよ。
 でもストラップなんて携帯電話にはせいぜい一個か二個しかつけられないじゃないですか。
 段々たまってくるストラップを見て、どーにかならんものかと考えた末に、車のバイザーに取り付けることにしたわけです。
 もちろん、バイザーには元々ストラップを取り付けるためのフックがついているわけじゃなし、自分なりにいろいろ工夫して取り付けています(接着剤でくっつけているわけじゃないですよ?)。

 右から、『ウォーリー』、『ウォッチメン』、『かいじゅうたちのいるところ』、『キャプテン・アメリカ』、『モンスターVSエイリアン』、『トロン・レガシー』、『トイ・ストーリー3』、『カーズ2』、『魔法使いの弟子』のストラップです。
 
 中には映画本編が面白くなくて、さっさと取り外したいストラップもあったりするのですが、(接着剤でくっつけているのではないけれど)取り外すのがすごく面倒なのでそのままにしています。

 目下のところの悩みは、見てわかると思いますが、いや、わからないかもしれないのですが、もうこれ以上バイザーにはストラップを取り付ける余地がない、ということです。
 今度前売り券を買ってストラップをもらったらどーしよ。。。
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ベストとトホホ。

2012-01-27 23:25:56 | 映画秘宝
 毎年映画秘宝の三月号では前年公開された劇場映画のベスト10とワースト10(秘宝での呼称は「トホホ10」)が選出、発表されるんですが、その記事が2chなどでちょっとした話題になっているようです。(こちら
 簡単にいうと、ワースト映画を選ぶこと自体がナンセンスだ!!(ベスト映画だけ選べばいい)、『△△』が選ばれないのはおかしい!!、(逆に)『○○』がトホホ映画に選ばれるのはおかしい!!、といった感じで叩かれていました。
 
 まず、ワースト映画を選ぶことについてですが、自分はとても意義があることだと思いますし、ナンセンスだとは思いません。
 例えば、年間100本映画を観る人が、その年に観た映画のベスト10を選ぶことには誰も文句をつけたりはしませんよね。
 ベスト10がベスト20だったとしても、それは同様だと思います。
 じゃ、ベスト100では?
 やっぱり文句をいうことではないはずです。時間と労力がベスト10の10倍かかるだろうな、っていうだけで(鑑賞した映画をすべてランク付けしてる人がいたとしたら、自分はむしろ「偉いな~」と感心します)。
 そしてワースト10っていうのは、単にベスト100の最下位から10作抽出したに過ぎないんですよね。
 つまり、自分に言わせれば、ベスト10を選ぶこともワースト10を選ぶことも作品にランク付けしていることには変わりなく、ベスト10を選出することは有意義だが、ワースト10を選出するのはナンセンスだというのは、理屈も意味もよくわかりません。

 『△△』がトホホに選ばれないのはおかしい、という意見も多かったのですが、これも別段不思議なことでも何でもないです。
 なぜなら、選者の多くは(職業としての)映画評論家でも何でもなく、タレントや漫画家や作家など一映画ファンに過ぎず、彼らは面白くないと思われる映画は最初から観に行かなかっただけのことです(一部、あえて面白くないと思われる映画をあえて観に行ってる選者もいたが、それはあくまで例外)。
 『△△』がトホホに選ばれないのはおかしい、というのは、面白くないと思われる映画でも観に行くべきだ、といってるようなもので、それは一映画ファンには無理、というものです。
  
 また、『○○』がトホホ映画に選ばれるのはおかしい!!という意見はそれこそナンセンスですよ。
 だって万人が満足できる映画なんてこの世にないんですから、たまたまその映画をつまらないと思った人が選者に多ければ、選出されるのは道理でしょう。
 重要なのは、選出された“こと”ではなく、選出された“理由”だと思います。
 今年の映画秘宝では、『SUPER8/スーパーエイト』がトホホで1位だったのですが、この作品をトホホとして選んだ人の理由は、映画秘宝本誌を読めば、別段理解できないものでも何でもなかったですよ。
 一言でいえば、この作品への鑑賞前の期待度が高かったから、です。
 この心理はよくわかります。
 自分は『SUPER8/スーパーエイト』は60~70点の出来で、可もなく不可もなくといったところだったんですが、鑑賞前の期待度が200点であれば、そりゃ70点の出来だって、ものすごくつまらなかった、と思うでしょうね。
 
 こんな理由でこの映画がトホホに選ばれるなんておかしい!!というならともかく、(理由の如何は問わず)この映画がトホホに選ばれるのはおかしい!!というのは視野が狭い、としかいいようがないです。もしくは物事を表面的にしか判断できない。本質で判断していない。

 世の中、表面だけを見て物事を判断する方が楽だし、手っ取り早いです。それでオッケーという場合も多々ある。
 でも、それでは不十分だという場合も少なくないと思います。
 今回の件でそのことを強く痛感しました。
 自分への教訓にしたいと思います。
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ドンデン返し職人ジェフリー・ディーヴァー最新作『007 白紙委任状』。

2012-01-26 22:46:23 | 読書
 ジェフリー・ディーヴァーという作家がいます。
 この人は出す作品出す作品、そのほとんどにドンデン返しが仕掛けている、いわば「ドンデン返し職人」です。
 
 しかしドンデン返しっていうのは予期しなかったときに炸裂するからこそこちらも「えぇ~~~!?」って驚かされるものですから、最初からドンデン返しが待ち受けているとわかっていれば、そこまで驚くってことありません。
 例えて言えば、その角を曲がったところにあなたを驚かそうとしている人がいますからね~と事前に知らされるようなものです。それで驚け、って言われてもなかなか難しいものがあります。

 そのことはディーヴァー自身充分わかっていると思うんですよ。
 しかしそれでもなお自らの作品にドンデン返しを仕掛けずにはいられないのではないでしょうか。
 その愚直とさえいえるディーヴァーの創作スタイル、自分は嫌いではありません。
 今後もこの路線を突き進んで欲しいものです。

 さて、そんなディーヴァーの最新作が『007 白紙委任状』です。
 ディーヴァーがあのスパイ映画のノヴェライズを手掛けると聞いたときは意表を突かれましたが、まぁ日本でも京極夏彦が『こち亀』のノヴェライズを執筆したこともありますし、何より乙一版の『ジョジョ』は自分の中で乙一作品の中でもかなり上位に位置するので、洋邦問わず、人気作家がメジャーな作品のノヴェライズを手掛けることは珍しくないのかもしれません。

 さて、このディーヴァー版『007』、イアン・フレミングの原作ファンには評判が悪いみたいですね。
 いわくフレミングの作品に比べると、スケールが小さく、魅力に乏しい云々。
 自分はフレミングの原作は未読ですが、ディーヴァーが意識したのはそちらではなく、現在もシリーズが続く映画の方ではないか、って気がします。
 映画版の『007』は時代によって、監督によって、そしてもちろん主役のジェームズ・ボンドを演じる俳優によって、ずいぶん印象が違いますからね。
 荒唐無稽なものもあれば、ユーモアに満ちたものもあり、陰鬱なものもある。
 今は、明らかに後発のスパイ映画である『ジェイソン・ボーン』シリーズに影響を受けた、リアル・アクション路線と言えるんじゃないでしょうか。
 それも悪くないのですが、同じ路線だと『ジェイソン・ボーン』シリーズに敵わないんじゃないかって気がします。あれはリアル・アクションの極限だと自分は思っているので。

 ともかく、作品によってイメージが異なるのですから、ディーヴァーがフレミングの創作したボンド像をそのまま踏襲する必要はないと思います。フレミング的な作品にする必要もない。
 だから、ディーヴァーがディーヴァーらしく、作品のクライマックスにドンデン返しを用意していて、自分は読んでいて、ニンマリとしちゃいましたけどね。
 純粋に読み物として傑作!!とは残念ながら言えないとは思いますが、それまでディーヴァーの作品を読み続けてきたディーヴァー好きであれば充分満足できる作品なのではないでしょうか。
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クッキー怖い。

2012-01-25 22:05:53 | 日常
 世の中、いろいろ怖いものがありますよね。

 幽霊が怖いって人が多いのかな?
 でも自分に言わせれば幽霊なんて大したことないですよ!
 化けて出たとしても、よ、久しぶり!ってな感じでお茶の一つでも出してあげればいい。
 大概の幽霊はそれで成仏するんじゃないですかね。

 蜘蛛やゴキブリが怖いって人も多いようですね。
 確かにあの手の六つ足、八つ足は不気味で、気色悪くて、突然現れたその日には「ひょえ~」と驚かされることもあります。
 でもやっぱり「怖い」っていうのとはちょっと違うんじゃないかな~。
 ま、六つ足、八つ足が徒党を組んで現れたら「怖い」かもしれないけど、一匹だけなら、不気味で、気色悪くて、突然現れたその日には「ひょえ~」と驚かされるけど、それだけじゃないでしょうか?

 注射が怖いという御仁も多いようですが、あんなの何でもないですよ!
 目に注射針が突き刺さることを想像して御覧なさい、腕に注射されることなんて屁でもないと思うようになりますよ!!

 じゃ、そういうお前には怖いものはないのか、ですって。
 実はあるんですよ。
 ここだけの話、自分はクッキーが怖いのです…。

 と言いたくなるぐらい大量のクッキーを取引先のお菓子工場からもらってきました。


   


 その量、およそ十キロ!!
 
 お世辞抜きで美味しいクッキーではあるんですよ。
 ちょっと固めに焼いてあって、胡麻の風味が効いてて、程よく甘い。
 自分の好みの味です。

 が、さすがに十キロとなるとですね、、、食べてる途中で胃にもたれてきます。
 夢に出てきそうです。
 ほんと、クッキー、怖いです。

 でも実はクッキーよりもっと怖いものがあるのです。
 それは何かというと、香りのよい紅茶!!
 世の中、あんな怖いものはないですよ。

 クッキーと紅茶、ほんと、怖いです。
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作家乙一の新境地、『くちびるに歌を』。

2012-01-24 22:45:40 | 読書
 作者の新境地というものは読者にとって案外厄介なものだったりします。
 例えば伊坂幸太郎。
 『オーデュボンの祈り』でデビューして以来、彼は、魅力的なキャラクター、ウィットに富んだ会話、張り巡らされた伏線、鮮やかなドンデン返し、読後感の爽やかさ、そういった特長の作品で読者の支持を得てきました。
 しかし、それら支持される要因をすべて封印し、彼は『あるキング』という作品を世に送り出します。
 ぶっちゃけ『あるキング』のどこが面白いのか、自分にはよくわかりません。
 一言で言うと実験的作品になるのかな。可能な限り娯楽性を排しているので、それまでの作品のように面白い!と手放しで褒められるものじゃないんですよね。
 この作品だけで伊坂幸太郎を見限ろうとは思いませんが、こういった作品ばかり続いていたら、自分は伊坂幸太郎のファンを止めざるを得ないでしょうね。

 読み終わった後に面白さがわからなかったというならまだマシなんですよ。
 辻村深月の最新作『水底フェスタ』に至っては、巻頭から10ページぐらいで挫折して読み進められないでいますからね。
 この先面白くなりそうな予感がまったくしない。
 おかしいな、辻村深月はこれまでの著作はすべて持っている、お気に入りの作家のはずなんだけど。

 まぁ『あるキング』にしろ、『水底フェスタ』にしろ、おそらく作家にとっての新境地なのでしょう。
 面白さはわからないにしても、これまでにない作品にしたい、本当に書きたいものを書きたい、という想いは伝わってきますから。
 ただ、舵の切り方があまりにも大胆で、読者がそれについていけないというか。
 ほんと、作家の新境地というものは厄介です。

 さて、中田永一、世間的には乙一の筆名の方が通っているでしょうか、彼の最新作『くちびるに歌を』は間違いなく作家乙一にとっての新境地です。
 デビュー以来彼は、よくこんな設定を思いついたものだな、というような、いわゆる“世にも奇妙な”的な物語ばかり発表し続けてきました。
 時に残酷で、時にユーモラスで、時に切ない、その世にも奇妙な感が自分にはひどく心地が良かったのです。

 しかし最新作『くちびるに歌を』には、そういった要素が一切ありません。
 何しろ本作は五島列島を舞台にした、合唱コンクールを目指す中学生たちの爽やかな青春ストーリーなのですから。
 あらすじだけを聞いたら、とても乙一の新作だとは思わなかったでしょう(ちなみに乙一の著作はほとんどすべて初版で持っています)。
 奇妙な要素のない乙一なんて想像も出来ませんでした。

 けれど、読み終わって、これは間違いなく乙一の作品だ、と思いました。
 何が彼にこの作品を書かせたのか、それは自分にはわかりません。
 話に聞いたところによると、五島列島を舞台にすることも、合唱を題材にすることも、編集者に勧められたからだそうですが、編集者に勧められてこれほどの作品が出来るのであれば、作家は誰も苦労はしないと思います。
 プライヴェートでお子さんが出来たことが理由かもしれませんね。
 これまでの作品には、あまり老若男女に勧められるようなものはなかったし、中には、とても子供には薦められない、歪な世界観のものもありましたからね。

 本作はどうやら本屋大賞にも候補作としてノミネートされたそうです。
 他の候補作は知りませんが、何となく取るんじゃないかな、って気がします。
 この路線の乙一作品も読んでいきたいです。
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献血について考えてみる。

2012-01-23 22:41:34 | 日常
 献血に行ってきました。
 採血が済むと受付のところで「気分は悪くありませんか?」と聞かれます。
 自分は献血をして体調が悪くなるってことはありませんが、まぁ若干熱っぽくなるぐらいかな、でも気分がよくないってことはよくあります。

 体調が悪くないのに気分がよくないというのはどういうことなのかというと、要は採血をする看護婦さんがめっちゃ無愛想で、ぶっちゃけ不愉快なんですよ。
 仕事ぶり自体はテキパキとしていて文句のつけようがないんですが、すべてが事務的で機械的。
 ハイ、袖をまくってください、ハイ、力を抜いてください、ハイ、拳を握ってください、ハイ、、、、ハイ、終了です、ハイ、では次の方、どうぞ。
 その看護婦さんは最後までニコリともしませんでしたよ。
 こっちは完全な自由意思で来てるんだけど、別段、事務的で機械的な扱いを受けるために来てるわけじゃないんだけどなぁ。
 採血の最中、今日は寒いですね、って声をかけてくれてもいいと思うけれど。
 それが高望みだっていうなら、せめて採血が終了した時は、お疲れ様でした、ってニッコリ笑ってくれてもいいんじゃないかなぁ?

 献血を呼びかける側は「あなたの善意をどうか!」みたいな言い方をするけど、その呼びかける側が「私は仕事でやってます!!」みたいな態度を全面的に押し出されると、こっちは善意を提供する気が失せるんだけれど。
 自分はある人と、機会があれば必ず献血をしますね、って約束したから、これからも何があっても献血していくつもりだけど、そうじゃなかったら、不愉快な思いをしてまで献血をしたいとは思わない。
 血液が足りない現状は、世間では血液を提供する側の意識の低さが原因のように語られることが多いけど、提供させる側にも問題があるんじゃないだろうか。

 などと、キツイことを言っちゃいましたが、自分も献血に関わる人が全員、機械的で、心がない、とは思ってはいません。
 でも出来れば、、、やっぱり献血に関わる人、特に採血をする看護婦さんには、あなたの笑顔に惚れた!!あなたの笑顔を見るためにまた献血に来ます!!と思わせるぐらいの最高の笑顔で対応して欲しいです(実際は同じ看護婦さんと顔を合わせることってまずないけどね。笑。)。


 さて、いい機会だから、どうすれば献血をする人が増えるか、要望や提案を含め、ちょっと考えてみました。

①看護婦さんが全員メイドの恰好をする。
 世の中、これだけメイド喫茶が流行ってるんだから、メイド献血会場があったら、世のオタクたちがこぞって殺到して、献血会場に長蛇の列が出来るんじゃなかろうか。
「はい、ご主人様、ちょっとだけチクッとしますよ。でもご主人様は強いですから、我慢できますよね?」
 なんて言われた暁には、「もちろんじゃぁあああ!!」って意味もなく強がってしまいそうです。
 問題は、看護婦さんは全員が二十代ぴちぴちギャルだというわけではない、ということですね。笑。

②粗品を工夫する。
 献血をしてもらえる粗品の定番といえば、やっぱり歯ブラシと歯磨き粉のセットだと思うんですが、三ヶ月ごとに献血してたら、どうしたって消費しきれず、溜まっていきます。
 歯磨き粉ってないと困るけど、溜まってもやっぱり困る。 
 だから、粗品は、もらった人が「もらってよかった!」と思えるものにしたらどうでしょうか?
 例えば、、、そうだなぁ、AKB48とか『けいおん!』のブロマイドとかポスターとか。笑。
 そういうのを粗品にしたら全国の献血会場に世のオタクたちが(以下略)。
 版権使用料の問題さえクリアすれば可能だと思うんだけど、それが一番難しいか。笑。

③記念品を工夫する。
 ②とほぼ同じ。献血って十回か、十五回ごとに特別な記念品がもらえます。それが何かというと、ぐい飲みのお猪口。
 ぶっちゃけ、こんなもの貰って喜ぶ人いるの?ってシロモノです。第一自分は酒を飲まないし。
 どうせならもうちょっとマシなものをもらいたい。
 自分がもらって嬉しいのは、、、そうだなぁ、一番は現金だけど、さすがにそれは難しいだろうから、シネコンの映画鑑賞券がいいかな。
 そんなに難しくないと思うんだけどなぁ。
 シネコンも、地域の奉仕活動への協力を要請されて、嫌です!!とは断らないだろうしね。
 でも、お猪口を記念品に選ぶぐらいだから、担当者は献血した人が何をもらったら嬉しいか、考えが及ばないんだろうね。

 というわけで、自分が提案や要望をしても採用されそうにないので、やっぱりここは看護婦さんがとびっきりの笑顔で献血に来た人を魅了するというのが、献血する人を増やす最良の作戦かと思いますが、如何でしょうか?
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至言「水がなければ牛乳を飲めばいいのに」、荒川弘著『百姓貴族』。

2012-01-22 16:09:52 | 漫画・アニメ
 荒川弘の名前は知らなくとも、彼の著作『鋼の錬金術師』を知らないという人はいないでしょう。
 何しろアニメ化され、ゲーム化され、さらには二度劇場映画にもなった、累計発行部数は5700万部を記録する国民的漫画ですからね。
 と、決めつけるのはよくないかもしれません。
 過去にはジョニー・デップを知らなかった東北の友人がいましたからね(「ジョニー・デップって誰?」と聞かれると、さすがに答えに窮するなぁ…。)

 ともかく、日本で最もメジャーな漫画の一つの原作者である彼には、二度驚かされたことがあります。
 一度目はそう、彼が実は男性ではなく、女性であると新聞の文化欄で知った時(あえて“彼”を用いましたが)。
 原作との付き合いは長かったのですが(原作は全巻初版で持っています)、ず~~~っと荒川弘は男性だとばかり思ってましたからね。まさか女性とは夢にも思わなかったです。

 まぁそれは自分の偏見に由縁するといってもいいのですが、さらに荒川弘が『鋼の錬金術師』の長期連載中、結婚、出産して、一度も休載しなかったという事実を知った時はさらに驚かされました。
 いや、結婚はいいですよ、結婚は。
 当人が新婚旅行などに行かなければいいだけの話ですから。
 でも、出産となるとそういうわけにはいかないでしょう。
 常識的に考えて、出産の前後には休みを取らなければいけないはず、、、と思うんですけど?

 しかし、彼の、じゃなかった、彼女の実体験を元にした、農業エッセイ漫画『百姓貴族』を読んだら、何となく、納得出来ました。
 だって繁忙期ともなると、睡眠時間が三、四時間(以下)、しかもその睡眠時間を削って漫画を描いてたっていうんですから、子供の一人や二人産むのに、仕事を休んでなんかいられなかったのかもしれません。

 と思うのが正しいのかどうかよくわかんないですけど、本書では北海道の農家の実情が基本ユーモラスに、ときにシビアに描かれています。
 一読の価値ありのエッセイ漫画です。

 
1)百姓って確か差別用語でNHKでは放送禁止ですよね。でも農家の方が自身を「百姓」だと自称しているのに、それ以外の人がそう呼ぶのは差別になるからいけない、というのは納得いかないなぁ。

2)作者曰く、牛乳を飲んだら太るというのはデマだそうです。さらに牛乳を飲んだら背が伸びるというのは本当で、胸が大きくなるというのは、、、さて、どっちでしょうね?笑。本書を読んで確かめてください。
 
3)牛乳からバターを作る方法が載ってました。今度やってみます。
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