アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

「朝鮮人追悼碑撤去」山本知事は韓国大使館の面談要請を拒否していた

2024年03月28日 | 侵略戦争・植民地支配の加害責任
   

 朝日新聞デジタルは27日、「朝鮮人追悼碑撤去問題で韓国大使館が事前に面談要請、群馬県断り撤去」と題した独自記事を配信しました。抜粋します。

<今年1月に群馬県が撤去した朝鮮人追悼碑をめぐり、撤去工事前に在日韓国大使館が山本一太知事と大使館幹部との面談を申し入れていたことが分かった。関係者が明らかにした。だが、県側が応じず、面談は実現しないまま碑は撤去された。

 関係者によると、1月29日に始まった碑の撤去工事の1週間ほど前、韓国大使館の職員が県庁を訪ね、県の担当部長ら複数の職員と会った。大使館側は解決策を話し合うため、山本知事と大使館幹部の面談を求めたという。

 これに対し、県はその数日後、大使館側に申し入れを断る連絡をしたという。結局、面談は実現しないまま、県は予定通り29日に代執行による撤去に着手。2月2日に工事を終えた。

 一方、山本知事はこの間の記者会見で、韓国側からの接触を否定し続けている。大使館側が申し入れをした直後の1月25日の会見では「外交ルートで何か話はきていない」と説明。

 2月15日の会見では、韓国大使館からの接触の有無を問われ「公式に何かの形で面会したいと言われたことはない」と述べ、説明を一部変えた。その後、「公式」の意味を問われた山本知事は「これ以上コメントできない」として、具体的な説明を避けた。

 山本知事が韓国大使館との面談に応じなかったことについて、追悼碑を設置した市民団体は「県は撤去ありきで面談しても決裂するだけだから、会わない方が得策と考えたのかもしれないが、話をして欲しかった。知事は応じなかった理由を説明すべきで、事実と異なる説明をするのは不誠実と言うほかない」と話している。>

 大使館の面談要求を拒否して追悼碑撤去(破壊)を強行するなど常軌を逸しています。

 この件が明らかになる前に、作家の中沢けい氏はこう述べていました。

「追悼碑の強制撤去は、県の行政権の濫用だと思います。…こういう場合、話し合って良い代替案を探ろうとするのが健全な発想でしょう。でも山本一太知事は、撤去ありきで突き進んだように見えます。…目的は、市民運動や住民運動を攻撃することでしょう。歴史をどう考えるか、根拠を示して丁寧に説明しても、聞く耳を持たないから徒労感だけが募る。そうした圧力により、考え、行動する市民をあきらめさせようとする。非道なやり方です」(14日付朝日新聞デジタル)

 その通りです。そしてあらためて銘記する必要があるのは、これは群馬県だけの問題ではないということです。

 第1に、山本氏はただの知事ではありません。自民党参院議員を4期、安倍晋三政権で沖縄北方相を歴任し、自民党本部でも遊説局長などを務めた自民党幹部です。
 そして安倍元首相の強力な信奉者です。『いまなぜ安倍晋三なのか』(リヨン社、2006年)などという著書もあり、紀伊国屋の書籍紹介には「安倍晋三の応援団の中心人物、山本一太の安倍晋三待望論」とあります。
 追悼碑強制撤去の背後には日本会議など保守反動勢力の圧力があることも含め、山本氏の暴挙は安倍政治の再現(模倣)と言えます。

 第2に、「軍拡(安保)3文書」で戦争国家化が急速に進む中、地方自治体の役割がかつてなく重要になっていることです。
 そんな中での今回の問題は、身近な所から侵略戦争・植民地支配の加害の歴史を消去させようとする戦争推進勢力の草の根策動の一環と捉える必要があります。

 この問題は引き続き追及していかねばなりません。大使館の要求を足蹴にされてたユン・ソンニョル(尹錫悦)政権の対応が注目されます。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 戦闘機輸出・「閣議」あって... | トップ | 広島市長の「教育勅語」賛美... »