読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

村山仁志「事件記者 星乃さやかの涙」~泣き上戸のさやかが遭遇する事件!その涙が人の心を動かす☆

2020-11-29 02:51:35 | 
村山仁志「事件記者 星乃さやかの涙」読み終わりました。


TRNラジオの報道記者「星乃さやか」


見た目はきつい印象に見えるが・・


人の気持ちに同調して

涙が止まらなくなる!


・・・という泣き上戸



そうなってしまったのには


理由が。。


4年前恋人の「輝也」を死なせてしまったのは


自分のせいだと自身を責め続けている。


PTSDによるもの。


さやかには

「アオスジアゲハ」の姿が見えてしまう



それは輝也に対しての自責の念だった。。



そんなさやかに寄り添ってくれる。


同級生の潤太郎


未だに敬語使いだが


それは彼の個性とも言える。


輝也とさやかの良き理解者でもあった。



そんな潤太郎が・・


まさか!



そんなラストに向かって物語は加速していきます




さやかが出会う老婦人の「澄子」


孫からの電話でお金を振り込みに行く途中


飛び出してきた澄子をさやかが車でぶつかりそうに!


話をよく聞けば・・


「振り込め詐欺」では?


澄子に言い聞かせ交番に届けることに。


しかし!


その振り込め詐欺の犯人は


本当の孫だった?!


澄子はさやかの住むアパートの大家さんだった!!



そんな始まり


叔父の古賀刑事も巻き込み


澄子とさやかは大ピンチに!!


輝也から譲り受けた4WDの車が・・


崖に転落



澄子と孫の気持ちの行き違い。。


それが事件の原因になっていた




そしてその後起こる


爆破予告事件


ここでは女子高生と友人になってしまうさやか



相手が引くぐらいの


涙で同調してしまうさやか


そのさやかの涙が


人の心を動かす



2つの事件


そこには大麻が絡んでいた。


大麻を買った「背の高い男」


その正体とは?



さやかが涙とともに誘われる事件


そこに隠されたものとは??



人の心を動かすのは


上面のやさしさではなく


本当の思いなんだよね



テレビとはまた違うラジオの役目も

これを読んで知る事ができました。


年の離れた澄子や茜と


友達になれてしまう


見た目と中身のギャップがさやかの魅力



さやかが悲しい涙ではなく


喜びの涙をたくさん流せたらいいね



そんなことを思いました。


同じものを見ても


人の視点はそれぞれなんだってこと


それも感じた作品でした









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鏑木連「見えない轍」~心療内科医「慶太郎」は患者のために探偵になる!ガッツポーズの女性の死の真相とは?!

2020-11-27 02:42:10 | 


鏑木連「見えない轍」読み終わりました。


心療内科医が患者のために探偵になるって

今までなかった!


これは面白かった。


・・というか


感動しました。


患者のためにここまでできるのかって



心療内科医ならではの視点で


事件の真相を明らかいにしていく



心理学の勉強にもなりました。


人はこういうとき


こんな行動をとってしまうのか


自分も人からそう見られていたりするのかなって。


なんかこれから意識しそう~っ


まぁ心理学の心得がある人が


何人いるかって言う話になっちゃうけどね



本宮慶太郎のもとに治療に訪れた


「春来」


母親に連れられてきた女子高生の彼女は


ある出来事から食事ができなくなってしまう。


母親が心配して受診することになった。


春来の話から


食事が取れなくなったきっかけは


ある女性の死だった。


直接会ったことはなかったけれど


電車から見るその女性は


春来に勇気をくれたかけがえのない人だった



通学の電車の中から


田んぼの中にいつもいて


電車を見ていたその女性「小倉由那」



由那が自殺したことを新聞の写真で知る。


顔は不鮮明だったものの

由那がつけていたエプロンで

間違いないと確信する。


由那が自殺した日


春来が電車から見た由那は


手を振ってガッツポーズをしてくれた


という。


そんな人が自殺なんてするわけないと。


春来は生まれつき左足が少し不自由で


大好きなダンスをやるかどうか悩んでいた。


そんな時に由那がくれたガッツポーズで


ダンスをやることを決心したという。


そんな人が自殺なんて。。



そんな春来をなんとか治療しようと


由那の死の真相を調べることになる慶太郎


知り合いの記者に周辺を探ってもらう。


すると・・


自殺にしては不自然なことが。


確実に死ねる「毒」を使っていない事


遺書と思われる文面の不自然さ。。


疑問を持つ慶太郎


由那が書き残した文面の


その中にある


由那の本心を慶太郎は見抜いていく



由那が尊敬していた同じ職場の先輩「真理子」


そして


経営不振だった「ハッピー・ショッピー」を


立て直すために専務と由那と真理子が


していた秘密裡のこと



由那と真理子の本当の夢とは



そこを探ることで


真実が見えてくる


由那は自殺か?


それとも


何者かに殺されたのか??


由那をストーカーしていた男が



幾重にも張られた事件への伏線・・


それが読者をくぎ付けにする



食品ロス


命をいただいている


そういう無頓着になりがちなところを


思い出させて問題提起してくれている。


そんなこともあらためて戒めになりました。


由那の何気ない行動が


人を動かしていたということに


そういうこともあるんだなぁ。


そんな感動を覚えました。


34年の一生


その中で精いっぱい真っすぐに生きた女性


その姿に



そして


ひとりの患者を救うため


迷わず行動する慶太郎にも



私もそんな風に誰かのために動ける人になれたらなぁ。



そんなことを思えた作品でした








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鏑木蓮「残心」~ルポライターが遭遇した老々介護無理心中。その現場で冬美は綻びを見つけてしまう!

2020-11-22 03:07:47 | 

鏑木連「残心」読み終わりました。


なんとも深い内容でした。


最近よく取り上げられる「老老介護」


それの


先行きの見えない中


日々生きて行かなきゃいけないその心情


それはきっと経験した人にしかわからないのだろう。




老老介護をする家庭に


訪問診療をするに医師の紹介で


ルポライターの杉作は取材させてもらうことになる。



そして


2度目の訪問の時・・


無理心中の現場に遭遇していまう



しかし!


杉作を尊敬していた地元情報誌の記者「国吉冬美」は


その現場で


その綻びを発見してしまう



妻の世話をし


自分も年老い


そして


その住まいも取り壊しが決まり


次の行き先も決まらない。。


そんな八方ふさがりの状態


そんな孝造の心情を


杉作は慮る。



老人を死に追いやった絶望


そして


国の制度までを糾弾する。



その現場の第一発見者として


そして


取材をし、その死をむだにしないために


メディアへ出て語る杉作



でも・・


何かが違う。。



杉作の取材の手伝いをすることになった冬美は


一度見たら忘れない右脳記憶という特技を持つ


それを使ってスケッチする。


その現場になくてはならないもの・・


その存在を追ううちに


違和感を持つようになる。



遺書もなく


心中と決めつける決定的なものはない。



孝造が残したメッセージ・・


それを冬美は


見つけていく



妻よりも1日でも長く生きたい



それは


妻の寝巻の帯から出てくる白い粉



本当の正義とは何か?


他人からは


どう見ても不幸


早く楽にしてあげた方が・・


そう思えることもあるだろう。


でも


本当のことは


その本人にしかわからない。



それを私たちは忘れてはいけないんじゃないだろうか。


自分の勝手な価値観


そんなもので推し量ってはいけないものが


この世の中にはたくさんあるってことを。



自分にもいつか迫ってくる問題



そして誰にでもかかわってくる「老い」


それとどう向き合っていくか



それを深く考えさせられた作品でした











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山口恵以子「婚活食堂4」~4人の女を侍らすIT企業の独身社長その真実は意外なものだった!!

2020-11-15 03:43:03 | 

山口恵以子「婚活食堂4」読み終わりました。


シリーズ4作目の今回は


めぐみ食堂の女将であり


元人気占い師である「恵」が


店の新たな常連となる


「藤原海斗」


このIT企業の社長と


海斗に気があると思われる4人の女性たち


この関係の渦に巻き込まれてしまう



しかし・・



海斗に恋愛感情を持っていると思われた


女性たち


なぜか占い師


「レディ・ムーンライト」の目で見てみれば


愛情ではない黒いものが見えてくる



一体


これは何なのか



一方


4人の女性の好意を感じながら


4人を競わせるような真似をする海斗を


恵は許せないと思った。



しかし!


恵を元占い師と見込んで


海斗から相談を受ける恵



そして・・


海斗の本心を見ることになる



今回は


カップル誕生とはいかないものの


レディ・ムーンライトの力が


女性たちを救う



最初女性たちの反感を買っていた恵


しかし


最後には恵を慕うようになる



人の悩みはそれぞれ違う


そして


恋愛感情だと思っていたものが


実は真実を隠すためのものだったり。。



愛情の対象が違っていたり。。



様々な悩みを持つ女性たちの力になる恵



今回は恵の恩人でもある真行寺の役にも立つ



高級牛タンの真行寺からのプレゼントで


めぐみ食堂はにぎわうことに



婚活食堂と言われる


めぐみ食堂


めぐみ食堂でカップルになったお客さんたちが


今日もめぐみ食堂に花を添える



前のような力はなくなってしまった恵だけど


人の悩みを見抜き人を救うことができる


師である「與」の教えを


ちゃんと引き継いでいると言えるのではないだろうか



おいしいものを求めてくるお客さんたち


今回も行った気分になって


おいしいものを堪能しました。


牛タンのおでん食べてみたいなぁ



巻末にはめぐみ食堂で出されていたメニューのレシピが


1冊で2倍楽しめるってお得だよね



そこここに


著者の山口さんの優しさが詰まっていて


ほっこりさせられるんだよなぁ


あなたもめぐみ食堂におこしやす~








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真保祐一「ダブル・フォールト」~新米弁護士がボス弁の忠告を無視し真実を追う?!ミスしたボールの行方は?

2020-11-13 02:50:58 | 

真保祐一「ダブル・フォールト」読み終わりました。


ダブル・フォールトの意味は

テニスでサーブを続けてミスしてしまうことだとか。


これを読んだ後に調べました^^


新米弁護士が


尊敬していたはずのボス弁


「高階」の忠告を無視し・・


真実を追求してしまう。



弁護士の使命は


依頼人を護ること


しかし!


本条は依頼人である被疑者のことが

信じられないでいた。


なぜか感じる違和感


本当のことを話しているようで・・


何かを隠しているような。。


決定的な証拠はない。


でも・・


何かがおかしい。。



被疑者の「戸三田」は


被害者「成瀬」に脅され


そこにたまたまあったペーパーナイフで


刺してしまい


結果死に至らしめてしまう。


しかし・・


その後出頭し自首するまでに


空白の時間があった。



そこに違和感を覚える本条



被疑者の弁護を任される本条



違和感を持ちながら


それでもなんとか全力を尽くそうと努力する。


しかし


その「違和感」ゆえに


踏み込んだ弁護ができないでいた。



始まる裁判


そして


被害者の成瀬の悪が暴かれていく。。



そして


被害者の娘「香菜」は


被疑者の弁護人である本条に


嫌がらせをするようになる。



自分の父親はそんな悪人ではない


なぜ


被害者なのにこんなにも傷つけられなければならないのか?


と。



本条は理不尽な嫌がらせに


香菜を疎ましく思っていた。



しかし!


いつの間にか香菜と関わるうちに


同情がわく。



そして


ついに・・


本条は香菜と真実を探すことになる




弁護士の果たすべき仕事


それをボス弁の高階に諭され


先輩弁護士にも叱咤される。



しかし


真実を追求することをやめられなくなった本条



そこに待っていたのは・・


掘り出してはいけない真実だった



傷ついていく香菜を守りたい!



そう思ってしまう本条



それは


新人時代の高階の姿でもあった



弁護士が果たさなければならない使命



そして


弁護士の現実の苦しい心情と生活苦



それを見た気がした



苦しくてもやり続けるためには


やっぱりお金や地位だけでなく


心から湧いてくる


この人を護りたい!尽くしたい!


そういう気持ちなんじゃないかと思ってしまった。



本条に言う


高階の言葉が


人の上に立って未熟な者を育てる人は


こうでなくてはいけないんだよなぁ。


そんなことを思わせた。



厳しさ


そして


それだけでない優しさが


人を育てていく。



ミスしても


その後どう生きていくかが大事


なんだよね。



被害者や被疑者の家族の厳しい現実。。



自分が犯した罪ではないのに


何もかもを失くしてしまう。。


本当に何と言ったらいいか。。



家族を苦しめないためにも


自分自身がしっかり生きて行かなきゃいけないな。



そんなことも思った。


今日もたくさんの弁護士


そして


被疑者や被害者の家族


そんな人たちが戦ってる



そんなことを教えてくれた1冊です












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