読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

宮下奈都「誰かが足りない」~「ハライ」足りないことが充たされる特別なレストラン☆~

2024-04-22 03:54:03 | 


宮下奈都「誰かが足りない」読み終わりました。

鈍色レンガ造りの古い一軒家

赤い屋根に蔦を這わせている

木でできた重い扉

人気のレストラン「ハライ」

そこは

人の思い出に寄り添い

心も舌も充たしてくれる店


故郷に帰れず

仕事もうまくいかず

彼女とも別れてしまった青年

彼女が行きたがっていた「ハライ」


認知症になってしまった母

母が話す父との思い出のレストラン「ハライ」


幼馴染みのヨッちゃんと

久しぶりに会う

様変わりしたヨッちゃんを連れていきたい「ハライ」


ビデオの中の妹との思い出

そこから一歩を踏み出すための「ハライ」



赤信号を緑に変えてくれた

そんな彼女と約束する「ハライ」


失敗をにおいで感じる

そんな自分の能力。。

役に立たないと思っていた

でも、、



そんな人たちが

「足りない」ことを

充たす為に行くレストラン


同じ日に同じ時刻に居合わせた人たち

それぞれの胸の中にある思い


誰かの不在

それは哀しい事じゃない。


そこから一歩踏み出すための

勇気をくれる「ハライ」

そこから出ると

どんな人も心が晴れる


読み終わると幸せな気持ちになる物語でした


人生上手くいかないことの方が多いけど

でも

いつからでも変われる


そして

いい思い出はずっと心に残る


ハライはそれを教えてくれるレストランなんだなぁ


宮下さんの優しくて前を見据える佇まいが見えてくるような作品でした










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町田その子「52ヘルツのクジラたち」~大切な人の声が聴けなかった、、キナコの後悔がキャッチした52ヘルツの声☆~

2024-04-14 02:57:00 | 
町田その子「52ヘルツのクジラたち」読み終わりました。

今映画化もされているこの作品

ぜひ読んでみたいと思っていました。

でも

こういう話だったってことは知らなかった。

前情報なしで読んだので

52ヘルツの高音で歌うクジラの声

それは仲間には聞こえない。。

52ヘルツのクジラ

それは世界で一番孤独だと言われているクジラ



貴瑚(きこ)を魂の番だと見つけたアンさん

「キナコ」とあだ名をつけ

誰にも気づいてもらえなかった「助けて」の声を

聞いてくれたアンさん

アンさんに出会わなければ

キナコは死んでいた


親から虐待を受け

それを当たり前のように受け止めていたキナコ

自分の人生を諦めていたキナコに

アンさんは新しい自分の人生を与えてくれた

なのに、、

アンさんの心の声を聴くことができず、、

キナコは

アンさんを失ってしまう


アンさんの本当の姿

そして

本当の気持ち

それに気づくことができなかった。。


キナコの後悔。。


唯一キナコを可愛がってくれた祖母

祖母が亡くなって使わなくなった家

そこに移り住むキナコ

そこで

キナコが聴いた

52ヘルツの声


アンさんがキナコにしてくれたこと


今度はキナコがその少年の魂の番になる


声が出せない少年の心の声に

耳を傾けるキナコ


自分と少年がシンクロする


1人で誰ともかかわらず

静かに生きていくはずだった。

そんなキナコが

おせっかいな村中に出会い

助けられながら

少年を守るために紛争する


助けて欲しいのに

それさえも発信できずに諦めてしまう。。


そんな52ヘルツのクジラたちが

一体

どれほどこの世の中にいるんだろう?


そんなことを思った。


自分の子供なのに、、

それを愛せない親たち。。

そして

その親にも

そうできなくなった何かがある?

人は幸せを感じるために生まれるのではないのか?

苦しいだけの毎日

それがいつの間にか当たり前になる?

痛みを痛みと感じなくなる恐怖を感じた。。


魂の番

なんかいい言葉だなぁ~。

でも

それは並大抵ではできない。

命を守るために

自分の体を張り守り抜く!

それほどに誰かを守ることの

難しさを感じた


誰かが自分にしてくれたこと

それは

きっと受け継がれていくものなんだと思う。

見えているものばかりに気を取られていると、、

本当に大切なものを見失うのかもしれない。

よく耳を澄まし

アンテナを張って

心の声にも耳を傾ける。


なかなか難しことだけど

そうできたらいいなって思った


この作品に出会わせてくれてありがとう

と言いたくなる作品でした







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桜木紫乃「家族じまい」~それぞれの家族に対する思い☆家族ってなんだろう?~

2024-04-05 03:08:52 | 

桜木紫乃「家族じまい」読み終わりました。

タイトルに惹かれて図書館で借りて読んでみた。

「家族じまい」ってどういうこと?

って思って読んでみたら~

予想に反してすごーく深い内容だった。


なるほど~

そういう考え方もあるのか!と。

それぞれの家族に対する思い

それは

外からじゃ絶対にわからない。

その人の思いというものがある

いろんな家族の形があって

それがその人にとっては心地いいものだったりする。

いつも一緒にいることだけが家族なのか?

そんなことも考えさせられた


智代と両親との関係

陽紅が再婚する夫との関係

乃理が守ってきた夫婦関係

紀和が続けてきた父との関係

登美子が娘から切られた親子関係


それぞれが

自分の生き方を見つめなおすきっかけが訪れる。

家族を翻弄させる者

家族に振り回される者

でも

結局自分がどうするかは

自分で決めてやっていくしかない。

誰かのせい?

そうしたところで何も変わらないのかもしれない。


認知症のサトミを見ていると

自分の母と重なり

なんだか切ない気持ちになった。

なぜこんな病気になってしまうのか?

そう思ったところで

運命は変えられない。

サトミがそうなったことで

他人や家族の意識を変えていく

それがなんだか救われた気持ちになった


家族はこうだ!

なんて誰も決められない。

ある人から見たら「不幸」

そう思うことも

当人にとっては「幸せ」だったりするのかもしれない。

価値観は人それぞれ

自分がいいと思える人生を生きるしかないもんね






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