この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ベストワン映画を振り返る。

2012-12-31 20:53:49 | 新作映画
 2012年に劇場で鑑賞した48本の映画の中から『沙漠でサーモンフィッシング』を一位に選びました。
 ぶっちゃけこの映画を一位に選んだ映画ブロガーはいないと思います(もしかして、います?)。
 なぜこの映画を一位に選んだかというと、もちろん一番の理由は気に入ったからですが、映画好きの友人に「『沙漠でサーモンフィッシング』、観ました?」と聞いたところ、「存在すら知りませんでした」という返事が返ってきたから、というのも大きいです。
 まぁ自分が推さねば誰が推す、という心理が働いたのですね。笑。
 それからあと一つ。
 毎年実話を元にした作品って公開されますよね。
 近年でいえば『アルゴ』とか『最強のふたり』とか『マネーボール』とか『英国王のスピーチ』とか諸々。
 そういった作品って、公式サイトでは「感動の実話の映画化!」などと謳っておきながら、その実半分ぐらいは創作、フィクションなんです。
 まぁ出発点が実話なのですから、「感動の実話の映画化!」という謳い文句も間違ってはいないし、悪いってわけでもないのですが、そういう映画って、どこからが実話で、どこまでが創作か、つい気になっちゃうんですよね。笑。
 だからいっそのこと、まったくもって実話でも何でもないのだけれど、如何にもそれっぽい感動作を観たいな、って思っていたところにちょうど『沙漠で~』が公開されたので、自分のツボにハマったというわけです。
 どんな作品であれ、鑑賞するタイミングというものは重要だと思います。

 そんなわけで、ってわけでもないのですが、その年に観たベストワン映画を、今年を振り返る代わりに振り返ってみたいと思います。

 2011年のベストワンは『ミッション:8ミニッツ』でした。
 八分間が繰り返される世界で爆発事件の犯人を捜す、というSF映画の佳作なのですが、この作品をベストワンに選んだ人もやはり少ないと思います。
 こういった作品を欲するような心理状況にあったんですかねぇ。

 2010年のベストワンは『ヒックとドラゴン』でした。
 この映画、試写会で観たんですよねぇ。
 試写会に当たらなければ観逃すところでした。

 2009年は『マーターズ』というホラー映画でした。
 この映画は気に入ったとか面白かったというより衝撃を受けたという方が正しいですね。
 到底人様に薦められるものではないですし、自分自身もう一度観ようとは思いませんが、それでもあの映画についてはときどきいろいろと考えさせられます。

 2008年は『ダークナイト』、2007年は『ボーン・アルティメイタム』、2006年は『スーパーマン・リターンズ』でした。

 アメコミ原作あり、スパイアクションあり、ホラー映画あり、アニメあり、もうこうなると我ながら全然傾向がわかりませんね。笑。
 2013年、どんな映画がベストワンになるのか、今からとても楽しみです。

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2012年劇場鑑賞映画ワーストテン!!

2012-12-30 23:12:00 | 新作映画
 ベストテンを選出するのはいいが、ワーストテンみたいなネガティブな企画は嫌いだっていう嫌う人がいます。
 自分にはその理屈がよくわかんないですね。
 年間20本劇場まで映画を観に行った人が、ベスト20を決めるのと、ベストテンとワーストテンを決めるのって実質同じことじゃないですか。
 何かをランク付けする時点で、それはもう傲慢な行為なのだといってよいと思います。
 けれど、傲慢な行為であるのと同時に、それは我々に与えられた正当な権利でもあるとも思います。
 正規の手段で鑑賞したのであれば、その作品をどれほどボロクソに貶しても構わないんじゃないでしょうか。
 逆にボロクソに貶すよりも手心を加えて評価する方がよっぽど失礼なのではないかと自分は考えます。

 昨日の記事では、全体的に作品のレベルは例年より上だったと書きましたが、よくよく考えてみると、これはひどいな、と思える作品も結構ありました。
 その存在を忘れたかっただけなのかもしれません。笑。

 では10位から。


10位『メリダとおそろしの森』
 天下のピクサーがこの程度の作品を作ってちゃダメでしょ。

9位『アメイジング・スパイダーマン』
 娯楽作としてそんなに出来が悪いってわけではないんですが、故人との約束をあっさり反故にするような主人公はどうしても好きになれないんですよね。

8位『ダーク・シャドウ』
 ただの女たらしにしか思えない主人公はどうしても好きになれないし、その主人公にとってだけ都合のいい結末を迎えるのって到底納得できないです。

7位『ミッションID』
 単独で見ればただの出来の悪いスパイアクションでしかないんですけど、本作の場合、「ジェイソン・ボーンシリーズのDNAを受け継ぐ!」とか何とか公式サイトでは謳ってましたからね。ちょっと罪深いです。

6位『ボーン・レガシー』
 そのジェイソン・ボーンシリーズの正当なスピンオフであるにもかかわらず、このテキトーさ加減は何だ、と言いたくなる映画でした。さらに罪深いです。

5位『リンカーン 秘密の書』
 ティムール・ベトマンベトフ監督は前作『ウォンテッド』がすごく自分のツボだったのですが、本作はまったく全然ダメでした。出来れば秘密のままにしておいて欲しかった。

4位『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
 実験的作品を否定するわけじゃないんですが、庵野監督にはまずテレビシリーズ版の『新世紀エヴァンゲリオン』をきちんと完結させた上でそういうことはやって欲しいです。

3位『ハンガー・ゲーム』
 映画にせよ、漫画にせよ、後から後からルールがテキトーに追加される作品って嫌い。この映画の場合それがひどすぎ。

2位『TIME/タイム』
 これもまた、恐ろしくつまんない映画でした。大好きな『ガタカ』のアンドリュー・ニコル監督の最新作ってことで期待したのがよくなかったです。興行収入が結構よかったようで、それがまた気に入りませんでした(←心が狭い)。

1位『プロメテウス』
 栄えある(いや、ない)2012年劇場鑑賞映画ワーストワンはリドリー・スコット最新作『プロメテウス』が選ばれました!!
 実は先日生まれて初めて『エイリアン』を見たんですけど、そのあまりの面白さに、『プロメテウス』のつまらなさがあらためて自分の中ではっきりしました。同じ監督とは思えない。
 でもこの作品を支持する人って案外多いみたいなんですよねぇ。。。


 あらためて断ることでもないんですが、このランキングは作品の出来不出来よりもむしろ、自分が好きか嫌いかが色濃く反映されています。
 だからこのワーストテンに選ばれた作品でも案外「私にはツボだった」という作品があるかもしれません。
 ここに挙げられた10作を中心に鑑賞するのも悪くないかもしれませんよ?
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2012年劇場鑑賞映画ベストテン!!

2012-12-29 23:15:19 | 新作映画
 2012年に劇場へ観に行った48本の映画の中から、好きな作品、面白かった作品、もしくは印象に残った作品を十本ベストテン形式で挙げていきたいと思います。
 今年は飛び抜けてよかった!って作品はなかったんですけど、作品のレヴェル自体は全体的に例年より上だったような気がします。


10位『虹色ほたる 永遠の夏休み』
 知名度はそれほど高くないけど、まるで墨絵のような、味わいのある絵柄が特徴のアニメ映画。

9位『ダークナイト・ライジング』
 伝説が壮絶に終わったとしてこの順位。そうでないならもっと下。

8位『ヘルプ 心がつなぐストーリー』
 良質の感動作。主演のエマ・ストーンはそんなに好きなタイプではないんだけど、この前借りた『小悪魔はなぜモテる?』も面白かったし、作品選びが上手い女優だと思います。

7位『別離』
 単純に完成度だけでいえばこの作品が一番かもしれません。イラン映画恐るべし。

6位『るろうに剣心』
 日本のアクション映画もまだまだ捨てたもんじゃないぜ!ということがわかって嬉しかった。続編は作られるのかな?

5位『ホビット 思いがけない冒険』
 映画ってなかなか観る前の期待値を越えて面白い!ってことがないと思うんですけど、この作品は稀有な例外でした。惜しむらくは日本での興行成績が振るわないってことですかね。某海賊映画よりは面白いと思うんだけどなぁ。

4位『ドライブ』
 今年は『ドライブ』以外にも『ハンター』や『THE GREY 凍える太陽』など、寡黙な男が主人公の映画が多かった気がします。その中でも『ドライブ』が頭一つ抜けて出来がよかったです。

3位『ザ・レイド』
 ほとんど脚本が存在しない(かのような)、ひたすらガチの肉体バトルが延々と続くこの手のアクション映画も個人的には好みだったりします。

2位『桐島、部活やめるってよ』
 2012年の日本映画界はこの作品を中心に回った、といっても過言じゃないと思います。
 脚本、演出、キャスト、演技、音楽、すべてがよい隙のない映画でした。 

1位『沙漠でサーモンフィッシング』
 今年公開された映画の中でこの作品が一番出来が良いかというとたぶんそうではないと思うんですけど、個人的にすごく気に入ったのと、映画好きな友人に「これ、観ました?」と聞いたところ「存在すら知りませんでした」という返事が返ってきて、もうちょっと知られてもいいんじゃないかと思ったので、この作品を一位に選びました。


 まぁこんなところかな。
 映画ファンで一位にこの作品を選んでいる人はたぶんいないと思います。
 でも本当の隠れ一位はDVDで鑑賞した『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』だったりするんですけどね。

 明日は2012年劇場鑑賞映画ワーストテンを書きたいと思います。
 お楽しみに!!(いないか…)
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2012年劇場鑑賞映画一覧。

2012-12-28 20:48:05 | 新作映画
 2012年は48本、劇場まで映画を観に行きました。
 途中までは50本は楽勝だな、と思っていたのですが、後半になってやや失速して届きませんでした。ちょっと残念、、、って別に残念がることでもないんですけどね。笑。


1.『宇宙人ポール』(1/1、Tジョイ博多にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★☆
2.『ダーク・フェアリー』(1/20、Tジョイ博多にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★★、お薦め度は☆
3.『ハンター』(2/4、中洲大洋劇場にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★
4.『ドラゴン・タトゥーの女』(2/11、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★
5.『ものすごくうるさくてありえないほど近い』(2/19、Tジョイ博多にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★☆
6.『TIME/タイム』(2/25、Tジョイ久留米にて鑑賞)
   お気に入り度は☆、お薦め度は☆
7.『灼熱の魂』(2/26、中洲大洋劇場にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★☆
8.『戦火の馬』(3/3、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★☆
9.『ヒューゴの不思議な発明』(3/4、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★☆
10.『シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム』(3/17、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★☆
11.『長ぐつをはいた猫』(3/25、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★★☆、お薦め度は★★★☆
12.『パーフェクト・センス』(3/31、中洲大洋劇場にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★
13.『ドライヴ』(4/8、Tジョイ博多にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★★★、お薦め度は★★☆
14.『タイタンの逆襲』(4/12、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野での試写会にて鑑賞)
   お気に入り度は★★☆、お薦め度は★★☆
15.『ヘルプ 心がつなぐストーリー』(4/21、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★★☆、お薦め度は★★★★☆
16.『別離』(5/5、KBCシネマにて鑑賞)
   お気に入り度は★★★★☆、お薦め度は★★★★☆
17.『テイク・シェルター』(5/12、Tジョイ博多にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★、お薦め度は★☆
18.『ポテチ』(5/12、中洲大洋劇場にて鑑賞)
   お気に入り度は★、お薦め度は★
19.『虹色ほたる 永遠の夏休み』(5/15、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野での試写会にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★
20.『REC/レック3 ジェネシス』(5/20、ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13にて鑑賞)
   お気に入り度は★★☆、お薦め度は★
21.『ダーク・シャドウ』(5/26、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★★、お薦め度は★★☆
22.『ミッシングID』(6/3、中洲大洋劇場にて鑑賞)
   お気に入り度は★☆、お薦め度は★☆
23.『ディヴァイド』(6/16、Tジョイ博多にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★、お薦め度は☆
24.『スノーホワイト』(6/16、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★、お薦め度は★★☆
25.『アメイジング・スパイダーマン』(6/24、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★
26.『ソウル・サーファー』(7/1、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★☆
27.『メリダとおそろしの森』(7/22、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★☆、お薦め度は★★
28.『ダークナイト・ライジング』(7/29、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★☆
29.『アタック・ザ・ブロック』(8/4、中洲大洋劇場にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★
30.『桐島、部活やめるってよ』(8/11、Tジョイ久留米にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★★☆、お薦め度は★★★★
31.『アベンジャーズ』(8/14、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★☆
32.『THE GREY 凍える太陽』(8/18、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★☆、お薦め度は★☆
33.『プロメテウス』(8/26、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞) 
   お気に入り度は★、お薦め度は★
34.『最強のふたり』(9/1、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★★
35.『るろうに剣心』(9/1、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★★☆、お薦め度は★★★★
36.『鍵泥棒のメソッド』(9/15、Tジョイ久留米にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★☆
37.『アイアン・スカイ』(9/29、天神シネマズTOHOソラリア館にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★☆
38.『ハンガー・ゲーム』(9/29、天神シネマズTOHO本館にて鑑賞)
   お気に入り度は★、お薦め度は★
39.『ボーン・レガシー』(9/29、天神シネマズTOHO本館にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★
40.『009 RE:CYBORG』(10/27、Tジョイ久留米にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★
41.『ザ・レイド』(10/27、ユナイテッドシネマキャナルシティ13にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★
42.『リンカーン 秘密の書』(11/3、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★、お薦め度は★
43.『アルゴ』(11/4、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★
44.『007 スカイフォール』(12/1、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★
45.『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(12/1、TOHOシネマズ天神にて鑑賞)
   お気に入り度は★☆、お薦め度は★☆
46.『沙漠でサーモンフィッシング』(12/9、ユナイテッドシネマキャナルシティ13にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★★★、お薦め度は★★★★☆
47.『ホビット 思いがけない冒険』(12/16、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞)
   お気に入り度は★★★★☆、お薦め度は★★★★☆
48.『フランケンウィニー』(12/23、TOHOシネマズ天神にて鑑賞)
   お気に入り度は★★☆、お薦め度は★★☆


 ★は五つで満点、☆は★の半分です。

 
 *2011年劇場鑑賞映画一覧

 *2010年劇場鑑賞映画一覧

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大晦日は案外暇な奴が多い。

2012-12-27 22:00:10 | 新作映画
 2012年は劇場まで48本、映画を観に行きました。
 でもどうせだったら切りがいいところで50本観に行きたかったのですが、後半バテテしまって、残念ながら届きませんでした。

 と思ったら!!
 12/31の大晦日に、何と劇場版『まどか☆マギカ』の前後編がTOHOシネマズで一挙に上映されるっていうじゃないですか。
 よし、この2本を観てちょうど50本だ!!と思いましたよ。
 自慢じゃないですけど、大晦日にはこれといって用事がないので(親に言いつけられたものを除く)、ちょうど都合がよかったんです。

 と思ったら!!
 自分の見通しはまったく甘かったですね。
 12/31の夕方5時から一回きり、しかも座席数100の劇場での上映だったので、木曜日ぐらいにはインターネット予約でチケットは売り切れちゃいました。
 こういうときクレジットカードの類いを持ってないのはつらいな。
 普段はそれで不都合は感じないのだけれど。

 ま、つまり大晦日には案外暇な奴が多いってことです(お前もな!)。
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クリスマス・イブ・イブの夜はあなたと…。

2012-12-26 20:53:15 | 日常
 少し前のことですが、クリスマス・イブ・イブの12/23、不思議博物館で行われたリア充御免のクリスマス・パーティ(のようなもの)に参加してきましたよ。
 それで、プレゼント交換会が13:00と15:00と17:00の三回行われます、って事前に告知されていたので、どうせなら三回とも参加しようと思って、『フランケンウィニー』を観終わった後、急いで駆け付けたんですよね。それでも不思議博物館に着いた時点ですでに五分ぐらい過ぎてました。
 うわっ、遅れた!と思ったんですけど、それっぽいことが行われた(もしくは行われる)気配がなく、あれ、交換会は?と館長に尋ねると、あ~、参加者がいない(っぽい)のでやらないです、と館長のマイペースな返事。
 こっちはめっちゃ急いで駆け付けたっていうのに!!
 館長のマイペースぶりは徹底していて、17:00の交換会の時には、あ、(プレゼント)用意してなかった、と慌ててお菓子を袋に掻き集めてました。
 自分で告知したんだから、ちゃんと三回分用意しとけよ!!
 ま、そのマイペースっぷりが館長のよさですが。笑。

 で、自分が何をもらったかというと、ヌード・トランプ。しかもマッチョなムキムキ男性の。笑。
 思いっきりいらなかったのでその日カウンターで何やら電気科学の難しそうな勉強をしていた男子大学生にそのままあげたらすごく喜んでくれました。
 いいことをした気分になれました、、、というのはいいんですが、わざわざ不思議博物館で勉強しなくてもいいんじゃない?と聞いたら、場所を代えた方が勉強がはかどるそうです。
 だとしても不思議博物館はないと思うんだけどな。笑。
 あ、今さらだけどトランプの写真を撮っておけばよかったなぁ。

 代わりに持って行ったけど、そのまま持って帰ることになったぬいぐるみの写真をどうぞ♪


   


 禁断の関係に落ちた二人、というか二匹って感じ?笑。
 いつか良い貰い手が現れてくれるといいんだけどね。

 博物館閉館後は階下のアトリエ(仕事場)にて「寂しい夜のクリスマス上映会」がありました。
 館長厳選の、クリスマスの夜に見るのが相応しい作品を、コタツで温まりながら、残っていた数名で見ました。
 クリスマスの夜に見るのが相応しい作品というのがどうして『ウルトラマンマックス』になるのか、イマイチよくわかりませんでしたが、それはそれで面白かったです。
 でも、十一時まではやらなくてよかったんじゃないかなぁ。
 九時ぐらいまでで切り上げて、後はカラオケにでも行くっていうのが普通じゃない?(行きたがっていた人、いたけどね)
 館長はよっぽどカラオケが嫌いに違いないのです。

 不思議博物館の営業は年内は翌24日まで、自分が遊びに行けたのはこの日が最後でした。
 不思議博物館は一月二月は冬眠で、次の開館日は2013年3月3日とのこと。
 館長、今年一年お世話になりました!
 不思議子ちゃん、いろいろ妄想に充ちた目で見てゴメンなさい!!(見るなよ!)
 また3月にお会いしましょう!

 と思ったら、1月にも臨時開館するんだってさ~。
 RKBの『豆ごはん』っていう番組で紹介されるからだそうです(1月16日水曜日20時から)。
 みんなで『豆ごはん』を見て、お茶目な館長を拝見しましょう~。
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結局こじれにこじれまくっちゃった『残り全部バケーション』論争。

2012-12-25 21:54:42 | 読書
 本記事は伊坂幸太郎著『残り全部バケーション』の第五章の非常に重要な部分についてネタばらししています。これから『残り~』を読むつもりの方は読まない方がいいです。
 それから断っておきますけど、やたら長いです。長い記事を読むのが苦手という人はやっぱり読まない方がいいです。

 先日の記事で、ミクシィの伊坂コミュの『残り全部バケーション』トピックで、『残り~』の第五章に出てくる『食べ歩き日記』というブログの管理人サキが自分の解釈と違う人がいて驚いた!というようなことを書きました。
 あの話には続きがあります。実はあれからも岡田派と沙希派の間で論争が続いていて(沙希派は自分だけなんだけど。笑。)、自分が折れないものだから、論争はこじれにこじれまくっちゃってます。

 自分が岡田が管理人ではないと思うのは、第一章から第四章を読む限り、岡田にはブログの管理人としての適性、つまり、文章力、コミュニケーション能力、それに自己主張の強さ、といったものが伺えないからです。

 文章力、この場合基本的に文章の上手さのことですが、文章を書くことが好きだ、ということでもいい。好きこそものの上手なれ、といいますしね。
 第一章から第四章の間に、岡田は文章を書くのが上手いんだなとか、文章を書くのが好きなんだなと思わせる描写が一切ないんですよね。

 コミュニケーション能力、これもブログ運営には必須だと思います(特に人気ブログであれば)。
 その証拠にコミュニケーション能力を著しく欠く自分のブログはお世辞にも流行っているとは言い難い。笑。
 いい年をして、友だちと呼べる友だちがいなかった岡田にそれがあるとは思えないのです。

 そして自己主張の強さですが、ブログって結局自己主張の場ですよね。あれが好きだとか、ここはよかったとか、これは面白いと思うとか、そういうことを述べる場であると思うのです。
 岡田には不思議な強さがあって、やると一度決めたことは何があっても必ずやる男なのですが、それでも自己主張が強いとは思えないのです。自分が好きなものであってもあえてそれを他人に触れ回るようには思えない。
 本文でも自分の考えを強く主張するシーンはありません。
 そういった適性に欠ける岡田が実は人気ブログの管理人だった!というオチは意外ではあっても素直に「そうだったのか!」と受け入れられるものではありません。
 
 何よりサキは表向き女性なんですよ。少なくとも溝口という男はそう思っている。
 ということは、サキが岡田であったなら、彼は女性の文体でブログの記事を書いていたことになります。
 岡田にそういう器用さがあるようにも、そうせざるを得ない理由があるようにも、まったく思えない。

 とはいえ、今述べたことはすべて状況証拠にすぎません。
 状況証拠で真っ黒であっても、それで犯人であるとは限らない。
 同じように岡田がブログの管理人であるようには思えなくても、何かのきっかけがあって、短期間で変わってしまったのかもしれない。
 その可能性は否定できません。
 ただ、自分は岡田の身に起きた何かがまったく想像出来なかったので、その可能性を排除したのです。

 しかし、自分には想像出来なくても、岡田がブログの管理人であると思っている人たちであれば、何かしら考えがあるに違いない、そう思って、岡田派の人たちに尋ねたんですよ。
 岡田はなぜ、ブログを始める際、性別を偽ることにしたのですか?想像で構わないので考えを聞かせてください、って。
 もちろん正解のある答えではありません。
 要は自分が納得出来る答えであればそれでいいのです。
 自分には想像もつかない、でも、なるほどな、と思える答えが返ってくるものと期待していました。
 確かに返ってきた答えは自分には想像つかないものでした。
 岡田派の人はこう答えたんです。
 岡田は、スィートといえば女性だからと思ったから、ブログを始める際も女性のフリをしたんじゃないですか。それで納得出来ませんか、と。
 ・・・・・・。
 納得出来るはずがないじゃないですか、そんな夢もロマンも愛もない答えで。

 インターネットというのはなりたい自分になれる世界だと思います。
 基本的に、犯罪を目的としないのであれば、性別を偽るのも、年齢を偽るのも、自由だと自分は考えます。
 しかし、何かを偽る、嘘をつくのは、やはりリスクを伴う行為なんですよね。
 嘘をついていたことがバレたときはどうしたって非難されますしね。

 性別を偽ってブログをしている人ももちろんいるとは思います。
 でもそういった人たちはきちんとリスクのことまで考えているんじゃないですかね。
 そして何より性別を偽るだけの理由がちゃんとその人なりにある、自分はそう考えます。
 少なくとも、スィートといえば女性だから、そんな理由にならない理由で性別を偽る人がいるとはとても思えない。

 だから、納得出来ませんかと聞いてきた岡田派の人に、はっきり納得出来ません、と答えました。
 以来、岡田派の人とは少しずつ関係が不穏なものになっていき、先日とうとうこんなコメントをされてしまいました。以下全文転載。

 
>>[023] せぷさん

伏線分析というよりはただの主観的想像ですね。
想像されるのはご自由ですが、想像から導き出された解答を断定調でここに書いた上で他の伊坂ファンに押し付けようとしているあなたの本読みとしての姿勢に激しく嫌悪感を覚えます。だからレスしたんですが、こんなに荒れてしまうとは…

コミュの皆様失礼しました。これ以上やりとりしません。
せぷさん→なんか反論がある場合は直接メッセージください。丁寧に解説いたします。

追記
駄文だと思ってるなら最初から投稿しないように。
私は自分が一度書いた投稿を消すつもりはございません。



 本読みとしての姿勢に激しく嫌悪感を覚える、かぁ。えらいいわれようだなぁ。笑。

 まず断っておきたいのは、自分は何も自分の考えを人に押し付けようと思ったことは一度もない、ってことです。
 自分はただ、自分はこう思います、と最初に考えを述べて、そのコメントに対して、そうじゃないと思いますと自分宛てにコメントをしてきた人にだけ、反論をしているだけなのだし。
 違う考えのコメントであっても、自分に宛てたものでなかったら、相手にしてないよ。
 反論をすることが考えの押し付けになるんだったら、誰も反論なんて出来なくなるよね。
 それにトピックが荒れたといってるけど、異なる意見をぶつけ合うことが荒れたことになるの?議論=荒らし?
 自分は自分の考えを曲げなかっただけのつもりなんだけど、それが荒らし行為になるの?
 自分は自分と考えの異なる人のことを悪しざまに罵ったり、人格を否定したことはないよ。
 相手のことを悪しざまに罵ったり、人格を否定したりする行為こそ荒らしではないの?

 思うにこの人は本当に荒れたトピックを見たことはないんだろうなぁ。
 本当の悪意を見たことがない、ある意味羨ましい人だよ。

 この人とは別段メールで議論の続きをするつもりはまったくなくて、それは議論というものは公けの場でするべきものだと自分は考えているからだけど、でも公けの場で人を悪しざまに罵るのは(この人のために)止めといた方がいいんじゃないかと思って、その旨メールしたら、あなたとマナーについて話すつもりはない!!というブチ切れたメールが返ってきました。笑。
 よくこんなキレやすい性格で反論があればどうぞ、なんて言えるもんだなぁと感心しました。

 まぁ愚痴っぽくなったけど、別に落ち込んでるわけではありません。
 自分はどうでもいい人に何を言われようがどうでもいい、というスタンスなので。
 でも、同じ作家の小説を読む者同士がこうも分かり合えないというのはもう少し悲しむべきことなのかもしれません。

 それにしても長くなっちゃった…。
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我未だ特装版を入手すること叶わず。

2012-12-24 11:22:17 | 漫画・アニメ
 月刊コミック電撃大王で連載されていた『GUNSLINGER GIRL』(相田裕著)がこのたび完結しました。
 年月でいえばおよそ10年、話数でいえば100話、巻数でいえば15巻の連載でした。
 長かったような、短かったような、でも間違いなく言えるのは長く記憶に残る作品になった、ということです。

 モラルを問われる作品だった、と思います。
 何しろ身寄りのない子供たちを義体化(サイボーグ化)し、政府御用達の暗殺者にするというお話なのですから。
 しかも子供たちは揃いも揃って美少女ばかり!!(男子がいないのは何ゆえ?)
 担当官は野郎ばかり!!
 そりゃモラルも問われるだろうってものですよ。

 でも、そこさえ乗り越えれば、すごくよい作品なんですよね。
 アクションシーンは白眉だし、義体と担当官の危うい関係は目を離せないし、展開はひたすらハードだし、ともかく面白いのです。

 それで、最終巻が1週間ほど前に発売されたのですが、自分がそれを入手するのは少しばかり時間がかかりました。
 これは珍しいことなんですよ。
 なぜかというと自分は好きな漫画の単行本は少しでも早く手に入れたいと思う人間なので、発売から1週間経ってまだその漫画が手元にない、ってことは通常ないんです。

 なぜ入手するのが遅れたかというと、出来れば通常版ではなく初回限定の特装版が欲しいな、と思ったから。地元のツタヤでは発売日に通常版しか入荷しなかったんですよね。
 ちょっと舐めてました。
 今までも好きな漫画の単行本の特装版を購入したことは何度もあったのですが、普通に店頭販売されていたから、今回もそれが出来るだろうと高を括っていたのです。
 
 結局地元で入手できなかったので、福岡の天神まで出張って買うことにしました。
 さすがに天神にないってことはないだろうと楽観的に考えていたのですが(考えていたというか、考えたかったといった方が正しい)、何とビックリ、大都市天神の書店でも『GUNSLINGER GIRL』15巻の特装版はことごとく売り切れ、もしくは未入荷でした。
 ビブレ地下2階の福家書店、天神最大の書店ジュンク堂、岩田屋本店のリブロ、散々本屋巡りしたんですけどね。

 そんなに大騒ぎしなくても、本屋で売ってないっていうなら、ネット通販で買えばいいだけじゃないかって思う人もいると思います。
 まぁ普通は確かにそうなんですが、今回に限ってはそうじゃないんです。
 なぜかというと、発売されて1週間ちょっとであるにもかかわらず、プレミアがついてるんです。
 『GUNSLINGER GIRL』15巻の初回限定の特装版、アマゾンでは中古価格が¥3500、コレクター価格になると¥4500!!(12/24、12:00の時点での価格)
 いくら好きとはいえ、アメコミじゃあるまいし、漫画一冊に¥3500はさすがに出せません。
 というわけで結局『GUNSLINGER GIRL』最終15巻は、通常版を買っちゃいました。
 はぁ~、まさか入手できないとは思ってもみませんでした。
 これからは特装版を買うときは必ず事前に予約したいと思います。
 いい勉強になりました。
 でも出来ればそんな勉強はしたくなかったなぁ…。
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久しぶりにティム・バートン節炸裂!!『フランケンウィニー』。

2012-12-23 17:14:23 | 新作映画
 ティム・バートン監督、『フランケンウィニー』、12/23、TOHOシネマズ天神にて鑑賞。3D字幕版。2012年48本目。


 何だか久しぶりにティム・バートンらしい映画を観た気がします。
 別段寡作というわけではないので、彼の作品は毎年のように公開されるんですが、近作には彼らしさがなかったように思うんですよね。
 ティム・バートンらしさって何かというと、人によってはシュールな世界観や奇妙な登場人物だったりすると思うんですが、自分的には、異形の者たちへの優しさに満ちた視線、かな。
 人と見た目が違う者が心無い人たちから差別や迫害を受け、過酷な目に合うが、それでも懸命に生きていく、みたいな?初期の『シザーハンズ』や『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』にはそれがあったと思うんですよね(もしかしたら『シザー~』や『ナイト~』にしかないのかもしれないけど)。
 それが近作ではシュールな世界観や奇妙な登場人物は相変わらずなのだけれど、異形の者への優しさがまったく感じられなくて、そのことが一番顕著に感じられたのは前作『ダーク・シャドウ』でした。
 ジョニー・デップ演じる主人公がバーナバスが魔女のアンジェリークの呪いによって吸血鬼にされるんですけど、彼はその前にアンジェリークのことを散々弄ぶんですよね。しかもボロぞーきんのように捨てちゃう。
 そりゃ恨まれて、呪われて、命を狙われるのが当然だよ!!
 でも物語はすべてバーナバスの都合のいいように終わるんです。観ていて、全然納得できませんでした。アンジェリークの扱いがひどすぎる。
 こんな作品を続けて見せられるようではとてもティム・バートンにはついていけないなと思っていたところで観た本作に彼らしさを感じ取れて、正直ホッとしましたね。

 ただ、、、純粋に一本の映画として観た場合、本作は正直あまり褒められた出来ではないかな。
 例えば、本作では落雷によって生じた高圧電流によって死体が甦るんですけど、10年前ならいざ知らず、もしくは短編映画ならともかく、今どきの長編映画でそれはないなと思いました。
 だってそれだと雷が落ちるたびに何かが甦るってことになっちゃいますよね。

 あと、本作はティム・バートンが好きなのであろう、過去の様々な作品のオマージュが出てくるんですけど、それがあまりにもあからさまで感心しませんでした。
 オマージュってさりげなくやるからいいものであって、あのガ○ラはねぇ、ちょっとないよな、と思いました。

 そんなわけで作品としては高い評価は出来ませんが、久しぶりにティム・バートンらしい映画を観れたことには満足しています。


 お気に入り度は★★★、お薦め度は★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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近況報告。

2012-12-22 23:23:48 | 読書
 注意!本文は伊坂幸太郎著『残り全部バケーション』を読んでないと意味が分からない二次創作です。
 といっても『残り~』を読んだ人が読んで面白いかどうかは定かではないです。

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「ブログを始めたんだよね。ケーキとか和菓子とか食べ歩きのブログなんだけど」
 早坂沙希は突然切り出した。
 岡田はケーキを頬張ったまま、フォークを持っていた手を止める。沙希は昔から本をよく読んでいるし、社交的な性格でもある。案外人気ブログになるのではないか、岡田はそう思う。
 テーブルの上には沙希が買ってきた東京の有名店のケーキが所狭しと置かれている。そのケーキを一つずつ二人で分けて食べるのが今では半ば決まり事になっていた。
「でもさあ、なかなかアクセス数がアップしないんだよね」
 そこで沙希は一旦言葉を切る。
「岡田さん、ブログの宣伝を頼めないかな?」
 沙希の言葉に岡田は思わずむせそうになる。
「お、俺が沙希さんのブログの宣伝を?」
「そうだけど、もしかして嫌なのかな?」
「嫌というか、宣伝なんてやったことないし」
「宣伝っていってもそんな本格的なものじゃなくていいから。誰か知り合いの人に、お薦めの食べ歩きブログがありますよ、って紹介してくれればいいの」
 そしたら、これまで以上にもっとブログにまじめに取り組めると思うんだよね、と沙希は言う。
「そう言われても俺にはブログを紹介するような知り合いはいないんだよ」
 岡田が仙台で暮らすようになって半年が過ぎようとしている。そして今務めている焼肉店で働きだして三ヶ月が経つ。
 けれど、秘密を抱える岡田はなかなか同僚と打ち解けることが出来ず、メールのやり取りをするような相手もいない。
「情けないなぁ。今どきメル友の一人もいないなんて。誰かいないの、メルアドを知ってる人」
「沙希さんも知ってるだろう、俺には元々友だちと呼べる人はほとんどいないし、携帯のアドレス帳も消されてしまったから」
 岡田が毒島の元に連れて行かれる前に、毒島の部下に持ち物をすべて没収された。後になって財布と携帯電話は返されたものの、携帯電話の履歴とアドレス帳はすべて消去されていた。だから、もう溝口に連絡を取ることも出来ない。
「本当にいないの?メルアドを知ってる人。お世話になった人とか」
 岡田は苦笑しながら答える。
「本当にいないんだよ。メルアドを知ってる人も、お世話になった人も…あ」
 いた。現在、岡田が沙希以外で唯一メルアドを知っていて、世話になった、ともいえる人物が。
 他でもない毒島である。
 毒島は、困ったことがあればいつでも連絡してこい、と別れ際に一枚の名刺を渡してくれた。名刺には毒島の名前の他に電話番号とメールアドレスが記されている。
 まさか実際毒島に連絡することになるとは思ってなかったが、それでも名刺は岡田の財布にしまってある。
「ねぇ、その人にさ、近況報告するついでに、お薦めの食べ歩きブログがありますよって宣伝してよ」
「そんな近況報告、聞いたことがないよ」
 そう言いつつも、自分は毒島にメールをするのだろうな、と岡田は自覚する。誰かにメールを送ることを強制されるのは初めてというわけではない。
「何て書き出せばいいかな」
「こんなのはどう?あなたのおかげで甘いものをお腹一杯食べられるようになりました、ってのは?」
 沙希が悪戯っ子のように笑う。
「そんな近況報告、聞いたことがないよ」
 同じ台詞を繰り返しながら岡田は携帯電話を操作する。
コメント (4)
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