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村田沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」~思春期の少女の心と体のアンバランスさが開発中の街とリンクする!?~

2020-04-19 02:50:31 | 
村田沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」読み終わりました。


タイトルに惹かれて読んでみることになった。


開発中の街と


思春期の少女の心と体の未完成な危うさ


それがリンクしていた。


主人公の結佳は


冷めた目でクラスメートたちを見ていた。


自分の立ち位置を上手く確保して


それなりに無難に日常を熟していた。



しかし


そんな自分をどこかで嫌悪していた。



「特別」になりたかった。


でも


なれない自分に。



開発中のしろいばかりの中途半端な街を


「嫌い」と言った。


でもそれは本心ではなかった。


反発することが


美徳と感じられたから。



習字教室で一緒だった


同級生の「伊吹」



子供で頼りなくて


そんな伊吹を


「おもちゃ」と言った結佳



そして


自分は何でも知っている。



背伸びした気持ちが


伊吹をそう呼ぶ。



結佳は


伊吹に「キス」というものを試みる。


でも本当の「キス」を知らない結佳は


それとは程遠いものを体験する。


舌をくっつける


「溶けたガム」のようなものを。



結佳と信子と若葉は親友だった。


その関係が


だんだん変わってくる。



中学生になって


クラスで順位付けされたグループ


そこで


格差ができる。


それによって


ねじれた関係が生まれる。



自分は手を汚さず無難に立ち回っていた結佳



自分の体が・・


顔が嫌いだった結佳



その鬱積された気持ちが・・


伊吹へのいけない行為へ向かわせる!!



いつまでも「おもちゃ」ではない伊吹



拒絶。。



結佳へ本心を聞く伊吹



真っすぐな伊吹の気持ちが



まぶしく・・



ますますゆがんでいく結佳



不格好で・・


いびつな体



そして


どう表現していいかわからない心




あ~自分もこんな時があったなぁ。



そう思い出す。



クラスでの女子の微妙な友達関係


どこかで冷めて見ていた自分



本当は露ほども共感できないのに


友達という名のもとに


合わせていく自分



全然楽しくない。。


本当の自分はこんなんじゃない!


そう思っていた。


偽物の自分が


嫌だった。。



そんなことを思い出した。



伊吹への気持ちを真っ直ぐに伝えられなかった結佳


そこだけは私と違ってたけど。



開発途中の街で


何度も小学校を変わった自分



その度に


新しい友達を作らなければかった



頑張ってきたなぁ~自分!



もうその街ともすっかり疎遠になったけど(^^;




そんな昔を思い出し苦笑しながら夢中で読んでしまった。



開発中の街と


未完成な少女の心と体


それをリンクさせて


実に見事に描かれている作品だと思いました。


ちょっと衝撃的な場面も多々あるけど


結佳の変わっていく様子をじっくり味わっていただきたい。


そんな1冊です





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