読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

天野節子「氷の華」~氷で閉じ込めた本心☆それを守るためなら手段を選ばない恭子に刑事の執念が迫る!

2018-04-29 03:39:01 | 
天野節子「氷の華」読み終わりました。


コレ読んでみたかったんだよね~。



この作品は天野さんのデビュー作だそうなので^^




いや~


それにしても・・


この複雑なお話をよく考えられたなぁと感心してしまいました。




プロローグで登場する


雨の中を傘を差さずに帰る老人


「加賀作次郎」


この人が・・


どうなってくんだろう?



まずはそこにグッと引き付けられた。



それが・・


まさか!


あんな形でつながってくるとは!!



想像もつかなかった展開に驚きました(゚д゚)!




ストーリーの展開が・・


いろんなところに張られた伏線が・・



スゴイ!



最後まで読者を引き付けて離さない!



「えっ?どうなっていくの?」



一度終焉を迎えたように見せかけて・・


そうくるかいっ!


・・・といい意味で裏切ってくれる^^



天野さんの技を



これでもかっ!



・・・って見せつけられた感じです。





瀬野恭子のもとにかかってくる


1本の電話



それは・・



恭子のもっとも触れられたくない



不妊を刺激する!




夫の隆之と電話の女「関口真弓」の間に・・



子供ができた?!



送られてきた


母子手帳には



隆之の筆跡で書かれた名前と女の名前が



激昂する恭子




隆之は恭子と離婚して女と一緒になる?




恭子の思考は


女への殺意に向かってく。



隆之はシンガポールへ出張中



隆之のキーケースから女の部屋の鍵を見つけ・・




家の倉庫の農薬を使い



女を




鉄のアリバイ



・・・と思っていた恭子



しかし!



担当した戸田刑事の執念が


そのアリバイを崩していく。





恭子が真弓の部屋で見つけた



隆之と真弓が写る写真立て



そして



引き出しに入った母子手帳



それは遺してきたはずなのに・・



警察はそれを見つけていない。





隆之の会社の引き出しから見つかる写真から



真弓との関係を知る戸田




しかし・・



2人が付き合っていた痕跡が見たらない部屋




そこからその付き合いに不信を抱く



隆之にはアリバイがあり



真弓との関係を認めた隆之から・・



妻の恭子を疑う戸田





高飛車で人を寄せ付けない恭子のオーラ




ほころびを追求しようとする戸田に



恭子は屈せず



「何か」を守ろうとしていた




そして・・



恭子は自分に終焉が訪れることを悟る




逮捕




あっけなく認めた恭子に




戸田は違和感を持つ





何かを隠している




そして・・



その「何か」を隠すため



恭子の命に幕を引く





隆之と真弓の関係・・



そして



電話をしてきた女と真弓は同一人物ではない?




隆之と出会ったころ・・



恭子がしてしまったことが



今回の事件を生んでしまった




中学生で両親を亡くし


叔父に引き取られ


金銭的には恵まれた恭子



しかし・・



心をゆるせる者は



一人もいなかった。



自分の本心を



氷の華で隠し続けなければならなかった恭子




それは・・



どんなに孤独な闘いだったんだろう?




その心中を思うと



苦しくなる



美人で気高く



でも心にはいつも



冷たいものを抱えていたんだろうなぁ。。




お金では決して手に入らないもの。。



恭子が欲して止まなかったもの。



それがもしあったなら・・



変わっていたんだろうか













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辻村深月「クローバーナイト」~クローバーナイト裕は家族のピンチを体を張って守る☆

2018-04-23 02:21:15 | 
辻村深月「クローバーナイト」読み終わりました。



私・・


このタイトルだけを見て



「ナイト」って



「夜」って意味だと思ってました



だけど


読んでいったら・・




4人家族の平和を守る「騎士」




・・・って意味だった





鶴峯裕は会計事務所に勤める「公認会計士」



そして



妻「志保」は自営の肌着ブランドの社長




長女「莉枝未」は4歳


長男「琉大」は2歳



子供たちは保育園に通う




裕は志保と協力しながら子供たちの送り迎えや



その他育児全般にかかわる



イクメン




そして



イケダン(イケてる旦那さん)




↑と保育園のママたちに言われている。






裕たち家族が関わる保育園のママや



学生時代の友達




それぞれの



悩みを一緒に考えて解決に導く手伝いをする




保育園入園に当たり悩む人・・




お受験準備幼稚園の中で悩む人・・




お誕生会が怖くなった人




そして



志保の母の



「心配」という名の



志保に向けられる狂気



裕はそれから志保を守ろうと戦う




母を尊敬し大好きな志保



大好きなのに・・



一番信頼してほしいときに



母の「正しい言葉」は志保を痛めつける



大好きなのに・・



嫌いになりたくないのに・・




家族だから遠慮のない言葉・・



心に土足で踏み込んでくる行為・・




そんな辛さの中にいた志保を



裕は助け出す





「申し訳ないですが、琉大のことは、僕と志保にもう任せて下さい。


 琉大の母親は志保です。志保の決めたことにしか、僕は大切な息子を託せません。」





琉大の言葉の遅れにいろいろ言い募っていた母に



毅然と言った裕




怯む母



裕の言葉が志保を救った。





裕と志保のしっかりとつながれた手には


恋人同士の頃とは明らかに違う


もっと深いもので結ばれた絆ができていた




他人同士が夫婦になり



生まれた子供たちが加わり家族になる。




自分が生まれた親から離れ



新たな家族を作る




巣立った子供にもう親は口出ししてはいけないんだよね。




親は見守り・・



そして



子供が困った時だけ



手助けする。




それでいいんだよね。




自分の経験からもそのことがこれを読んで心に沁みた




それにしても・・



保育園に入れることが



こんなに大変なことだなんて。。



子供を産む前は知らないことばかりだよね~。




幼稚園のお誕生会の話にもΣ(゚Д゚)



ホントにそんな幼稚園が存在するのかな??



自分の知らない世界がまだまだあるんだなぁ~




いろいろ勉強になりました




人生の前半は親につぶされ、後半は子供につぶされる



・・・その言葉が身につまされた





















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薬丸岳「ガーディアン」~自分たちの身を守るための自警団を結成した生徒たち?教師をも操る者たちとは?

2018-04-21 03:12:53 | 
薬丸岳「ガーディアン」読み終わりました。


「ガーディアン」って何?



・・・って思って読み始めたんだけど




保護者・後見人・守護という意味があるらしい




英語教師の秋葉は



石原中に赴任してきたばかり。



3Cの担任でもある。




他校と比べると



ここは平和な学校に見える。



しかし!


何かがおかしい。




そう感じる秋葉。




いわゆる反抗的な「不良」がいない。




そして



秋葉は



長期不登校になっている「八巻」に疑問を持つ。




八巻に関して他の教師たちは歯切れが悪く



それほど真剣に登校させようと考えていない向きがあるような。。




秋葉が顧問を受け持つ演劇部に入部した1年



いつもひょうきんで明るい日下部が



ある日から体調不良を理由に不登校になる。




日下部に何が?!




同じく1年で演劇部に入部した大山



子役で活躍していた大山は家庭の事情で


芸能活動を辞めた?



しかし・・



その裏には



大山の弱みを握る何かが?!





秋葉はある保護者から



「ガーディアン」と言う名を聞かされる。




子供の携帯を勝手にみたことで



その名が。。



一体「ガーディアン」とは何なのか?




秋葉は調査する。。




そして



教師の蓮見から聞いた「自警団」のようなもの?




生徒たちは



自分たちを守るために



「異物」を排除する




八巻はそうだったのか?




そして


浮かび上がっていく・・




八巻がしてきた「悪行」




そして



そのターゲットにされた生徒




ガーディアンに迫っていく秋葉は・・



ガーディアンによって・・



学校から排除されようとする





中学の時の



鬼教師だったけど



生徒のことを一番に考えてくれた「平沢」




平沢に憧れて中学の教師になった秋葉




しかし・・




もうそういう教師など通用しない




今はそう言う時代なのか?




生徒を救えない。。



生徒が教師に助けを求めることを諦め・・



自分たちでそういう者たちに制裁を加え



護っていかなければならないのか?




生徒にとって



もう教師は頼りにならない存在なのか?!




秋葉は悩む。。




それでも・・



ガーディアンに負けたくないと思う秋葉は





何かを変えるには一人ではなかなかできない。




集団になれば



立ち向かっていくことができる。




でも



人を変えられるのは



決して




力で押さえつけることじゃない




本当に必要なのは・・



自分のことを本気で考えてくれる



教師や




顔の見える友達




そんな人の



かけてくれる




温かい言葉



それで人は



強くなれたりする。




正体のわからない正義の味方なんかじゃない!




教師にできることは限られているけど・・



どんなことがあっても



ずっと見守り寄り添える



そんな教師でいたいと秋葉は思う。






心を許せるもの・・



それはそんなに多くない



だけど



たった一つその大切な何かがあれば



人は頑張れるのかもしれない




そんなことを思った作品でした















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湊かなえ「ポイズンドーター・ホーリーマザー」~娘にとって「毒母」でも他人から見たら「聖母」?~

2018-04-19 02:19:06 | 
湊かなえ「ポイズンドーター・ホーリーマザー」読み終わりました。


タイトルすごいよねっ!笑



「毒娘」に「聖母」って




これを読んで自分のことに重ねてしまったよ。




今思うと・・



母にはきっと「娘」に対しての



「期待」と「理想」があったんだろうなぁ~って。




でも


私は


勉強はできなかったし・・



行動はとろいし・・




だから



いつも叱られていた。



私は


「ダメな子」なんだって思っていた。




母にとって私は



きっとイライラする子だったんだと思う。




「バカ」「のろま」と言い続けられ・・




でもそう言い続けられた子は



ますます自分に自信がなくなって・・



母の理想とは程遠い子人になっていく。




いつも母の顔色を見て・・


母に怒られないように。。



母の機嫌を取ろうとする。




本当はこんなこと嫌なのに・・



でも母に言われると断ることのできない自分。




弟の面倒も・・


「お姉ちゃんなんだから」と言われたら見なきゃならない。。




なんで弟は怒られず・・


私だけいつもいつも怒られてガマンしなきゃいけないの?



母は私が嫌いなんだって・・



ずっと思ってた。




だから



淑子の気持ちが分かる




明日実の気持ちが分かる



弓香の気持ちが分かる




でも・・



だからと言って・・



この娘たちの母親が



「毒母」なんだろうか




・・・というと・・



そうとも言い切れない。




娘には「毒母」と映っていても・・



他人から見たら




聖母




そういうこともあるのかもしれない。




躾に厳しく



他人に優しく




そして・・




自分の辛かった人生を



娘には味合わせたくない!




そんな親心?




だから思う。




どちらとも言えるのだと。





娘から見たら



母の呪縛でがんじがらめにされてしまう



「毒」




でも



その「毒」




いい効き目をもらたらすのか?



悪い作用をしてしまうのか?




結局は



自分次第なのかも。。





薬は


飲み方次第で




毒にも薬にもなるのだから




呪縛から逃れるのは大変だ。




私も無意識に母の呪縛が現れることがある。



大人になった今でも。




母を反面教師に。。



そうしてきたつもりでも・・




気付けば



母と同じようなことをしてる自分に。。




母にとって私は



「毒娘」なのだろうか?



私にとって・・



母は?




答えなんて出るのかな?





母の思いと・・




娘の思い・・




その時のその人にしかわからない気持ち。。





娘の立場で・・



母の立場で・・



いろんな立場で読んで考えて見るといい作品だと思います。





湊さんはこんな経験をされたのだろうか?



ふとそんなことを思った^^












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天野節子「烙印」~400年前の祖先の恋物語が現在の殺人事件につながる悲劇?!~

2018-04-15 04:05:18 | 
天野節子「烙印」読み終わりました。



読み始めは



すごーく昔のお話のようで・・



そういう話なのかなって思っていた。



沈没して難破した船に乗っていた



スペイン人「ニック」と



たどり着いた浜の娘「ミヅキ」が



恋に落ちる




その結果が・・




400年の時を超え殺人事件と結びついていく




こんな壮絶なお話をよく考えたと



ひたすら天野さんに感服いたしました^^





養父市の畑から発見された白骨体は



30年前のものだと推定された。




そして



東京では



公園で縊死体が発見される。




縊死体で発見された「久保田」は



自殺なのか?



しかし


久保田の足取りを追う戸田刑事と河合刑事は



久保田が散髪をしていたことを知る。



そして



自殺説は崩れていく。



60代の久保田が持っているには釣り合わない



ファッション雑誌「麗麗」



そこに隠されていた



久保田とカメラマン「鈴木太郎」との接点を見つけていく。




そして



養父で発見された白骨体




久保田がなぜ殺されなければならなかったのかという



理由




コレが結びついていく。




ずーっと潜んで現れなかった



隔世遺伝はありうるのか



そのことによって不貞を疑わる妻



夫との仲が崩壊する。。



哀しい悲劇



そして



そこに付け込む



許せない男



久保田




カメラマンの鈴木太郎に久保田の殺人容疑がかかる!




そこには・・



400年の時を超えた



ニックとミヅキの恋物語が絡んでいた




最後の最後まで先の読めない展開。。



手に汗握ること間違いなし!





白骨体に興味を持ち


個人的に調べる近藤刑事



そして


久保田の自殺に疑いを持ち調べる戸田刑事と河合刑事



そして



400年前の恋物語に行きつかせてくれた


鑑識の小島




刑事たちの執念と



鑑識の興味が・・



事件を解決していく



壮大なストーリーに



頭の中も開けた感じです




鈴木太郎の長年抱えていた秘密




そのからくりが分かった時



すごーくスッキリした




自分がもし・・




隔世遺伝を受け継いでしまったら?




いろんな想像をめぐらせてしまった。




あなたもこの壮大なストーリー体験してみませんか









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