「沖縄を何だと思ってる」―こういうタイトルの社説が18日の沖縄タイムスに掲載されました。「空港・港の軍民両用化」です。
< 政府が進めている「特定重要拠点空港・港湾」の整備事業は、平たく言えば、空港・港湾等の軍民両用化を押し進める計画のことである。
平時・有事を問わず自衛隊や海上保安庁などが使用できる体制を整える。
上川外相は国会で、日米地位協定に基づき米軍も利用が認められる、との見解を明らかにした。
空港や港湾は離島県の沖縄にとって、最も重要な生活インフラであり、産業インフラである。
自衛隊や米軍の民間施設使用が活発になれば、平時の事故の懸念、有事の攻撃対象になる懸念を、同時に抱え込むことになる。
敵基地攻撃能力を備えた長射程のミサイルが配備されれば、危険性はいっそう高まる。>(18日付沖縄タイムス社説=抜粋)
「特定重要拠点空港・港湾整備事業」は、1年前(2022年12月16日)に岸田政権が閣議決定した軍拡(安保)「3文書」に基づくものです。今月13日付の共同配信記事で、「特定重要拠点」として32の空港・港湾が明らかにされました。
それを都道府県別にみると(北から)、北海道6(空港1,港湾5)、福井1(港湾)、香川1(港湾)、高知2(港湾)、福岡1(港湾)、長崎2(空港)、熊本2(空港1,港湾1)、鹿児島5(空港2、港湾3)、沖縄12(与那国空港、新石垣空港、波照間空港、宮古空港、下地島空港、那覇空港、久米島空港、与那国新港、石垣港、平良港、那覇港、中城湾港)。
沖縄は32のうち12(38%)、空港では13のうち7(54%)。まさに、「主要なターゲットは沖縄」(前掲沖縄タイムス社説)なのです(写真左は新石垣空港に飛来した自衛隊機、右は中城湾港に着岸した自衛隊艦船)。
数の問題だけではありません。同じ南方でも沖縄が九州や四国と決定的に違うのは、本州と陸で繋がっていない文字通りの離島だということです。有事の際は逃げ場がありません。空港・港湾は沖縄の人々の命綱です。それが軍隊に占拠され攻撃対象になります。
まさに78年前の悪夢・沖縄戦が再現されようとしているのです。
日本は、琉球の武力併合(1879年)、「捨て石」の沖縄戦、敗戦後の米軍占領、日米安保条約(1951年)による米軍基地集中と、何度も琉球・沖縄を踏みにじり植民地化して今日に至っています。これ以上加害の罪を重ねることは許されません。
空港・港湾の軍事利用、ミサイル基地化に反対するのはもちろん、琉球・沖縄植民地化の歴史を1日も早く断ち切らねばなりません。