この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

思いっきり盛り上がりに欠けた『ヴェノム ザ・ラストダンス』。

2024-11-05 21:21:17 | 新作映画
 トム・ハーディ主演、ケリー・マーセル監督、『ヴェノム ザ・ラストダンス』、11/4、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞(ハッピーマンデー割引につき鑑賞料金1100円)。2024年53本目。

 先日観た『トラップ』もそうなんですけど、本作もおそらくつまらないだろうな、と観る前に思っていました。
 つまらないと思っていたなら観に行かなければいいのに、と仰る方もいるかもしれません。
 確かにその通りなんですが、一作目、二作目と観に行って、三作目は観ないという選択が出来るほど、自分は決断力のある人間ではないのです。
 それにつまらないだろうと思っていても、実際観に行ったら面白いのかもしれないし。

 で、実際観に行ってどうだったかというと、『ヴェノム ザ・ラストダンス』はぶっちゃけつまらなかったです。
 おもいっきり盛り上がりに欠けていました。
 どこら辺が盛り上がりに欠けていたのか?
 本作の売りは「ラストダンス」という副題からもわかるように、長年パートナーを組んできた(実際どれぐらいの期間なのかは知らない)、人間であるエディとシンビオート(地球外生命体)であるヴェノムの別れにあると思います。
 実際別れのシーンがあって、それなりに感動的に描かれはするのですが、本作のラスボスである「ヌル」は顔見せ程度にしか出てこないんですよ。
 本作でヴェノムたちが戦うのはヌルの手下、しかも個体名すらない下っ端中の下っ端なのです。
 さらにストリックランド将軍が連絡を取る人間側の黒幕は後ろ姿しか見せません。
 何が言いたいのかというと、本作は続編ありきで作られているってことです。
 続編があるということはつまりヴェノムは復活するってことですよね。
 復活することが確定しているキャラの死ぐらい興ざめなものはありません。
 『リングにかけろ』(車田正美のボクシング漫画。主要キャラがよく死に、よく生き返ることで有名。)ないんだからさ。
 一番の売りがそうなのですから、他は推して知るべしです。
 ストーリーが恐ろしく希薄で…。
 本作はエディとヴェノムの、逃亡先のメキシコからアメリカへと戻るロードムービーでもあるのですが、アメリカへ戻る理由が「逃亡生活に飽きたから」というものです。
 何ていうか、脚本家はもう少しマシな理由を思いつかなかったのかな、と思わずにはいられません。

 ところで『ヴェノム ザ・ラストダンス』は、あることで話題になっています。
 それは本編終了後のエンドロールが異常に長いということです。
 その長さ、実に16分。
 上映時間が109分の映画ですから、この映画のおよそ1/7がエンドロールということです(たぶん上映時間の中にエンドロールは含まれるので)。
 そして本作はマーベル映画なので、エンドロール終了後におまけ映像があります。
 そのおまけ映像が本当に本当に本当にくだらないもので、16分待たせてこれかよ、と思ったのは自分だけではないはずです。
 これから本作を観に行く方には、映画史上最も長いと言われる(本当かどうかは知りません)エンドロールを敢えて体感してやろうという物好きでない限り、エンドロール終了後のおまけ映像は本当にどうでもいいので、本編終了後にさっさと劇場を出ることをお薦めします。
 暗い足元にご注意ください。

 お気に入り度★★、お薦め度★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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予想通りの出来だった『トラップ』。

2024-11-03 19:46:27 | 新作映画
 M・ナイト・シャマラン監督、ジョシュ・ハートネット主演、『トラップ』、11/1、Tジョイ久留米にて鑑賞(映画サービスデーにつき鑑賞料金1300円)。2024年51本目。

 皆さんは映画を観に行く前にその映画のレビューサイトやネタバレサイトを見ることはありますか?
 自分はフツーに見ますけどね。
 必ず観ると決めている映画は敢えて見ませんが、観るかどうか決めかねている場合レビューサイトを覗くことは多いです。
 判断材料が多いに越したことはないですから。
 ネタバレサイトを見たら、その映画を観る楽しみが半減するんじゃないかと思われる方もいるかもしれませんが、自分は気にしたことがないです。
 何なら結末まで知った上で映画を観に行くことさえあります。
 自分は傑作はネタバレを恐れない、ネタバレされたぐらいで面白さが半減する映画はその程度の映画なのだと考えています。
 本当に面白い映画って再鑑賞が可能じゃないですか。
 ストーリーも結末もすべて知っていて、それでも楽しめる、それが傑作なのだと思います。

 観るかどうか迷った『トラップ』も当然レビューサイトを覗かせてもらったのですが、出した結論は「敢えて劇場に観に行く必要のない映画だ」ということでした。
 敢えて観に行く必要のない映画をどうして観に行ったかというと、観に行く条件があまりに整っていたからです。
 11/1にTジョイ久留米で上映されているが、イオンシネマでは上映されていない、しかも上映開始時刻が13時台の映画はこれしかなかったのです。
 それでも観に行かないという選択肢はあったのですが、そうするとジグソーパズルのようにピタッと収まっていたスケジュールがスカスカになってしまうんですよね。
 そういった理由で映画を観に行くこともあります。

 『トラップ』を実際観ての感想ですが、予想通り「敢えて劇場に観に行く必要はなかった」でした。
 子煩悩な連続殺人鬼というキャラクターは面白いと思います。
 しかし褒められるのはここだけ。
 全体的に脚本がダメダメでした。
 どこら辺がダメだったかというと、、、
 主人公のクーパーはライブ自体が自分に仕掛けられた罠だと知り、何とか脱出するすべはないかとライブを抜け出し、会場の外の通路からスタッフルームに忍び込んだりします。
 クーパー自身は目的があるのでライブを抜け出したとしてもおかしくはありません。
 おかしいのはライブの最中であるにもかかわらず、通路に観客がフツーにいることです。
 アーティストが歌っている最中に観客が会場の外に出ることはありえないですよね。
 なぜそんなありえないことが起きたかというと、通路にクーパーしかいないと彼が目立ちすぎるからなのですが、そういう事情がわかったとしてもおかしいことに間違いはありません。

 他にもどうかと思うところはあって。
 クーパーはライブ会場から脱出するためにアーティストであるレディ・レイブンを利用するんですよ。
 人質の男を殺されたくなければ、自分と娘をリムジンに乗せて連れ出せと脅すのです。
 それはいいんだけど、レディ・レイブンに正体を知られるのは不味いんじゃないの?
 この後どうするつもり?
 彼女を生涯脅し続けるのか、それとも殺すのか。
 クーパーにはこれといって考えはなく、結局彼女から反撃を喰らうことになります。
 あんな乱暴な手段に出るぐらいなら、まだしもフツーに娘と一緒に会場を出た方がよかったんじゃないの?って思いますね。
 別に正体がバレてるわけじゃないんだから。

 正体がバレると言えば、FBIがトラップを仕掛けたのは殺人鬼ブッチャー(=クーパー)の隠れ家でレディ・レイブンのコンサートのチケットを購入する際のレシートが見つかったからなのですが、そのレシートがあれば購入者が誰なのかってすぐわかるんじゃないの?って思いました。
 コンサートのチケットを購入するのってスーパーで野菜を買うのとはわけが違うのだし。
 それともアメリカでは世界的なアーティストのコンサートのチケットが無記名で買えるものなの?

 そんな感じで、10分に一度、いや、5分に一度ぐらいの頻度でツッコミどころが出てくるんです。
 ツッコミどころも一つか二つであれば、完璧な脚本はなかなかないよね、と見逃すことが出来るのですが、本作のようにこれでもか!とツッコミどころがあると、作品を楽しめない、、、まぁ逆にツッコミを楽しめばいいのかもしれませんが。

 まぁでも、観る前に「劇場に観に行く必要はない」と予想し、実際観賞してその通りだと予想が当たった満足感は得られたような気がします。笑。
 
 お気に入り度★★、お薦め度★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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我ながらつまらない大人になったことを自覚した『ボルテスV レガシー』。

2024-10-22 21:53:59 | 新作映画
 マーク・A・レイエス監督、ミゲル・タンフェリックス主演、『ボルテスV レガシー』、10/20、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞(お客様感謝デーにつき鑑賞料金1100円)。2024年50本目。

 ここだけの話、と断ることでもないのですが、自分は小さいころアニメ好きな子どもでした。
 アニメ好きな子どもだったから、好きにアニメを見ていたかというとそういうわけでもないのです。
 なぜかというと、昔は一家に一台しかテレビが無く、そのテレビのチャンネル権(チャンネル権って言ってわかります?)はその家の父親が有していたのです。
 うちの父親は子どもがアニメ好きだからアニメを見せてやろう、などと考える人間ではなかったのです。
 むしろアニメなんてくだらないから見ないと考える人間でした。
 なので、自分が好きにアニメを見れたのは仕事を終えた父親が帰宅するまで、だいたい19時ぐらいまで、本当に好きにテレビを見れるようになったのは、大学生になって自室にテレビが置かれてからでした。
 ですから、アニメ好きな子どもではあったけれど、好きにアニメを見ていたわけではないのです。
 とはいえ、『ボルテスV』は見てましたよ。
 夕方の17時ぐらいに何度も再放送されてましたからね。
 しかし、、、内容をほとんど覚えてないんですよね。
 ぶっちゃけ『コンバトラーV』と違いがわからない…。
 などとアニメマニアの方から叱られそうな言ったりして。笑。

 本作を観に行ったのは、純粋にアニメが好きだった子どもの頃に戻れるかもしれないという淡い期待があったからなのですが、いやぁ、ダメでしたね。
 童心に帰ることは出来ませんでした。
 細かいところがやけに気になりました。
 例えば、、、通常の兵器では歯が立たないボアザン星の軍隊にどうしてボルテスVだけが対抗出来たのかとか、頭部で操縦するスティーブはともかく、足の先や腕の先に操縦席がある操縦者は酔ったりしないのだろうかとか、そもそもボルテスVってどうして合体しなくちゃいけないの?最初からロボット形態だと何か問題があるの?とか、そんなこと気にすることじゃないだろうと言いたくなることが気になるのです。
 我ながらつまらない大人になったなぁと思いました。

 そんなわけで『ボルテスV レガシー』は童心を失っていない人、童心に帰れる人は充分楽しめる作品になっていると思います。
 そうじゃない人にはちょっと厳しいかもしれません…。

 お気に入り度★★★、お薦め度★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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帰ってきた律儀なホラー映画『ソウX』。

2024-10-21 21:25:03 | 新作映画
 ケビン・グルタート監督、トビン・ベル主演、『ソウX』、10/20、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞(お客様感謝デーにつき鑑賞料金1100円)。2024年49本目。

 一映画ファンとしてちょっとした自慢なのですが、いや、自慢するようなことでもないのですが、『ソウ』シリーズはジェームズ・ワンが監督した第一作からすべて劇場で観ています。
 第一作を劇場で観たという人はかなり少ないはず、、、と思うのですが、そう思いたいだけかもしれません。
 どちらかというと難しいのはシリーズを観続けることですね。
 中には「何じゃ、こりゃ!」みたいな出来の作品もありましたから。

 自分が『ソウ』シリーズを観て思うのは、残酷だとか、衝撃的といったことではなく、律儀だなってことです。
 第一作を観て、スゲェものを観た!って思いました。
 ただ、あれだけのギミックをたった一人で作り上げることが出来るものなのだろうか、と疑問に思ったんです。
 そしたら第二作ではジグソウに協力者が現れ、自分が第一作で疑問に思ったことに対してある程度の答えが示されました。
 ただ、あれだけのギミックを発った二人だけで作り上げることが出来るものだろうかと疑問に思ったら、続く第三作ではジグソウの協力者が一人ではなかったことが明かされました。
 万事こんな感じで、自分が疑問に思ったことが次回作ではそれなりに答えが示されるんです。
 何とも律儀なホラー映画があったものだと思わずにはいられません。
 ただし、答えが示されるからといって面白くなっているかというとそんなことは全然なく、結局『ソウ』シリーズで一番面白いのは(誰もが認めるように)第一作なんですけどね。

 さて、『ソウX』で、自分が疑問に思ったことを挙げていくと、、、
 ジグソウに捕らえられた悪党たちの親玉であるセシリアがジグソウたちの目を盗んで仲間に携帯電話で連絡を取ろうとします。
 しかしそれはジグソウたちの想定内だったことが明かされます。
 いやいやいや、ってことはあれか、ジグソウはセシリアが死体の内臓をロープ代わりに使ってワゴンを引き寄せることも想定していたってこと?
 それはさすがに想定するのには無理があるんじゃないの?
 セシリアがそのことに気づかなかったらどうするつもりだったんだろうか?

 今回もこれまで同様、趣向を凝らした様々な拷問器具が登場します。
 それがこのシリーズのウリなんですけど、今回はいつもと違い舞台がメキシコなんですよ。
 遠いメキシコでよくこれだけの拷問器具を揃えたな!と感心せずにはいられません。

 一番疑問に思ったのは、悪党たちの親玉であるセシリアが最後まで生き残ったことですね。
 それも大した拷問を受けることなく。
 そんなのアリなのか、と思ったのは自分だけではないはずです。

 というような疑問は次回作『Saw Ⅺ』で答えが示されるのでしょう。
 今から『Saw Ⅺ』の公開が楽しみです。

 お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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観に行ってよかった『BISHU 世界でいちばん優しい服』。

2024-10-20 20:36:14 | 新作映画
 西川達郎監督、服部樹咲主演、『BISHU 世界でいちばん優しい服』、10/20、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞(お客様感謝デーにつき鑑賞料金1100円)。2024年48本目。

 今日はイオンシネマ筑紫野で映画のハシゴをしてきました。
 いつもの週末であれば映画は土曜日に観ることが多いのですが(やっぱり日曜日だとあまり家に遅く帰れないですから)、それがなぜ日曜日に映画を見たかというと、理由は簡単、20日はお客様感謝デーでイオンシネマでは安く映画を観れるのです。
 700円も安くなれば、そりゃ日曜日に映画を観ようという気にもなりますよね。
 で、今日はイオンシネマ筑紫野で映画のハシゴをしてきたのですが、当初は『ソウ X』と『ボルテスV レガシー』だけ観るつもりでした。
 それがなぜもう一本多く観たかというと、映画comである映画が尋常じゃなく高い評価を受けていたからです。
 その映画とは『BISHU 世界でいちばん優しい服』。
 『BISHU』の映画comのレビュアー評価は現在4.3、相当高いと思います(ちなみに『室井慎次 敗れざる者』は3.6。『室井~』が低いわけではありません。)。
 『BISHU』を観ることで当初観る予定だった他の二本の映画の鑑賞に支障をきたすのであれば、鑑賞のを止めていたかもしれませんが、スケジュール的に上手く繋がったんですよね。
 これは「この映画を観ろ!」という映画の神様のお告げだと思い、観ることにした次第です。
 いや、観てよかったですよ、映画の神様に感謝ですね。

 主人公の史織が周りの人に助けられながら自分がデザインした服を自らの手で完成させ、市主催のファッションショーに出品する、というお話で、まぁぶっちゃけストーリー的にはありがちなのですが、ありがちでないこともあって、それは史織が発達障害を患っていることです。
 そのため鑑賞後、いろいろと考えてしまいました。
 障害を持たない人が障害を持つ人をサポートするのはある意味当然だと思います。
 でも障害を持たない人が障害を持つ人の犠牲になるようなことはあってはならないことだと思います。
 そんな浅いことをいろいろと考えました。

 多くの人に観てもらいたい、いい映画なのですが、作品の結末に「え?」っとなりました。
 だって、一人で暮らしたことがない、まともに料理も出来ない、それどころか一人で起きることも出来ない主人公がファッションの勉強のために言葉も通じない遠い異国の地へ一人で旅立つというのですから。
 絶対無理だろ!って思ってしまいました。
 現実的な落としどころとして、主人公の姉が付き添いとしてついていく、というふうにすれば、よかったんじゃないかな。
 事情が事情だけに姉が付き添いとしてついていくことは許されるだろうし、パリへ行くこと自体は彼女自身も望んでいたことだしね。

 まぁ否定的なことも書いちゃいましたが、いい映画ではあります。
 多くの人に観てもらいたいです。

 お気に入り度★★★★、お薦め度★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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どうして続編を作ったんだろうと思った『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』。

2024-10-15 21:35:00 | 新作映画
 トッド・フィリップス監督、ホアキン・フェニックス主演、『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』、10/14、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞(ハッピーマンデー割引につき鑑賞料金1100円)。2024年47本目。

 14日は『ビートルジュース ビートルジュース』に引き続いて『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』を観ました。
 でもまさか二作続けて「どうして続編を作ったんだろう」と思うような映画だとは思いませんでしたよ。
 ただ、『ビートルジュース ビートルジュース』の方が純粋に首を捻りたくなる疑問であるのに対し、こちらの方は明確な答えがあります。
 単純に一作目が大ヒットしたから、ですよね。
 そしてあのヒットは監督であるトッド・フィリップスにしても予想外だったのではないか、続編である『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』を観て、そう思いました。

 なぜ一作目の『ジョーカー』がヒットしたのかというと、まず人々がジョーカーがどのように誕生したのか、興味があったから、というのと(ジョーカーが登場する映画は多くとも、ジョーカーの誕生を描いた作品はなかった)、平凡で、どちらかといえば無害なアーサーという男が、悪のカリスマである「ジョーカー」になる、その痛快さが受けたのではないか、って思っています。
 フィリップス監督自身そのことは充分にわかっていて、わかった上で作った続編がこの『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』ではないでしょうか。
 見事なぐらいに一作目とは真逆な作品なんですよね。
 一作目が平凡で無害な男が悪のカリスマになるお話であったのに比べ、本作では悪のカリスマも一皮むけばただの平凡で無害な男だったってお話ですから。
 よくまぁ一作目を踏襲しないものだ、と(好き嫌いとは別に)感心しました。

 感心したことは他にもあって、これまでの映画に登場したジョーカーって特定の誰かだったじゃないですか。
 でも本作における「ジョーカー」は個人ではなく、狂気の集合体を指すんですよね。
 アーサーだったジョーカーは死んでしまったわけですが、そのアーサーを殺した男が次のジョーカーになるってことなんでしょう。
 その次のジョーカーにしても死んだらその名を継ぐ者が現れる。
 まさに狂気の感染で、それこそがサブタイトルの「フォリ・ア・ドゥ」なのではないでしようか。

 ミュージカルシーンも賛否両論のようですが、自分は「アリ」だと思いましたよ。
 ジョーカーが歌っているシーンは、要はアーサーが歌い出したいぐらい感情が高ぶっていることを表現しているんでしょう?
 よくある演出だと思うんだけど、、、少なくとも「ヘルシンキ」より全然「アリ」です。笑。

 何だかやたら持ち上げているようですが、そういうわけでもないのです。
 認めざるを得ない部分も多々あるのですが、好きか嫌いかで言えばあんまり好きな映画ではないです。
 自分はやっぱり平凡な男が悪のカリスマとして成り上がっていく、そんな単純明快なお話の方が好みなのです。
 まぁそういう映画だったら、賛否両論どころか、全方位から否定されそうですが。笑。

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どうして続編を作ったんだろうと思った『ビートルジュース ビートルジュース』。

2024-10-14 20:51:11 | 新作映画
 ティム・バートン監督、マイケル・キートン主演、『ビートルジュース ビートルジュース』、10/14、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞(ハッピーマンデー割引にて鑑賞料金1100円)。2024年46本目。

 三連休最終日の14日は映画を観てきました。
 それも二本。
 映画を観てきました、それも二本、何て事のないように思われるかもしれませんが、実はきつかったのです。
 というのも二日前の土曜日は朝目覚めたら起き上がれないぐらい気分が悪くて…。
 吐き気がして、頭が痛くて、これで体温が高かったら「風邪かな?」と思えるのですが、体温は平熱でした。 
 体調が悪い時に平熱だと逆に不安になりますよね?(自分だけ?)
 そんなわけで土曜日は一日中伏せっていて、日曜日は何とか起き出し庭の草むしりをして(少しは家の手伝いをしないと次の日遊びに行けないため)、そして月曜日、気力を振り絞って映画を観に行った次第です。
 まぁ映画って気力を振り絞って観に行くものじゃないと思うけど…。

 当初は観るのは『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』だけの予定でした。
 『ビートルジュース ビートルジュース』も観るつもりではあったのですが、他に観たい作品があったりして、二週続けて観逃がしていたので、観ないのも運命か、と思ったりしました。
 しかし今日の上映スケジュールを見たら、いつもより10分早く家を出たら観ることが出来るじゃないですか(上映が夜中だったりすると上映されていても観に行けないことも多い)。
 これはもうこの映画を観る運命なのだと思い、普段より10分早く家を出て観に行きました。

 自分たちの世代でティム・バートンのことが嫌いという映画ファンっているのだろうか、って思えるぐらいティム・バートンって影響力のある存在でした。
 今でこそ『バットマン』と言えば、クリストファー・ノーランの『ダークナイト』三部作を思い浮かべる人が多いと思いますが、ティム・バートンが『バットマン』を世に送り出した時、カルチャーショックはハンパなかったんですよ。
 そのティム・バートンが35年ぶりに出世作の『ビートルジュース』の続編を作るというのですから、何かしら思うことがあった、そう思うじゃないてすか。
 35年の年を経て、続編を作らなければいけない何かが。
 実際観て、ビックリしました。
 特にこれといったこだわりが何も感じ取れなかったので。
 いや、ティム・バートンらしいといえばらしいのですが、どちらかというと35年ぶりに続編を作って、出来たものがこれ?感が強かったです。
 一つ一つのエピソードが本当に薄っぺらくて、ヴィジュアルもヘンテコではあっても最盛期のティム・バートンならもっとヘンテコだったよなと思える出来栄えで、何よりオチが夢落ち!
 こんな作品を本当にティム・バートンは作りたかったのだろうかと思っちゃいました。
 まぁそう思うのも自分が思っていたよりもティム・バートンに対して思い入れが強かったからかもしれませんが…。

 お気に入り度★★、お薦め度★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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2024年公開の注目作。

2024-10-13 22:18:36 | 新作映画
 2024年も10月も半ばになり、年内に公開される作品もほぼ上映リストに載っているようです。
 今日はそれらの作品の中から個人的な注目作を紹介したいと思います。
 
 まずは10月公開の作品。
 10/18に『ボルテスV レガシー』『ソウ X』『破墓/パミョ』が公開されます。
 『ボルテスV レガシー』は言わずと知れた日本のアニメをフィリピンでテレビシリーズとして実写化されたものを日本公開用に再編集された作品です。
 巨大ロボットアニメ大国である日本ですが、今さらながら巨大ロボットの実写化作品ってないんですよねぇ。
 『ガンヘッド』ぐらい?
 『ソウ X』、あまり期待してなかったのですが、前評判はいいようです。
 『破墓/パミョ』は余裕があれば観に行くつもりです。
 公式サイトに2024年韓国No.1ヒットって書いてあるのですが、2024年ってまだ二ヶ月以上あるのにこの作品がNo.1ヒットって決めつけるの、早くないですかね?

 10/25はM.ナイト・シャマラン監督最新作『トラップ』が公開されます。
 前評判はあまり高くないようですが、一応観に行くつもりです。

 続いて11月公開作品。
 11/1に『ヴェノム:ザ・ラストダンス』が公開されます。
 正直これまでの二作はそれほど面白くはなかったのですが、今度はまぁまぁ面白そう、、、そう思いたいだけかもしれません。

 11/8に『レッド・ワン』『イマジナリー』が公開されます。
 「レッド・ワン」はサンタクロースが誘拐されるお話なのですが、毎年毎年クリスマスを舞台にした映画がクリスマスの時期を外して公開されます。
 クリスマスの映画はクリスマスの時期を外して公開しなければいけない、というような決まりでもあるのでしょうか。
 「イマジナリー」は主人公の女の子の可愛く無さにビックリです。

 11/15はリドリー・スコット監督の『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』が公開されます。
 今年は何だか続編映画ばかり公開されるような気がします(毎年のことかも)。
 それにしても御年86歳のリドリー・スコット監督のパワフルさと言ったら!
 生涯現役を貫くのでしょう。

 12/13は『クレイブン・ザ・ハンター』が公開されます。
 何となく作品の雰囲気が同じマーベルの『モービアス』を思い起こさせるのですが、『モービアス』はどうなったんでしょうね。

 12/27は『ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い』が公開されます。
 公開は年内ですが、自分が観に行くのはおそらく来年の1/1になるでしょう。

 紹介しといてなんですが、2024年に公開される映画ってこんなもの?って思っちゃいました。
 もしかしたら配給会社もまだ隠し玉を持っているのかもしれません。
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映画をいつ観るか、どこで観るかが決めきれない。

2024-10-10 22:55:38 | 新作映画
 今度の土曜日、12日から三連休ですね。
 三連休は9月に二回あったので、何だかありがたみも薄いような気もしますが、皆さんは何か予定はありますか?
 自分はですねー、言っちゃおうかな~、三連休にはこれといって予定はありません!
 まぁ映画を観に行くぐらいですね。
 観に行こうと思っているのは『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』です。
 賛否両論激しい作品のようですが、自分の中ではそこまで期待値が高くはないので、それなりに楽しめるんじゃないかと思います(そうありたい)。
 直近のイオンシネマであるイオンシネマ筑紫野で上映されるので、イオンシネマ筑紫野に観に行く予定です。
 ただ、何の映画を観るか、どこで観るかまでは決まっているのですが、いつ観るかはまだ完全には決まっていません。
 いつもの週末であれば映画は土曜日に観に行くことが多いです。
 やっぱり翌日仕事だとのんびり映画を観ようという気にはなれないんですよね。
 ただ、月曜日が祝日である三連休はちょっと事情が違います。
 というのも月曜日はハッピーマンデー割引で(例え祝日であっても)イオンシネマでは映画を安く観ることが出来るのです。
 精神的に楽な土曜日に観るか、経済的にお得な月曜日に観るか、、、まぁ後者を選択しますよね。笑。
 今週末はまだ決めやすいんですよ。
 問題は来週末なのです。
 来週は観たい映画が3本公開されます。
 その3本とは『破墓/パミョ 』、「ソウX 』、『ボルテスⅤレガシー』です。
 この3本のうち、3本とも上映されるのがユナイテッド・シネマトリアス久山で、『破墓/パミョ 』と『ボルテスⅤレガシー』が上映されるのがイオンシネマ福岡、「ソウX 』と『ボルテスⅤレガシー』が上映されるのがイオンシネマ筑紫野なのです。
 3本とも観ようと思ったら、ユナイテッド・シネマトリアス久山で観ることになりますが、それだと鑑賞料金が1500円になるんですよ(もしくはポイントを消費して1000円)。
 出来ればイオンシネマで上映している映画はイオンシネマで観たいんですよね(その方が鑑賞料金が安いので)。
 でもそれだと『破墓/パミョ 』と『ボルテスⅤレガシー』か、もしくは「ソウX 』と『ボルテスⅤレガシー』か、どちらの組合せを選ぶか、決めなければいけません。
 せめて『破墓/パミョ 』と「ソウX 』の組合せだったら!
 いっそのことイオンシネマをハシゴするか、と思わないでもないです(出来ないことではない)。
 まぁ最終的に上映スケジュールが決まらないと決めきれないことではあるんですけどね。
 18日以降の上映スケジュールは15日に発表されます。
 来週何本の映画を観るかは神のみぞ知る、です。
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インド映画だけど、インド映画らしくなかった『花嫁はどこへ?』。

2024-10-07 21:08:51 | 新作映画
 キラン・ラオ監督、ニターンシー・ゴーエル主演、『花嫁はどこへ?』、10/5、KBCシネマにて鑑賞(鑑賞料金2000円)。2024年45本目。

 この日は映画を3本観たのですが、当初の予定では3本目に観るのは『ビートルジュース ビートルジュース』のはずでした。
 それが直前になって変わったのはある映画の存在を知ったからです。
 その映画とはインド映画の『花嫁はどこへ?』です。

 皆さんはDVDを購入することはありますか?
 今は配信サービスばかりでDVDを購入する人ってあまりいないのかもしれませんね。
 自分は気に入った映画のDVDは購入するようにしています。
 欲しいDVDはほぼ揃えました。
 といってもほとんどのDVDはヤフオクやレンタル落ちなどの中古DVDなんですけどね。
 廉価版(ツタヤなどで一枚1000円で売ってる奴)でない新作のDVDを買うことは滅多にありません。
 やっぱり新作のDVDって高いですからね。
 それでも買わずにいられないのはどうしても手元に置いておきたかったDVDだからです。
 どういった作品かというと、例えば『シュガーマン 奇跡に愛された男』や『きっと、うまくいく』などがあります。
 もちろんこれらの映画は大好きです。

 当然『きっと、うまくいく』の主演俳優であるアーミル・カーンが製作にかかわった作品が公開されると聞いたら、「観ない」という選択肢はないわけです。
 イオンシネマ福岡で映画を2本観た後、一年ぶりか、二年ぶりにKBCシネマに出向きました。
 久しぶりにKBCシネマに行って驚いたのはポイントカードサービスが廃止されていたこと!
 代わりにシネマWEB会員サービスが始まっていたのですが、登録に時間がかかりそうだったので登録は諦め、久しぶりに映画を通常の鑑賞料金を払って観ることになりました。

 映画は面白かったです…と言いたいところなのですが、いや、実際面白くはあったのですが、どうしても『きっと、うまくいく』と比べちゃうんですよね。
 『きっと、うまくいく』と比べると、面白さがフツーというか、物足りないというか、、、まぁ『きっと、うまくいく』が面白過ぎるんですけどね。

 物足りないと言えば、『花嫁はどこへ?』はインド映画であるにもかかわらず、ダンスシーンがありませんでした。
 普段インド映画を見ることがない人は知らないかもしれませんが、インド映画って登場人物が唐突に踊り出すことが特徴の一つなんです。
 花嫁が村にやってくるという如何にもダンスがありそうな設定なのにダンスがないんですよね。
 それに上映時間が120分ちょっと今まで見たインド映画の中で最短でした(150分を越える作品がざら。ちなみに『きっと、上手くいく』は170分。)。
 これからのインド映画ってダンスシーンがなくなって、尺が120分に収まっちゃう作品が主流になっちゃうんでしょうか。
 別にダンスは好きでも何でもないのですが、インド映画にダンスが無くなるのは寂しいような気がします。

 お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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