読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

杉井光「世界でいちばん透きとおった物語」~今まで透明にして来た父が燈真に残した「透きとおった物語」とは?~

2024-09-29 03:27:55 | 
杉井光「世界でいちばん透きとおった物語」読み終わりました。

いつか読んでみたいと思いながら

なかなか読む機会がなかったこの物語

やっと読むことができました。


なるほど~

「透きとおった」というのはそういうことだったんだぁ~


と読み終わって納得した


藤阪燈真は

18歳で母を事故で亡くす。

母子家庭で

父には会ったことがなく

認知もされていない。


母はどうしても燈真を産みたくて

妻子ある父に迷惑をかけない約束で

燈真を産んだ。

父は名の通った作家「宮内彰吾」

あちこちに愛人を作る

私生活での評判は悪かった。


母の死後

書店のバイトをしながら

なんとか生計を立て

なんとなく日々をより過ごしていた燈真の元に

宮内彰吾の息子が現れる。


宮内彰吾が癌で亡くなり

その遺作を探しているという。

燈真を腹違いの兄弟と知っていた「朋晃」

第一印象最悪

そんな兄から依頼されたのは

父の形見分けを理由に愛人たちから話を聞き

父の「世界でいちばん透きとおった物語」という題名の

遺作を探すというものだった


父に興味のなかった燈真

父の作品も読んだ事が無かった。

そんな燈真が

透明にしてきた父。。

しかし

お金のため

という名目の元それを引き受ける。


そこから

燈真は父のことを知っていくことになる。


その背中を押してくれたのは

母と懇意にしていた編集者の「霧子」だった。


霧子に絶大な信頼を置く燈真

霧子が父の遺作を探す手伝いをしてくれる。


知れば知るほど

父が

思っていた「屑」という印象が変わっていく。


遺作なんてどうでもよかった。

自分に何も遺してくれなかった

そんな父の空っぽの像の中に

流し込む何かが見つかるんじゃないか?

それを読んで

父をはっきりと嫌ったり軽蔑したり

できるようになりたい。

そう燈真は思っていた。


調査の過程を霧子に話す燈真

霧子は編集者の視点で

父が考えていたことを推測していく。

手製の大きな紙の原稿用紙

そこに書かれた不自然な文字

そして

燈真の目の後遺症


それらが繋がっていく


そして

その遺作には

燈真が予想もしていなかった

父の燈真への思いが込められていた


霧子が解き明かす

遺作の謎。。

それを聞き霧子に憎悪さえ感じる燈真

そして、、

意外な結末


読み終わると

温かい気持ちになれる

そんな作品でした


とにかく

霧子の推察力がすごかった!

もしかして~

霧子は何もかも知っていて

演じていただけかも?

なんて思ってしまったりする


そして

燈真の父への複雑な思い。。

何も感じてないと思い込もうとしていた。

そんな風に思ってしまう。

でも

父親のことを知りたくない子供なんて

きっといない。

父を憎みたい気持ち。。

その理由を探したい気持ち。。


結局

子供にとって親は

大きな存在だってことなんだろうな。


自分が生まれてきたルーツなんだしね






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佐藤青南「眠れる森の殺人者」~誘拐事件を追う桜子と音喜多!犯人は桜子の父の子?!~

2024-09-07 03:37:19 | 
佐藤青南「眠れる森の殺人者」読み終わりました。

絶対音感を持ち

相貌失認症

音楽隊希望だったのに

なぜか刑事になってしまった鳴海桜子

そして

捜査一課の刑事 音喜多玄

最初に会ったときは

桜子の面倒をなんで見なければならないのかと

足かせに感じていた音喜多

しかし

バディを組んで捜査をするうちに

なぜ桜子が刑事に呼ばれたのかが

わかってくる


相貌失認症で音喜多を見失う桜子のために

目印の帽子を身に着けるようになる


そんな名コンビの4作目


今回も桜子の推理が冴える

小学校5年生の樫本皐月が誘拐される。

しかし

身代金要求もなく犯人に狙いがわからない。。

防犯カメラに男についていく皐月が映っていた。


バイオリンの才能を持つ皐月

犯人の狙いはバイオリンの才能


男を追っていくうちに

母親が桜子の父と付き合いがあったとわかっていく。

この男が

桜子の兄弟


25年ぶりに父に会う桜子


世界的指揮者の薬丸昭治を目の前にして

激高する桜子


父のいい加減さをののしる桜子に

音喜多もまた責められている思いが

音喜多の過去の失敗。。


嫌な父親を薬丸が演じているのでは?

そう考える音喜多は思っていた。


薬丸と犯人の母のつながり

それは父親になるような関係ではないことがわかる。


桜子は父親に対して

25年ぶりに会った感想を音喜多に語る。


血は繋がっていても家族ではない。

期待もしないし失望もしない。

果たしてそれが桜子の本心なのか


事件は意外な顛末を迎える


森に迷い込む桜子と音喜多


そして


桜子の閃きが


犯人と自分の共通点


桜子は今回も大活躍


音喜多と一緒なら

桜子の力は2倍にも3倍にもなる気がする


お互いに信頼する気持ちが

事件を無事に解決


音楽の才能を持ち

でも音楽とは違う形でその才能は発揮される


そういうことがあってもいいんじゃないかな


刑事・櫻子の活躍に今後も期待

そして

音喜多とのコンビにも期待しています






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