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谷瑞恵「あかずの扉の鍵貸します」~どこにも見えない金木犀の香り風彦に惹かれていく朔実☆金木犀の行くへは?~

2024-06-30 02:55:10 | 

谷瑞恵「あかずの扉の鍵貸します」読み終わりました。

前から気になっていたこの作品

図書館で借りてやっと読めました


谷さんの優しさがいっぱいの作品でした


育ての親で遠縁の不二代の死が近づいていた。

そんな時

朔実は不二代から

「あかずの間がほしい」

と言われる。

そして

渡される一枚の名刺

「神堂風彦」(しんどう かざひこ)

この人に頼んで欲しいのだと。

一級建築士の肩書がある

この人が設計してくれるのか?


よくわからないまま

朔実は風彦を訪ねる。


北鎌倉にある風彦の家は

ホラー映画にでも出てきそうな

錆びついて傾いた門

塔のような六角形の部分が不規則に張り出し

いびつな巨大な節々か

フジツボが張り付いた岩をおもわせる。

木々に覆われたその不気味な館

そこから現れた風彦は

ひょうろりと細長く

クラシカルなシャツにスーツ

髪をきちんと分けた30代前半ぐらい


不二代と風彦はどんな関係なのか?


不二代の依頼を風彦は

快く引き受けてくれる。


まずはあかずの間に不二代が何を入れたいのか?

それを探すことから始まる。


そして

子供がいなかったはずの不二代に

息子がいるという?


そして

不二代のあかずの間に入れたかったものは

その

息子に関係するものだった


知らなかった不二代のことが

段々明らかになる。


そして

朔実はあかずの間のに惹かれていく自分に気付いていく


そして

風彦の住む館の住人になる


金木犀の香り


それにも惹かれる朔実


香りはするのに


木は見当たらない。。


館に住むあかずの間を借りる住人達


それぞれに事情があり


そして

そこでの暮らしが大切だった


朔実は

薄気味悪いと思っていたその館にどんどん惹かれ


そして

風彦の仕事の手伝いをするようになり

自分も建築の仕事がしたいと思うようになる。


そして

風彦にもどんどん惹かれていく


自分のことをどう思ってくれているのか?

よくわからない風彦に

自分から気持ちを伝える朔実


それに風彦はどう応える



「あかずの扉に入れるものは、誰にも知られたくない秘密であって

 だけど、いつか、誰かに伝えたいものでもあるんでしょうか」


風彦の言葉


謎が解けていく過程を

読者は楽しみながら

金木犀の香りを感じながら

読み進めていきました


人の目から見えているもの

それだけがすべてじゃない。


そんなことを考えさせられた作品でした。


何かを守る為に

あかずの扉はある。


それはやっぱり優しさかな

終わり方も優しかったなぁ~





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