読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

重松清「きみ去りしのち」~大切な人を失うことから立ち直るには?~

2014-02-28 02:45:13 | 



重松清「きみ去りしのち」読み終わりました☆



重松さんの作品は


読み終わった後気持ちが温かくなります



この本


タイトルだけ見ると


すごく重い感じもするんだけど



読んでみると


確かに悲しい出来事はある。



だけど


その次に続くものがしっかりと描かれてる




そして


重松さんの作品は


押しつけがなくていいです




こうでもいいんだよ。



こうじゃなくてもいいんだよ。




そう感じて


気持ちが


すーっと軽くなります




人の「死」それを通じて



残された人がどうそれを受け止めて



どうその後を生きていくのか。




他人から見たら・・


「それはちょっと違う」


そんな風に思えたりもする。



その人にしかわからないこと。



でも

本人にとっては


それでいい。



そういうこともある





セキネは


1歳の誕生日を迎えて間もない息子


由紀也を亡くす。



それは突然だった。


夜中に気づいた時には


由紀也の小さな心臓は止まっていた。



そのとき一緒にいた妻「洋子」も気づかなかった。




そんな風に突然死んでしまった由紀也。




息子のいなくなったことで



夫婦の間に溝ができてしまう。



なぜ・・


気づかなかったのか?



もし・・


そのときこうしていたら・・


由紀也は助かったかも。。




そんな


なぜ?


もし・・



それを繰り返す



セキネと洋子。




由紀也が生まれて3人になり



また



由紀也がいなくなって



2人になった。



元に戻っただけ・・


だけど


「由紀也がいなかった頃の2人には戻れない」



その存在は



亡くなっても消すことはできない。




そして


2人でいることで


由紀也のいなくなった空洞は大きくなって



2人を苦しめる。




由紀也が死んでから


夫婦は向き合うことを避け・・


2人でいることを避けるようになる。




セキネは自分を責める。



そして


由紀也がいなくなったことで



10年前に別れた妻との間の娘「明日香」に


会いたいと思うようになった。




前妻の美恵子とは


憎み合って別れたわけじゃない。


美恵子がもっと自分が幸せになるための


離婚だった。



友人を通じて美恵子に会い


近況を知らせたいと伝える。



しかし


待ち合わせ場所に来たのは


美恵子ではなく


娘の「明日香」だった。



父親を「セキネさん」と呼ぶ明日香。



5歳で別れた娘との10年ぶりの対面を果たしたセキネ。




その後・・



明日香が電話をかけてくる。



セキネが一人旅に出ることを告げると


一緒に行きたいという。



そこから


セキネと明日香の交流は始まる。



10年の空白のある父と娘。



その関係は微妙だ。



娘は父を「セキネさん」と他人行儀に呼ぶ。



旅の宿でも部屋は別々。



宿の人に聞かれれば



デビュー前の演歌歌手とマネージャーと答える明日香。



そんな明日香の話に合わせるセキネ。




いつもそっけなくセキネに接する明日香。



でも


なぜかセキネはそれを


心地よく感じていた。



セキネが由紀也を亡くしたことで苦しんでいた


それが


明日香との交流によって


抜け出せるきっかけになる。




その旅は何度か繰り返される。



そして


前妻の美恵子の病気



それが



妻洋子とセキネにとって


大きな転機となる。




息子がいなくなって・・



会わなかった娘との交流が始まり・・



そして



娘は母を失うことになる。




旅先で


セキネと明日香は


いろんな人の人生を知る。



その人にとって大事な人



それを失うことの大きさ重さ




だけど


誰もがそれを受け止め


前に進んでいる☆




明日香との旅・・



それはセキネにとって



自分も


由紀也の死を受け入れ


前に進むたの旅になっていく




人が亡くなる



ということは



「無くなる」ことじゃなく・・




誰かの心には




生き続けるんだということ





そんなことをこの本に教えてもらった気がします。



「死」を受け入れて



そして



心にしっかりと抱き



生きていくこと。




その人の「死」を生かしていくこと。




大事な人を失って・・



立ち直っていくのは



それを心に刻むこと。。



なのかもしれないなぁ。




そんなことを思いました




















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東野圭吾「白銀ジャック」~正義感と白銀を汚す黒い影~

2014-02-23 02:10:20 | 




東野圭吾の「白銀ジャック」読み終わりました☆



・・といっても



これを読むのは2度目



これが発売されてすぐに買って読んだ。




けど



また読みたくなって読んじゃった



「白銀ジャック」は


東野圭吾には珍しいいきなり文庫で発売された作品。




最近発売された「疾風ロンド」も


同じ出版社からいきなり文庫で発売されている。




これも読んでここでも感想を書きました。




白銀ジャックに登場してる



根津正平・瀬利千晶



疾風ロンドでも登場する。




白銀ジャックを読んでから疾風ロンドを続けて読むとまた面白い




白銀ジャックを読んでからだいぶたっていたので



疾風ロンドを読んだ後で



もう一度読んでみたいなぁって思ったのも



「白銀ジャック」をもう1度読もうと思ったきっかけかも




この「白銀ジャック」「疾風ロンド」



いきなり文庫になったのは



圭吾さんの



思いが詰まってる



ご自分でもウインタースポーツに果敢に挑戦されてきた圭吾さん。




そして


もっと


スキーやスノーボードなどの



ウインタースポーツをやる人が



増えたらいいなぁ



そんな思いが込められている。





スキー場の経営も最近は大変らしい。



一時は



スキーも大流行した時代があった。




それも



今は昔




スキーやスノーボードなどの楽しみを知ってもらう



そして



スキー場経営の現実をわかってもらう




そんな思いが詰まってると思う




そういう


私はスキーもスノボもやりません。。



てか



できません。。



何しろ



高所恐怖症・寒いのはめっちゃ苦手




そんなわけで



この本を勧めるぐらいのことしかできません!!



圭吾さん申し訳ないです



でも


私なりに何か役に立ちたい☆




それがこの感想を書くことです。



どれくらいの人の目に留まるかはわかりませんが!笑





それではざっとストーリーを




新月高原スキー場に



脅迫文が届く。




スキー場のどこかに爆弾を埋めたと。



その場所を知りたければ



3千万用意しろと。




これが脅しかどうかは



リフトの下に埋めたメッセージを確認してみるがいいと。





上層部はこれを「悪戯」といい



警察に届けることを拒否。



索道部マネージャーの倉田は


警察に届けることを懇願するが聞き入れてもらえない。




その後証拠のメッセージが見つかり



悪戯ではないとわかる。



しかし上層部の考えは変わらない。




取引に応じることになる




現金の受け渡しにパトロール隊の



「根津昇平」が抜擢される。




この脅迫文のことを知らされたのは



上層部の者たちと


倉田


そして


パトロール隊の根津・篠崎絵留・桐林裕介



極一部の人間だけだ。




お客さんの安全を第一に考える倉田とパトロール隊




だが



その思いとは裏腹に



社長をはじめ上層部の人間は



スキー場の利益を優先する。




脅迫のことが世間にばれれば



スキー場の経営にかかわる。。




それでなくても



新月高原スキー場の北月エリアでは



1年前に


事故が起きていた。




入江達樹は



母の香澄が



目の前でスノーボーダーの無謀な行動で



首を切られ死んでいったのを目の当たりにする。



スノーボーダーはそのまま逃げてしまい



捕まっていない。




その事故から北月エリアは閉鎖されていた。




そんあこともあり



今回のことはどうしても口外できないと考える。





1度目の取引で終わると考えていた上層部。



しかし



犯人は



少しずつ



安全なエリアを明かすだけで



なかなか爆弾のありかは教えようとしない。



なんとか犯人のしっぽをつかもうと



根津は正義感に燃えて


犯人を追跡しようとする。



しかし


根津の動きが犯人にはわかるらしく



不審な動きがあったから取引は中止となる。




犯人の目的は何なのか?



最初は「環境破壊の代償」といっていたが・・



2度3度現金を要求する犯人。



本当の目的が見えてこない。




倉田は


何度も上層部に警察へ届けるように掛け合うが聞き入れられない。




根津は犯人に近づこうと必死になる。




そんな時



瀬利千晶にも脅迫文のことがわかってしまう。




瀬利はクロス大会に出場するために同スキー場に来ていた。



根津に危険区域に侵入したために一度つかまっている。



その縁から根津とは面識があった。



瀬利も根津に協力することになる。



早く犯人を捕まえて



スキー場にいる人たちの安全を確保しようとする強い思い




その思いの裏で



この事件には



とんでもない思惑が隠されていた。




そして



事故により命を奪われた家族の思い。




息子を母の事故の呪縛から解こうと同スキー場に来る入江親子。





入江香澄の命を奪った犯人の正体が



この事件によって判明する☆





倉田や根津の正義感は



利益しか考えない経営者側の目論見に勝つことができるのか




爆弾は・・



果たして爆破されてしまうのか




最後までハラハラ・・



ドキドキ・・




意外な結末に






ぜひご一読を!!




「白銀ジャック」と「疾風ロンド」をセットで読めば楽しさも倍増ですよ




















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重松清「トワイライト」~人生の黄昏時に思う「自分の未来はこんなはずじゃなかった」~

2014-02-13 02:07:36 | 



重松清「トワイライト」読み終わりました☆



表紙の「太陽の塔」に興味を惹かれて


図書館で借りて読んでみた





「トワイライト」とは


夜明け前や日没前の薄明かり・黄昏・終焉




そんな意味があるそうだ。




39歳。



主人公「高橋克也」は正に



そんな黄昏世代。




リストラの対象になっていた克也。



しかし



それを家族に言えずにいた。




あるとき



克也の卒業した小学校が廃校になるにあたり


タイムカプセルを掘り起こす



そんな呼びかけを新聞で見る。




克也は行くことにする。




当時住んでいた



「たまがわ」の巨大団地




今は廃墟化して



住んでる人もまばらだ。





「ジャイアン」こと安西徹夫



「しずかちゃん」こと真理子



二人が夫婦になっていたことに克也は驚く。




スポーツが苦手で


勉強ばかりして眼鏡をかけていた克也は「のび太」



のび太は当時しずかちゃんに恋をしていた。



タイムカプセルを取り出したとき



当時のしずかちゃんはのび太に恋をしていたことを知る



実は2人は両思いだったと。



年相応にふっくらした真理子だったが



克也は真理子にドキドキしていた。




必要以上に接近してくる真理子に困惑しながらも


嫌な気持ちはしなかった。




子供の心のままの浩平


今回のタイムカプセル掘り出しのきっかけを



「スギ」が提案したことだという。



同級生は誰一人その名前も顔も覚えていなった。



それは無理もなく・・



6年の1学期だけで引っ越してしまったからだ。



5年の2学期を共にした浩平は覚えていたのだが。




スギは不治の病に侵されていて病院から出られない。



そんなスギに代わって



浩平は



また新たなタイムカプセルを埋める計画を話す。




けれど・・


同級生たちに賛同するものはいなかった。




みんな



今から10年後の自分を



思い描けなかったから




小学生の時に



夢見ていた自分の明るい未来




でも



そんな未来は



いつの間にか




現実に押し唾されていた




もう


夢を持つことはできない・・



今の自分より



よくなっている想像ができなくなっている。





何度も転職して



悪徳リフォーム会社で働くジャイアン




ジャイアンにDVをうけ


現実から目を背け


未来がわからなくなった真理子




リストラをいいいわたされて



家族に言えずにいる克也




古文のプリンセスと呼ばれ


一時はもてはやされた


「ケチャ」こと


竹内淳子


今はシガナイ予備校の講師





そんな現実を抱えた39歳の同級生たち。





自分がこんな風になるなんてあの時は思ってもみなかった





同級生たちといると




そんな自分がやるせなくなる。。





がんばってきたはずなのに・・



何がいけなかったのだろう?





6年3組の担任だった「白石先生」



不倫の果てに



相手の男性に殺された。




白石先生のタイムカプセルに入っていた手紙。




自分が不倫をしていたことを告白していた。



そして



「あなたたちはいま、幸せですか?」



そう問いかけていた。




先生と同世代になった



元6年3組の同級生たち。




その言葉が胸に刺さる。




あの時の夢・・



希望・・




これからの自分。。




39歳!




そんなことを考える




人生の黄昏時なのかもしれない。





誰も悪くない。



誰のせいでもない。




「これから」を変えるのは




自分自身なんだ





これを読んで



そう強く思った。




ほぼ同世代のいろんな思いに



共感しながら・・



引き込まれて一気に読みました




人生まだまだこれから~!




がんばろー


















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重松清「あすなろ三三七拍子(下)」~世代も性別も超えたエールの交換に胸が熱くなる~

2014-02-06 02:12:39 | 



重松清「あすなろ三三七拍子(下)」読み終わりました☆




これを読んでると本当に


自分が忘れかけてた




熱いものを呼び起こされます




昔・・



何も他のことを考えず、



無我夢中で打ち込んだバスケのこと




ただひたすら



上手くなりたくて・・



ひたすら走り



練習して




先のことなど考えず・・




ただひたすら頑張ってた自分






これを読んでると、



そんながんばってた自分がよみがえる☆






45歳の藤巻大介が



出向を命じられたのは「あすなろ大学」の応援団。




いい年したオジサンが



学ランを着て団長をする。




最初は



大介も「恥ずかしい」という気持ちがあった。




そして



「今の若いものは」・・



というオジサン特有の目線で見ていた若者たちとかかわることになる。



娘の美紀(高校生)と交際中のあすなろ大学の学生「翔」のことも



そんな目線で見ていた。



軽薄で調子が良くて



何も考えてないような・・


そんな翔が大介は気に入らなかった。




が・・



自分が出向を命じられ



美紀との交際を許すことを餌に



団員の少ない「団」に入部するように強要。



翔はしぶしぶそれをのむ。





団の掟に背き金髪を通す翔。



しかし


「団」存続のために



細かいことは言っていられない。




女子禁制だった



「団」に入った沙耶。



責任教師(応援団の顧問)になった原先生の許しで



団の掟もあっけなく変わっていく。




「即廃部」の権限を持っている原先生には鬼のOBの「齊藤」と「山下」も何も言えなくなる。




1年の入部希望者「健太」の父は



齊藤と山下と深いつながりのある元野球部の「ぐっさん」だった。




ぐっさんが癌に侵され



逝ってしまう。




健太は父を尊敬しているのかと思いきや・・



そこにもいろいろ事情があり・・



健太は最初お見舞いに行くことを拒んでいた。






団長の大介や齊藤・山下の



ぐっさんへの思い。




健太に後悔してもらいたくない!そういう思いが通じて



最後は健太の心もほどけていく。。





そんな思いに・・



沙耶も翔も・・




「団」への思いが深まっていく。





沙耶は「男」の大介世代には特に反感を持っていた。




そんな沙耶の心も



「団」とのかかわりで変わってくる。




大介もまた



翔のいい加減にしか思えなかったところが・・



実は



人に嫌われない隠れた才能を見つけることで



見直していったり・・




そうして、


団は



ひとつになっていく





麻雀牌のような「齊藤」



そして


麻雀の点棒のような「山下」



この強い絆で結ばれた2人にも




ある試練が!!




そんなときにも



「団」の結束が2人を救う






そして



あすなろとライバルである「ケイガク」の応援団長と副団長の・・



意外な真実




それが明らかになり



「あすなろ」と「ケイガク」のいがみ合ってたものが



いいライバルになっていく






最後のほうの



齊藤の言葉




「最初は友情の勝負でも、途中からは消えるんや

そういう能書きは。何のために自分がわかっとるウチは、まだ半人前のがんばりや。

そこを超えたら、がんばることが、がんばりになるんや。

理由は要らん、目的も要らん、瀬谷けど、途中でやめる気にはならん・・

無我の境地いうか、無心の境地いうか、そういう瞬間になるときがあるねんな、

がんばり抜くと」




それにみんなが共感する。



そして



私もついうなづいた




そして・・




大介にまた辞令が。




会社の新しいプロジェクトの部長として社に戻ることに。





大介から



若者たちへ・・



そして、



若者たちから



大介へ・・




エールの交換が行われる





お互いいろんな苦難を一緒に乗り越え・・



そして一つになった「団」





そんな団を見届けてきた



読者のこちらも



一緒に



胸が熱くなる






人間は



こんなにも熱くなれるものなんですね~





そんな体験をしたい方には



ぜひおすすめです





そして、



あとがきを読んで驚いたことが!!




フィクションだと思ってた



「齊藤」さんは実際にモデルがいるんだとか




それを読んでビックリ



なんだか会ってみたくなりました





自分(関西では相手のことをそういうらしい)~


読まな後悔するでぇ~!





そんなこと言いそうな齊藤さんの顔が浮かびます!ぷっ。。



















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