読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

山口恵以子「食堂のおばちゃん4~ふたりの花見弁当」~もう戻らない時間・・思い出の花見弁当を心で分け合う温かい時間☆~

2019-05-30 02:49:26 | 
山口恵以子「食堂のおばちゃん4~ふたりの花見弁当」読み終わりました。



このシリーズを読むと


本当に心が洗われる気がします。



はじめ食堂



そこにいるだけで(読者の想像の中で)温かい気持ちになる




はじめ食堂に通ってくる



常連さんたち




いつも顔は合わせているけど



その人の生活や・・



送ってきた人生



それを全部わかってるわけじゃない。




常連客の「三原」


一流ホテルの元社長で


今は仕事も引退し


妻を亡くして一人暮らし



その簡単な情報しか知らなかった。




しかし



思いがけず花見の招待を受けるはじめ食堂の一子と二三と万里



そして


はじめ食堂の常連客たち



高級マンションからすぐそばに見える桜の美しさ



そして



三原が用意してくれた料理に舌鼓を打つ




常連客で万里の同級生のニューハーフのメイが


後藤と踊る社交ダンス




それが場を盛り上げる



楽しいひと時




そして



お開きになったお花見のあと片付けを終え



部屋に招待される一子と二三たち




飾られた写真に写る初めて見る三原の妻



そして


語られる


三原と妻の




戻らない時間と花見弁当の思い出




決して立ち入ることのできない


二人の大切な時間



そして


その味わった花見弁当




大切な人を失った悲しみ



それを経験してる一子と二三



三原の気持ちがわかるからこそ



そっと心に寄り添える




その時だけ分け合った時間



そして


思い出の花見弁当の味



心でそれを味わう




ほんのひととき・・



他人と分け合う時間



それが少しでも慰めになる




寂しさと思い出はその人の中に




三原の気持ちがわかるからこそ



自分たちの立ち位置をわきまえる




そんな一子と二三の気持ちが



こちらにも伝わってきて



ジーンとした





人は一人じゃ生きていけない



そのよりどころになってくれているのが



常連にとってのはじめ食堂なんだろうなぁ~。



そんなことを思ったよ




ニートだった万里が


次々と新作料理を生み出し


はじめ食堂に新しい風を吹き込んでいく




軸は変わらないけど



どんどん進化していくはじめ食堂




これは通いたくなるよね~っ




巻末には小説中に登場する料理のレシピがついてる☆



カリフラワーのオーブン焼き・ガーリックバター風味


これ作ってみようかな~



釜揚げシラスとアスパラのパスタもおいしそう~!




晩ごはんに「パスタ」


・・・が受け入れられない世代



その論争も面白かったよ。




話の内容に著者の山口さんの心情も垣間見えて



そんなところも楽しめる作品です。



ますますこのシリーズのファンになりました




次の作品も読み始めてるので


次回の感想もこうご期待



ぷっ。。








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小湊悠貴「ホテルクラシカル猫番館 横浜山手のパン職人」~ブーランジェール『紗良』が作る心づくしのパンが閉ざした心の扉を開く☆

2019-05-23 02:47:08 | 
小湊悠貴「ホテルクラシカル猫番館 横浜山手のパン職人」読み終わりました。



コレは予約して待ちに待って


やっと手元に届いてワクワクしながら読みました



やっぱり小湊さんの作品は裏切らないなぁ~




一番の読みどころは



ブーランジェール(パン職人)の『紗良』が


パンへの情熱を持って



心づくしのパンを作る



そして


そのパンが


人の閉ざした心の扉を開いていく




・・・というところだと思う。





紗良のお師匠さん「和久井」が


突然病に倒れ・・


パン職人を辞めることになる。



紗良に心を閉ざしてしまった和久井



そんなお師匠さんの心の扉を




そして


仕事先を失くしてしまった紗良に



叔父の誠が自分の仕事先である「ホテルクラシカル猫番館」を紹介してくれる。




そこで出会う不愛想な「隼介」



その隼介の顔も緩めてしまう



今まで他のパン職人を入れようとしなかった隼介が



紗良を受け入れる





その他・・



猫番館の要とそこのオーナーで要の父



そのぎくしゃくしていた関係も


紗良のパンが2人の心を和ませいい関係へと導く





紗良の家庭環境



そこから抜け出し自分の進みたい道を



真っ直ぐに突き進もうとする強い心



そんな思いが



パンに込められる




自分ではどうにもならない運命



だけど



そこにはいろんな人が関わってくれていて



自分のこれからを変えてくれるきっかけをくれる




そんなことを気付かせてくれる作品だと思います。



も~行き止まりでどうにもならない。。



そう諦めずに頑張っていこう



そんなことを思わせてくれました。




パン作りのこともいろいろ勉強になって


これからパンを見たら作り手のことが頭に浮かびそう



クロワッサンも折り方で味わいが違ったりするんだなぁ~。


賄いのクロック・ムッシュもおいしそうだった


あと一番食べてみたいのはやっぱり・・



黒糖くるみあんパン




猫の「マダム」がお出迎えしてくれる



絶品の料理と焼き立てのパンの香り



趣のある心づくしのおもてなしのホテルクラシカル猫番館へ



あなたもおこしやす~








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彩瀬まる「珠玉」~美しく偉大な祖母の影に醜く何もない自分を比べ卑屈になる歩。。しかし!美しいジョージとの出会いが歩を変える☆

2019-05-18 02:44:33 | 
彩瀬まる「珠玉」読み終わりました。


美しい



・・・ということを


考えさせられる作品でした



本当の美しさとは何だろう?



「美しい」ことが本当の幸せにつながっていくのだろうか?



そんなことを考えさせられました。



美しすぎるがゆえの不幸



そういうこともあるのだなぁ~ということも。




私自身は



ごく普通の・・



いえ・・


ずーっとコンプレックスを持っていました。




写真を撮るとき・・



卑屈に顔を歪めてしまった自分。。




自信というものがなかった自分。。




歩の



祖母の「リズ」と比べられることに



卑屈になってしまうこと。



それがなんとなくわかる気がした。




いくら努力しても


見た目はそうそう変えられない。



でも



見た目だけじゃない内からにじみ出てくる輝き



それがその人の魅力になっていく



そして


美しく見せていく



そういうことがあるのだと


この作品は教えてくれた気がします。





歩とジョージの出会いが



歩に美しさを引き出させるきっかけになる




卑屈になっていた心が



ジョージによって解放され・・




歩を美しく見せていく





そして・・



美しく


何の悩みも抱えていなかったように見えた祖母の



苦悩



そして


ジョージの美しい顔の



美しすぎるが故の悲劇




見えているもの・・



そこに隠れているもの・・




奥深くに眠っている









リズが歩に受け継がせた黒真珠には



ふかーい意味が隠されていた




美しすぎる祖母



その『核』を自分も持っていることに



誇りを持てるようになる歩





ジョージが歩に近づいた本当の理由は




黒真珠だけが知っている?!





人が人を惹きつけるもの



それは決して見た目の美しさだけでなく



内から輝きを放つ何かなんだろうなぁ




私もそんな風に輝けたらいいなぁ~。



そのための


努力をしていかなきゃなぁ~。



そんな風に思ったよ




自分に自信が持てないあなた



是非これを読んで勇気をもらってください









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山口恵以子「食堂のおばちゃん3 愛は味噌汁」~いつも変わらぬ愛情たっぷりの味がはじめ食堂の魅力☆~

2019-05-16 01:55:30 | 
山口恵以子「食堂のおばちゃん3 愛は味噌汁」読み終わりました。



このシリーズ好きなんだよねぇ~。



最初の出会いは図書館だったんだけど



結局今出てる全巻買ってしまった




嫁(二三)と姑(一子)の2人で切り盛りしていたはじめ食堂



そこに


二三の娘「要」の幼馴染みである「万里」が加わり


はじめ食堂はいい方向に変わっていく



はじめ食堂で働く前は


何をやっても続かず・・


ニートになっていた万里



しかし


はじめ食堂で働くようになり


料理の魅力に目覚め


自らいろんなメニューを考案し


試し


はじめ食堂の魅力を更に引き立てて行った



常連の客たち


そして


新規の客もボチボチ増え初め


はじめ食堂は繁盛していた。





そんなはじめ食堂におこる食中毒事件




そして



お客さんの夫婦仲のピンチをはじめ食堂が救う




そして




久しぶりに再会した万里の同級生が


男から女へ変わってた?!



でも心の中は



味噌汁への愛で溢れていた


おばあちゃんが作ってくれた味噌汁が忘れられない味☆



そういう「皐」


味噌汁の店を出したいと夢を語る



一子・二三・万里



そして


はじめ食堂の常連たちも応援する





はじめ食堂で働くことに誇りを持っていたはずの万里が・・


初のテレビ取材に


怖気ずく



そんな万里に一子は言う




「死んだ亭主がいつも言ってた。料理に正解はないって。

 あたしもそうだと思う。

 家と同じような料理が出るからイヤだって言うお客さんもあれば、

 家と同じような料理だから良いって言ってくれるお客さんもいる。

 どっちも間違いじゃないわ。好きな方を選べばそれでいいのよ。」





皐も言う



「私、はじめ食堂の料理、大好きよ。

 おばあちゃんが作ってくれた料理と似てるんだもん。」





常連客達も次々に励ます




はじめ食堂の魅力☆



それは








万里も万里の料理も愛されていた




どんなことがあっても揺るがない愛情がある限り



はじめ食堂は永久に不滅です!!


なーんて




読むとあったか~い気持ちになれる



そんなこの小説のシリーズに



私も夢中になる訳です




人の価値観はそれぞれ



でもそれでいい



そんな風に思わせてくれる作品でもあります。




みんなそれぞれ違う



でも



それぞれの場所でその人なりに頑張ればいいんだよ!



そんな風に背中を押してくれる




このシリーズが大好きです



あなたもこの作品の魅力に取りつかれてみませんか?笑




巻末には小説中に出てくるレシピもついていて


お得感も十分☆



絶対作ってみたくなりますよ!



私も早速つくろーっ

















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大崎梢「空色の小鳥」~血のつながりだけを求めた義父に敏也は亡き兄の娘を利用しようとするが・・?!~

2019-05-11 03:21:02 | 
大崎梢「空色の小鳥」読み終わりました。



なんだか心が洗われるような作品でした



血のつながりってなんだろう?



そう深く考えさせられたよ





敏也は


事故で亡くなった血のつながらない兄に



「おまえはちがうから」


「ここから出て行くことを考えろ」



そう言われる。



この言葉がずっと胸あった。




母が後妻として敏也を連れて嫁いだ先


「西尾木」家は


義理の父が一代で築いた財閥だった。



母のお腹には当初義理父との子供が宿っていた


しかし!


婚姻ののち流産してしまう。



母と敏也は肩身の狭い思いをしてきた。



血のつながらない義理父と・・



義理父が溺愛する先妻の息子「雄一」・・



義父にとって



血のつながりがすべて



だった。




母が肺炎で亡くなり・・


その後敏也は義父に学校を出してもらい



西尾木の系列会社に就職



それを期に家を出る。




父が溺愛した兄「雄一」は



家を出て行方不明に。。




父は兄を探し出し家に無理やり連れ戻す。



しかし


連れ戻した後


事故で亡くなってしまう。。




義父の落胆は大変なものだった。。




自分の会社を継がせるため



兄に多大な期待をしていた義父




しかし



敏也はあくまで他人でしかなかった。




養子にもしてもらえなかった自分。。



兄の最後の言葉



それは



「おまえはこの家とは関係ない」



そう言われたのだと思っていた。




敏也は兄の通夜で


ある女性と出会う。



それは兄と訳アリの女性では?



そう思い興信所を使って調べる。




そして



敏也の計画は動き出した





兄と暮らしていた千秋



その娘「結希」



2人に雄一の弟として近づき



そして



千秋の余命も知っていた。



敏也は結希との養子縁組を千秋に持ちかける




敏也は千秋と結希母娘の



信頼を勝ち取る




千秋の死後



敏也と結希は一緒に暮らす。




この計画の裏で



敏也と付き合っていた亜沙子は



結希とのことで敏也が自分に別れを告げたことを知る。




そして



結希・亜沙子・友人で見た目は女中身は男の「汐野」との



奇妙は同居生活が始まる



その暮らしが安定してきたころ・・



敏也の計画は動き出す!!




義父「雄太郎」に結希を会わせるときがくる




義父に結希の親権を持った敏也を




養子にする



この条件を突きつける!!




しかし・・




結希と雄一のDNA鑑定で思わぬ誤算が





結希と過ごした時間



それは



敏也を変えてきた




そして


亜沙子との関係



他人と関わることの大切さ




結希からいろんなことを学んだ敏也





何もなくなった・・



そう思ったのに




自分には




手に入れたものがたくさんあることに気づく




母が思っていたこと



雄一が本当に敏也に伝えたかったこと



それにも気づいていく



そして


義父との関係も



血のつながりってなんだろう?



本当に大切なのはそこなのか



そんなことを考えさせられた。




目に見えているものが全てじゃない。



真実は



もっともっと見えないところに隠れている



そういうものなのかもしれないね



読み終わるとさわやかな風が吹いてくるような


そんな物語



あなたも是非







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