読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

薬丸岳「友罪」~友達がもし過去に人を殺したことがあるとしたら・・それでも友達でいられますか?~

2016-12-30 03:32:49 | 
薬丸岳「友罪」読み終わりました☆



すごく考えさせられる内容でした。



もし


友達になった人が



過去に人を殺したことがあるとしたら・・


あなたはそれでも友達でいられますか?




自分自身に置き換えてみたとして・・



そんなことを考えました。



でも


答えはでなかった。



結局


そのとき



そういう状況に置かれてみて



その人と向き合ってみて



初めて分かることなのかもしれないよね。





過去に友達だった人を


見殺しにしてしまったことが


ずっと心の傷になっていた益田




そして


過去に


AV女優だったことで


それを知られるごとに職を転々としてきた美代子




鈴木と知り合い


関わっていくうちに・・



友達になり



恋人になる。



しかし!


世間を騒がせた


前代未聞の「黒蛇神事件」


子供2人を殺し


目玉をくりぬくという


狂気に満ちた事件。


その事件の犯人が




鈴木だということを知る




刑期を終え


医療少年院で更生したといわれる鈴木だが・・




その鈴木を受け入れられずに苦しむ



益田と美代子





鈴木から聞く



「死に場所を探してさまよう人生」


に益田は思いを巡らす。





鈴木が犯した罪を受けれることはできないが


鈴木を


見殺しにはできない益田




そして



益田の前から姿を消した鈴木に向けて



自分ができることを模索する。



そして


出した答えとは





医療少年院で少年と母親のように関わり


更生させることに尽力した白石弥生



自分の息子と同じ年の少年鈴木に


息子以上に手をかけてきた。



少年を更生させるために


自分の息子「智也」との時間を


ないがしろにした。



そう智也には母が映っていた。



母を少年に取られた息子



そして



大切な息子にそう思わせてしまった母の苦悩




医療少年院で一緒に働いていた村上が弥生に言った



「親は自分の子供を絶対に諦めてはいけない」


その言葉で


弥生は気づかされる。





そして



母と息子はお互いの思いをぶつける!!



母が初めて息子に放った





平手打ち




それで初めて


息子は



鈴木と同等になれたと母に言う。




お互いの気持ちがあふれ出す瞬間






子育てとは?




犯罪を犯した人が真に更生することができるのか?






答えはでなくても・・



それについて考えること☆



それが大切なことなのかもしれない。



自分がいつ・・



その渦に巻き込まれるかもわからないのだから。

















  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

柚木麻子「早稲女、女、男」~ぶれずにいばらの道に突き進む香夏子、そんな香夏子の弱点とは?~

2016-12-24 03:10:14 | 
柚木麻子「早稲女、女、男」読み終わりました☆



これずっと読んでみたかったんだよね~。



やっと読めた♪



いやぁ~楽しかった^^




柚木さんの作品は大好きで今までいろいろ読んだけど



すごくできる女が




抱えている弱点




こういうのが読みどころなんだよね。





今回登場する


「早乙女 香夏子」もそう。




しかも!


後輩にそれをズバリ☆



言い当てられた時の



香夏子の反応が素直でかわいい




一見



「がさつ」に見える香夏子



しかし



別れを告げた元カレ




そして



内定の決まった出版社の先輩男性社員



2人から思われている。




この女の魅力は何なのか?




親友で文教大の「三千子」




サークルが同じの日本女子大で後輩の「麻衣子」




香夏子の妹で学習院大の「習子」




香夏子の内定先の会社の先輩で慶応大出身の「亜依子」




一人旅のメキシコ行きの飛行機で出会う青学の「みなみ」




それぞれの女たちが



香夏子を分析していく。




香夏子と関わるうちに



香夏子を好きになる



そして



嫉妬心を抱きながらも



応援して助けてあげたくなる



それが


香夏子なのだ




大好きな先輩が香夏子を引きずってる・・



それに耐える麻衣子






大好きな彼に急に別れを告げられ


彼が好きなったのは冴えない香夏子だった・・


そのことを悔しく思う亜依子





みんな・・



香夏子と関わるうちに



憎しみが・・



優しさに変わる




それは・・



香夏子の奥底にある




繊細な心に触れるから





男にこびない・負けず嫌い・ガサツ・世話好き・仕切り屋・自意識過剰・理屈っぽい

面倒くさい・泥臭い・三枚目・荷物が多い・すっぴん・まじめ・酒豪





・・・と言われる「早稲女」




それに一つも外れていない香夏子



そう見えるのは・・


そう見せているだけ。



自分をそれに当てはめて振る舞うことで



本心を隠し



誰よりも傷つきやすい自分を守っている




自分の理想を追い


なんども留年を繰り返すダメ男の長津田のことを



自分から別れを告げたことを後悔し・・



ずっと思い続ける香夏子




しかし・・


素直になれなくて


上手くいかない。。




そんな香夏子を



職場の後輩は




「男性恐怖症」



とズバリいう



はっと気づかされる香夏子




そして



図星だったことを



認識する香夏子





長津田のことを振り切りたくて・・・




三千子がセッティングしてくれた合コンの席で




大失態をしでかす香夏子!!





どうしても「自虐」を出さずにいられない香夏子の



早稲女魂




しかし・・



それは


自分で自分を守るための



処世術





そんな香夏子は幸せになれるのか







大学に行ったことがない私



それぞれの大学の特色や


キャンパスの様子☆



そして


それぞれの大学の女子の姿



いろんなことが知れて楽しかった♪



早稲女は知っていたけど



「ポン女」と日本大学に通う女子を呼ぶことは初耳で^^>



響きが面白くて


何度も口にして一人でウケてた




自分の母校を大切に思う心



そういうのも感じられて



ちょっとうらやましい気持ちになった



大学楽しそう~!





1冊でいろいろ楽しめる柚木さんの作品☆



私はスキです



そういや~


広末涼子も早稲田行ってたんだったなぁ~って思い出した!



キャンドルなんとかさんと結婚した~とか・・



そんなのも登場して面白かった




キャンパスを知らない私がキャンパスライフを満喫した気分♪



あなたも是非















  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

松岡圭佑「水鏡推理Ⅴ~ニュークリアフュージョン」~人を信じることは自分を信じること☆~

2016-12-21 03:17:51 | 
松岡圭祐「水鏡推理Ⅴ~ニュークリアフュージョン」読み終わりました☆



水鏡瑞希



文科省 一般職



研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース所属





そんな末席の瑞希が



自分の信じたものを追求していき



不正を暴いていく




このシリーズも「Ⅴ」を迎えました☆





そして


今回


瑞希は


「研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース」



から



「研究公正推進室」へ移動になる。




今までの部署より



ちゃんとした肩書のある部署への移動




しかし



そのやることと言ったら



前の部署と変わらない。




しかも



難しい言葉に瑞希は理解不能。。




そんな瑞希に優しく指導してくれる



先輩の佳奈




初めての部署にとまどい



理解できないことばかりの瑞希に



根気強く教えてくれる佳奈



そんな佳奈に


瑞希は信頼を寄せていた。





しかし



佳奈の優しさは




瑞希を落としれるためのものだった





瑞希が助けを求められた



「キョウカ」という名の



精神科の入院患者





なぜ瑞樹の携帯番号を知りえたのか?




そして




「不妊バクテリア」いったい何なのか?




キョウカは



自分が「不妊バクテリア」によって



妊娠できない体になったと瑞希に訴える。




しかし



「不妊バクテリア」というものが



実際にあるという事実は




最先端技術実現度測定システム




「SOTA」によっても




検索されないのだった。。





そして



確実に罠にはまっていく瑞希!!





そして



自身にも・・



「不妊バクテリア」の魔の手が





それによって




深まる




母・優子と娘・瑞希の関係☆




うっとうしいと思っていた母




そんな母が




初めて自分の心を娘にさらけ出す




そして



「瑞希がどんなふうに歩んでいこうと、お母さんは応援してる。」




そう言う。





そして



瑞希に仕掛けられた罠が・・



いったい何のために?




それが明らかになっていく☆




そこには



研究者の



金儲けののための不正行為があった!!




瑞希は


会って間もない上司


「米谷」の


研究に対する熱い心に触れる




そして


不正によって


真面目に研究してきた人たちの思いを踏みにじろうとすることから



それを守ろうと



戦う!!



しかし



瑞希は



米谷を信じきれず・・




米谷は自分を欺くのでは?




真実は他にあるのでは?




心が迷う!!




しかし



米谷の



真剣さが



瑞希を本来の自分へと戻していく。







自分を信じることは人を信じること





米谷の言葉で



瑞希は



そう確信する☆




自分を信じればおのずと真実は見えてくる




それこそが!



瑞希の



「水鏡推理」





研究を金もうけの道具に使い




真面目に研究を続けるものたちの心を踏みにじる




そんな輩に




瑞希の鉄拳は向かう





難しい言葉が理解できなくても・・




「正しいこと」はわかる☆




それで十分☆




瑞希の心の鏡は



しっかりと真実をとらえていく!!






最後はきっちり決めてくれました^^v





私にも難しい言葉の連続で



理解できない部分もあったけど



瑞希と共に学びながら



瑞希の水鏡を信じて見守りました。





次回もどんな推理をしてくれるのか?



ますます楽しみになったよ♪




新しい部署での今後の活躍に期待




松岡さんの先見の明にはいつも感心させられます。




最先端の科学☆



そして



それを作っていく人たちの苦労




毎回勉強になります




科学に疎い私でも



読み込んでぐっと引き付けてくれる魅力




さすがです




瑞希にも



これから「恋の話」が出てきたら



もっとググッと引き付けられそうなのですが^m^













  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鏑木蓮「思い出探偵」~人の思い出を訪ねる探偵たち、心に傷を負うものは人の心も思いやれる☆~

2016-12-16 03:22:49 | 
鏑木蓮「思い出探偵」読み終わりました☆



鏑木さんの作品は初めて読んだけど


すごく思いやりにあふれる作品でした。



人の心の温かさに触れられたって感じです^^





思い出探偵社の社長



「実相浩二郎」



この人の人柄で社員たちも


社長についていきたい!




社長のために力になりたい!



そう思うんだろうなぁ。




実にチームワークの取れた会社なんですよ~。




みんながお互いを思いやって行動するところがいい




けど


元看護師で


小学生の由真を育ててるシングルマザーの由美は



他のみんなとは違う思いを浩二郎に寄せていた



だけど


それを浩二郎に見せないように



そんな思いと戦いながら



浩二郎のために力になりたいと奮闘する。



それが健気でいじらしい*^^*




浩二郎は妻の美千代を愛していて



自分は入る隙間なんかないこともわかってる。




でも


浩二郎に恋心を抱いてしまう自分との戦い。。




辛いよね~。







元刑事で


高1の息子浩志を亡くした浩二郎




浩二郎は上半身裸で


冬の湖に沈んでいた。



自殺と断定された。



しかし


息子は自殺するはず箸はない。



その真相を究明しようとして・・


職を辞することになった浩二郎




妻の三千代は


辛さから逃れるためにアルコール依存症に。




そんな浩二郎だからこそ



人の気持ちがわかる。




刑事だったころ担当した事件の被害者家族



佳菜子を社員として雇う。




心の傷を持った佳菜子に



この仕事を通じて



立ち直るきっかけになればと願う。




雄高は



売れない俳優の仕事の傍ら



思い出探偵とし浩二郎の力になる。




雄高もまた



浩二郎の力になりたいと・・


依頼人の力になりたいと尽力する。






大切な家族だった猫の形見を探してほしい



人から見たら


「ガラクタ」でも



それを


「大切なもの」



そう認識して



届けてくれた人



その人は


「心より大切なものはない」


そういった。





40年前に


自暴自棄になっていた自分を助けてくれた


その人は


変わった鶴を残していった。






60年前



米兵に襲われそうになった自分を


身を挺して助けてくれた


その人の残していったお守りを持ってきた依頼人


「その人に一言お礼が言いたい」



と。



余命いくばくもない・・



時間がない依頼人のため



みんなが動く。




そして



その人を追ううちに



真実は違っていたことがわかる





そして



佳菜子のピンチ・・





浩二郎の息子浩志の死の真実が





あなたには



探してもらいたい



思い出はありませんか?





思い出探偵は



あなたの思い出を



全力で探しますよ













  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

桜木紫乃「ホテルローヤル」~ホテルローヤルと交わるそれぞれの女たちの人生、そして男たちの行く末~

2016-12-09 03:39:37 | 
桜木紫乃「ホテルローヤル」読み終わりました☆



これずっと表紙の絵が頭に残っていて・・



とても印象的だったので。



いつか読んでみたいなぁって思ってました。




やっとその時が来た^^





ベッドで膝を抱えうつむく全裸の女性・・



そこで彼女が何を感じているのか?





そこが気になっていました。




読んでみて


なるほどなぁ~って



納得できた気がします。






「ホテルローヤル」という名前のラブホテル



その廃墟に連れてこられる美雪




プロの写真家になりたいと


美雪にダイエットさせて


自分の理想の写真を撮ろうとする貴史




美雪への愛情が感じられない。。



自分は貴史にとって何者なのだろう?




そこでのプロポーズめいた言葉に戸惑う美雪







寺を継いだ夫


先代の夫の父に見初められ嫁になった幹子



寺のために



檀家に体を差し出していた



寺のためなら



自分の価値




しかし



夫はそれに気づいていた?




ホテルローヤルの主人だった「大吉」



妻に愛想を尽かされ



愛人を妻にするも愛人も出て行った



そんな大吉の最期




それを知った時



幹子の中で何かが変わっていく。







父が始めた「ホテルローヤル」



父も母も見放した



雅代は一人守ってきた。



ここしか居場所がなかった。




しかし



ホテルを閉める日が来た




高校以来男と交わることがなかった雅代




商売道具には手を出すなという母からの教え




しかし



それを「えっち屋」と破ろうとする雅代



しかし上手くいかなくて・・









姑の介護



舅の世話



家族のために奮闘してきた




お金も切り詰めて




急に浮いた5000円で




夫と「ホテルローヤル」へいくことに




束の間の夢のような時間



それを感じる恵







ホテルローヤルで長年働くミコ



母の教えを守り



ただただ働き続ける




夫の要求は必ず呑む・・



そんな毎日に疑問も持たなかった。



しかし



息子が起こした事件を知った夜




ミコは。。





ホテルローヤルと関わり



それによって人生を見つめなおす



それでも変えられない運命を



どう生きていくか





輝きを放ったホテルローヤル開店



そこにたどり着く大吉の思い




そしてその末路。。





女たちのイニシャルが「M」なのも



ちょっと意味深。。




男に従い尽くす女




そんな意味も含まれているのかしら?





私もどこかで



こんな風に何かと



知らず知らず関わって




影響を受けているのかもしれないなぁ。。




人それぞれの人生



その人なりに一生懸命生きてる☆




不安や困難を抱えながら




廃墟になっても誰かに影響を与えられるホテルローヤル☆




すごいやつだなぁ~



とも思った。





グッと引き込まれる話の展開に



あっという間に読み終わってしまった。




私も「ローヤル」な時間を堪能させてもらいました
























  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする