読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

薬丸岳「悪党」~真の悪党とは?姉を殺された弟は犯人の最期に対峙したとき・・~

2017-01-31 03:08:08 | 
薬丸岳「悪党」読み終わりました☆



薬丸さんの作品はいつも深く考えさせられます。



犯罪を犯した者・・



その家族・・



そして



被害者の家族・・





家族を殺された家族は



犯人をゆるすことができるのか





今回も



そこが最も要になっています。




犯人をゆるすため?



いや



ゆるすことなんて絶対にできない。。




だけど



少しでも



犯人の「更生した部分」




「ゆるせる部分」



・・が見つけられたなら。。






「ホープ探偵事務所」で調査員として働く



佐伯修一



修一は警察官だったが



ある事件をきっかけに懲戒免職になる。




犯人の口に銃口を入れた!!




しかし



その行為の裏には



姉を凌辱して殺されたという経緯があった。




そのことに苦しめられる佐伯




事務所の社長「木暮」に拾われ



調査員になった。




佐伯に課せられる調査の依頼



息子を殺された細谷



その犯人「坂上」の




「ゆるせる部分」



を探してほしい。



と。



しかし


坂上の調査をした佐伯の答えは



NOだった




その報告によって・・



細谷は坂上を襲ってしまう。



そして


坂上は半身不随に。。




坂上をだまして近づき



細谷に犯罪を犯させてしまった佐伯




そのことに悩む




そして



自分の姉を殺した犯人のゆくへをつかむ!!





主犯の男「榎木」は



死の淵にいた。。



余命いくばくもない榎木




その時



佐伯が思ったこと



「楽にはさせない」




どうしたら



姉のように



この世に未練を残しながら



絶望して死なせることができるのか



それを考える




そして



榎木の母親のむごい言葉を録音する




それを



臨終の間際に聞かせようとする佐伯




そんな自分は「悪党」だ



それでもいい



そして



ボイスレコーダーに指をかける佐伯。。







そして。。







佐伯の葛藤




犯人と対峙し




反省の言葉も聞けぬ苦しさ・・




心の焔を消すことができない佐伯





坂上がいった





「赦すことなどできないだろう。悪党はそのことを自覚してるんだ。

だから赦してもらおうなどという七面倒くさいことも考えないし求めないのさ。」



「死に際にでも、自分が奪ってきたものと失ってきたものを天秤にかけてみるさ。」





真の「悪党」とはそういうものなのか?





佐伯は反芻する





誰の中にも少しはもっている「悪」の部分




それを自分自身がわかっていて




その「悪」とどう対峙していくか?




そこが



「悪党」になるか否かの境目なのかもしれない。




自分のしたことに対しての「覚悟」を持てるかどうか?




最終的な敵は



自分自身なのかも





自分がその立場になったらどうするか?




難しいけど



想像してみる。



そのことが大切なのかもしれない。














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羽田圭介「隠し事」~彼女の携帯を夜中にこっそりチェック!その方法とは?~

2017-01-29 03:40:08 | 
羽田圭介「隠し事」読み終わりました☆


タイトルに興味を持って読んでみました。



最初は彼女の携帯を見てしまう「鈴木」のこと



ちょっと軽蔑してた。




だけど



読んでるうちに



その方法につい笑ってしまった。



そこまでしてやるんだぁ~!笑




鈴木には付き合って7年



同棲して2年の彼女「茉莉」がいる




ある日


家に帰ると茉莉は風呂に入っていた



そして


たまたま茉莉の携帯がメールの受診を告げる



その画面に目をやると・・



「渡辺健太」の文字が



渡辺は大学時代の鈴木の同級生で



鈴木とは卒業後音信不通



茉莉とも面識があり


茉莉からは就職後一度仕事で会った事は聞いていた。



しかし



その後会ったという話も聞いていない。



あの・・「渡辺健太」がなぜ?





茉莉と渡辺の関係を疑い出す鈴木




そして



鈴木は


ついに



茉莉の携帯をこっそり見る。




茉莉が寝付いてから


「レム睡眠」「ノンレム睡眠」の時間を計算し



寝る前に400mlの水を飲んでから寝る鈴木




ちょうど茉莉の睡眠の深い時間に尿意で目覚めるという仕組み





携帯のあまりの光の強さにアタフタ・・



布団の中にもぐりこみ



茉莉の動向を気にしながら



携帯を手に悪戦苦闘する




結局


「渡辺健太」の名前は見つけることができない。




鈴木は同僚の女子「小橋」にこのことを相談していた。



そして


あるとき


鈴木の携帯が受信転送設定になっていたことに気づく




茉莉も自分のことを疑っていた?!





お互いに「隠し事」を持つ2人の関係はどうなるのか?





女の立場から言わせてもらえば・・



鈴木の「元カノからもらった財布」だといって使っていること



「元カノといった店」といって茉莉を連れて行こうとするところ



↑そういうところがデリカシーがないと思いました。



まぁ茉莉が元カレと親しくメールしてるのも考え物だけど(^-^;




結局はお互いの気持ちを考えていなかった事



そこが問題なのかも。。






携帯というツールを通して



2人の思いが露見してくる。




見えてしまう・・



見えすぎてしまうこのツールには




「本当の気持ちは見えてこない





結局



人は


人と対面して



本心をぶつけあっていくしか



本当のことはわからないのかもしれないなぁ。




なんてことを思いました。




羽田さんの知識の広さに感心もしました。



睡眠のことや



記憶術のことも出てきて



ほんとに物知りなんですね~。





羽田さんの作品これからも少しずつ読んでいこうと思います













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桜木紫乃「ブルース」~6本指で生まれ背負った過酷な人生の最期は最高のブルース~

2017-01-27 05:21:14 | 
桜木紫乃「ブルース」読み終わりました☆



父親は元々いなかった・・


母親は男を変え


男に狂い


化粧水を飲んで自殺未遂


果ては精神病院へ入り


一生を終える。





トイレに生まれたばかりの赤ん坊が捨てられるのが



日常茶飯事というすさんだ長屋の暮らし




手足に1本ずつ余計に生まれ持った指があった「影山博人」




そして


中学生ですでに女を虜にするテクニックを身につけていた!!




女を虜にし



のし上がっていく博人




手荒な方法も使う



だけど


見捨てられた女には


手を差し伸べる優しさがある



見た目が不細工な女「まち子」を自分の妻にし



自分と血のつながらない「莉菜」を本当の娘のようにかわいがる




そして・・



莉菜が撮った




博人の後ろ姿




これが賞を取る




月と博人・・




背中が語る



博人の人生が月と融合した




そして


莉菜を守るため・・



博人は!!





最期もやっぱりブルース






莉菜が博人に見たもの・・



「余計な」指を切り落としたという博人



しかし


莉菜は思う


無駄なものをみにつけて生まれてくる人間なんているのだろうか?




そんな莉菜へ



父からブルースのプレゼントだったのかもしれない。





博人の中には最期



きっと素敵なブルースが流れていたのでは?




そんなことを思った。





泣いてる君はぶるーす



原田真二の「てぃーんずぶるーす」のフレーズが出てきて


思わずYouTubeで聴いてしまった私




本当の「ブルース」の意味が


これを読んではじめてわかった気がします。




それにしても



博人のテクニックってどんななんだろ?




想像もつきません。



当たり前か^^>













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梨沙「鍵屋甘味処改5~野良猫少女の卒業」~淀川とこずえの関係に進展!そこには父親という鍵が☆~

2017-01-23 03:38:13 | 
梨沙「鍵屋甘味処5~野良猫少女の卒業」読み終わりました☆


コレ予約して買っちゃいましたよ^^




待ってました




祖母の後を継ぎ鍵屋を一人で営む淀川嘉文 25歳



父親の反対を押し切り家を飛び出し



7年間音信不通になっていた。




そして


街で拾われ


淀川になついて・・


そして


恋をしてしまう


高校2年の遠野こずえ



週末には淀川の家に泊まり


鍵屋の仕事を手伝い


和菓子屋に来た人たちのお茶出しもこなす。



2人は静かないい関係を保っている。



しかし


こずえの中で


淀川の存在は



大きくなっていく




淀川のことが好きなのの


そのことが素直に伝えられずにいるこずえ



淀川も自分のことを憎からず思ってくれていることはわかるものの・・



鍵屋の隣の和菓子屋の娘で幼馴染の「祐雨子」と淀川の関係に



「2人は惹かれあってるのでは?」と悩み・・



自分に自信が持てずに胸を焦がす。



そんなこずえの前に現れる



淀川の高校時代の元カノ「未音(みね)」




それが新たな悩みの種に




お互いに惹かれあう淀川とこずえなのに・・



なかなか自分の気持ちを素直にぶつけられない。



淀川には「未音」というトラウマがあった。



それが障害になり



淀川は自分自身の気持ちが


よく分からないでもいた。




そんな2人が




急展開




それは


7年間音信不通だった


淀川と淀川の父「一嘉」2人の関係を



こずえが修復したことだった




淀川の父の心のカギを開けようと



必死になるこずえ



そんなこずえの姿に淀川も一歩を踏み出す




こずえに贈る指輪




そして・・



こずえの高校の卒業式後



淀川が口にしたのは






鍵屋甘味処改



最終章は



ハッピーエンド




言っちゃった~!笑





こずえの健気な愛情



淀川の引きずっていたトラウマが



こずえによって解消されていく



お互いがお互いを思いながら



陰で支える☆



こういうあたたかで静かな恋愛もいいもんだね




淀川の父が


淀川の仕事を反対しながらも


陰で応援していたこと☆



親の愛は



偉大




愛がいっぱい溢れてる作品だったなぁ





終わっちゃうのは残念だけど




心がほっこりするラストに大満足でした♪




この先の淀川とこずえを見ていきたい気もするけど・・




きっと2人はこれからも変わらず寄り添っていくんだろうなぁ















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村上春樹「女のいない男たち」~女が去ったことで自分自身を見つめる究極の孤独・・その時男たちは~

2017-01-21 03:52:31 | 
村上春樹「女のいない男たち」読み終わりました。



ずっとコレ読んでみたかったんだよね~。


なかなか読む機会が無くてやっと読むことができた^^



村上さんの作品は奥が深い。。



そして


私みたいな凡人は書いてあることの意味が



完全に理解できてはいない。。



そう思う。



そう思うけど


読まずにはいられない。



考えずにはいられない。



そういう魅力があるんです*^^*




この作品の中で



私が感じ取ったものは





「究極の孤独」





その自分自身の孤独に



気付かずに



自分を追い詰めていく者たち。




「寂しい」


「悲しい」


「弱い」



そういう部分って


誰にでもあるけど



そういう部分は


人にはなかなか見せることができない。



それで


自分自身も



「ないことにしちゃえ~」って



自分自身を無意識にコントロールしてるのかもしれない。




でも


その自分の孤独に気づいたときに



自分自身が自分とどう向き合うか?




そういうことなんだと思う。




それは


自分が持っているもの



そして


持っていないもの



それによっても変わってくる。




いろんなものに恵まれていた

「渡会医師」


だからこそ


気付かなかった。



自分自身が


それをなくしたときに



初めて気づく。



う~ん・・


気付くというか


無意識に


自分をなくしていくことで



自分を救おうとしていた?




「普通」ってなんだろう?


他人から見た


自分の「普通」は普通じゃないのかもしれない。




その人自身にもわからない自分のこと。




それが他人に理解されるのは難しいことだ。




「自分が何者であるか」


自分自身でもなかなか答えは出ないものだし。






木野の前に現れた「神田(カミタ)」




それは木野が自分自身を救うために作り出した幻なのかも?



そんなことも思った。




妻の浮気現場を目撃し



それについて深く考えず・・



悲しい気持ちを封印してしまった木野




それに


カミタは気づかせるために現れた?




「孤独」になり


自分をしっかり見つめて



その感情を出す!




それが木野には必要なことだと。





女が去る・・



そして



悲しみがくる。。



孤独になる。




そんな



究極の孤独



必要だった。




それを乗り越えたとき



人は前に進めるのかもしれないなぁ。





・・・と



私には感じられました。



きっと


これを読む読み手によっても



見解は違ってくるのだと思います。




1つの作品が


読み手によって変化する。




それも村上さんの魅力なのかもしれません。



なんて


私が言うのもおこがましいけど^^











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