読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

重松清「リビング」~悪意のない隣人に振り回されて。。~

2014-05-27 02:58:57 | 



重松清の「リビング」読み終わりました☆



なんだか自分ごとのように考えさせられる作品でした。



タイトルからすると


なんだかほんわり~



・・って感じかと思ったんだけど・・



う~ん現実にもありそうだな!って





短編に



となりの花園~春・夏・秋・冬~



が挟まれています。




となりの花園は








移り変わっていく季節


それとともに


移り変わっていく隣の庭の花




そして・・



お隣との関わりあい、


夫婦の関わり。



それを考えさせられる内容です





ずっとお隣さんに恵まれなかった夫婦。



マンションに住んでた頃は



そのたびに引っ越した。




そして


念願の一戸建てを購入。



お隣さんもいい人。



そう安心していた。



しかし!


そのお隣さんが突然引っ越してしまった



そして・・


入れ替わりにきたお隣さんは。。




「悪い人」ではない!



けど・・



我が家のリビングから見える



お隣のお庭は・・



全くセンスのないどぎつい色の花で覆われる



雑誌編集者の夫


CGイラストレーターの妻。



2人は仕事を離れたら落ち着きたくて


モノトーンの空間を作りあげた☆



しかし


窓から見える庭。。



それは


夫婦にとって



耐えがたいものだった!!



特に


家で仕事をすることが多い妻には


拷問


とも思える。。




しかし・・


お隣の庭・・



こちらが口出しすることはできない。




そんなお隣の奥さんは




何事も「こうあるべき!」という思い込みの強い人だった!!




家を買ったら



庭にはお花を植えて~



休日には


お庭でバーべQ




夫婦はバーべQにもたびたび誘われるように・・



映画に行くはずが・・


キャンセルになり・・



夫婦のスタイリッシュな生活が・・


お隣りよって崩されていく。。



『悪意』はない。。だけど。。




それが余計に厄介だ





昨今テレビで耳に・・目にする隣人問題。。




あ~


こういう


問題もあるんだなぁ~




そんな風に気づかされた。



ウチは幸い


お隣とは



挨拶のみ!の淡白なお付き合いだ




それが


いかに



平和



かということに



改めて気づかされる☆





しかし・・


この夫婦・・


後に



お隣の事情がいろいろ分かって・・



お庭の花にも慣らされていく。




そして


子供のいない


作らない夫婦の


今後の夫婦関係



そんなことを考えるようになる。




お隣と夫婦が庭を通じて・・


少しずつ馴染んでくる。



夫婦も・・


家族も・・


それぞれ人と人が・・



どこかで折り合いをつけて・・




そんな関係も織り交ぜながら




「なるほど~」と思うところがたくさん





あなたも自分に重ねて読んでみると・・



うなづけるかも





他の短編も


親子や


家族・・


友達・・



いろんな人との関係について



考えさせられる内容になってます☆




読んだ後は


なんだか


ほっこり



それが


重松さんの魅力かも♪



押しつけのない


優しさ












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重松清「エイジ」~思春期の心と体のアンバランスさ、そして・・「その気」は誰にでもあるのかも~

2014-05-21 02:04:47 | 



重松清「エイジ」読み終わりました☆



重松さんにハマって


最近は重松さん作品ばかり読んでる私。



今回のこの作品は


本当にいろんなことを発見できた作品でした。




主人公は中2の「エイジ」



バスケ部に所属していたエイジ



だけど成長期の膝の痛みで


バスケ部を休部することになる。



その時の友達とのいさかい・・



そして


「いい家族」が鬱陶しく感じる



いやらしい夢を見て


夢精してしまう自分。。


母にそれを知られたくなくて


声を荒げる自分。。



そんな自分が嫌でたまらなくなる自分。。




毎晩連続しておこる通り魔事件。



女性ばかりが傷つけられる犯行。



そして


その犯人が


捕まった。



それが



クラスメイトの「タカやん」だった




特に目立つことのない



ごく普通の生徒。



エイジとは


特に仲が良かったわけでもなく


言葉もほとんど交わすことがなかった。



タカやんが犯罪者になったことで



エイジは



タカやんの気持ちを考えてみる。



犯罪を犯したときのタカやんの気持ち



最初は


想像しても・・



ピンとこない。。



わからない。。



なんであんなことをしたんだろう?




他人事だった!!




自分には




ありえあない



そう思っていたエイジ。



だけど・・


タカやんの気持ちに迫っていくにしたがって・・



育っていった想像力




エイジの中に眠っていた




「その気」が暴れ出す




そして・・



エイジは頭の中で



何人もの人たちを傷つけ・・血まみれにしてしまう!!



そんな暴れ出した「その気」が怖くて・・


隠し場所がわからなくなって・・



エイジは学校から「キレる」・・



脱走する!




そして・・



「その気」を何とか収めていく





自分の中に



「その気」があることを確認したうえでそれを奥深くに沈めるエイジ





そして


エイジは


タカやんじゃない!



タカやんは



エイジじゃない!



そんな当たり前に思えることを



確認していく。







私はこれを読んで思った。



「その気」は誰の中にもあるんじゃないか?



そんな風に。



犯罪者がしたことを



「なぜあんなことをするんだろう?」



そんな風に他人事・・


自分には関係ないこと・・


そう思うかもしれないけど・・



誰にでも


「その気」は潜んでいて・・


それが顔を出すことが



あるのかもしれない!!



「その気」があることを認識することによって



逆に犯罪は防げるのかもしれない。



そんな風に思った。




そして・・


思春期の男と女の体の違い。。



それが改めて


なんとなくわかった気がする。



私は女だから


男の体のことは解らない。



だけど


これを読んだことで



中学のころの


男子同士の取っ組み合いの喧嘩や



弟が私と話してくれなくなったこと


壁に穴を開けてしまったこと




そんなことが



今なら



少しわかる気がする



それだけでも


ちょっと成長かな




重松さんの作品は



深い~










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重松清「ビタミンF」~正解なんて実はないのかもしれない。それはそれぞれの人の中にあるもの☆~

2014-05-09 01:58:25 | 



重松清の「ビタミンF」読み終わりました☆



最近重松清作品にどっぷりとハマってる私




何がそんなにいいのか?




同じ世代だってこと




そして・・



懐かしいワードがいっぱい出てくるとこ




でも


もっと惹かれてるところは・・




自分の気持ちに素直でいいんだ




そう思えるところかな




重松さんの作品を読むと



なんだか気持ちが楽になる




「こうじゃなきゃ!」



・・って肩ひじ張らなくてもいいんだ☆




そう思える。




この「ビタミンF」は



重松さんが



この作品を読んだ人の



「ビタミン剤」になれたらいいな



そう思ったそうです。



本当には「ビタミンF」というのはないけど



この小説の中に



Family


Father


Friend


Fight


Fragile


Fortune





そんなFを集めたそうです




そんな7作品がこちら



「ゲンコツ」



雅夫は部下の橋本に物足りなさを感じる。


でもそれは「世代」なのか?


しかし


話してみると


どっちの世代がいいとか悪いとか言えないなと思う。


自分のゲンコツがひ弱に見えてきた今日この頃。


そんな道夫のゲンコツが勇気を出したとき~。。






「はずれくじ」



妻が入院し



中1の勇輝と二人きりになる。



なんとなく2人になると居心地の悪い修一。



勇輝が物足りなく見えてしまう道夫。



ふと修一は亡くなった父と自分の関係を思いだす。



父はこれといって趣味もなかった。



父と二人でいると居心地が悪かった修一。



父は修一をどんな風に思っていたのだろう?



父が唯一楽しみで買っていた宝くじ。




「親は子供を選べない」



「はずれくじ」



そんな言葉が頭をよぎる。。



自分の思うとおりにならない息子。。



父は自分をどう思っていたのか?



そのころの父と同じ年になって・・


修一は初めて父の気持ちを考える。







「パンドラ」



孝夫は娘が犯罪に加担したことを叱る。


娘の奈穂美が付き合っている男が


万引きをしてその手助けをしてしまった。



「ごめんなさい」と謝る奈穂美。


しかし孝夫にはあまり伝わってこない。



中学生になった娘と父親の関係。


娘にどう接したらいいか戸惑う孝夫。




妻の過去・・


自分の過去・・


娘の知らない部分・・



パンドラの箱・・


開けたくて・・


でも開けないほうがいいもの?







「せっちゃん」



加奈子が話すせっちゃんの話。


転校生のせっちゃんは


なぜかクラスメイトに嫌われてしまって


無視されているのだという。



加奈子の話すせっちゃんの話は


どんどんエスカレートしていく。。



最初は雄介も和美も


娘の話に耳を傾けていたが・・


聞いてるのも気分が悪くなるほどに。。



でも加奈子は続ける。



「嫌いになるのは仕方ない。


 無理に仲良くすることにどんな意味がある?」



そう加奈子はいう。



雄介はそう言われて返す言葉を失う。



そして・・


運動会にこなくていいという加奈子。



こっそり見に行った雄介と和美は



見てはいけないものを見てしまうのだった。。








「なぎさホテルにて」




急に冷めてしまった達也。


妻の久美子が悪いわけじゃない。。



19のときに夫婦として当時のカノジョ有希枝。



そのホテルのサービスで



「未来ポスト」というのがあった。



有希枝は17年後の達也にあてて手紙を書く。



・・


その17年後に届いた(達也の実家に)手紙。



これを見て


達也は当時有希枝と泊まったなぎさホテルに



家族で行くことに。



何も知らない家族・・



しかし・・


ホテル側の余計なサービスでバレテしまうことに?!








「かさぶたまぶた」




政彦は家庭でも会社でも


背中につっかい棒をして何ごともそつなくこなしてた。



それに間違いはないと信じていた。



しかし・・


娘の優香・・


息子の秀明・・



2人の本音を聞いてしまう。




弱みを見せない自分・・



本当の自分を見せない・・



カッコつけた自分・・



それは間違ってない!



そう思ってた。



でも・・


それが家族や部下を・・


遠ざけていたのか?









「母帰る」




10年前に父と離婚したいと母から切り出し


家を出た母。



タクはそんな母を快く思っていなかった。


姉も同じだ。



しかし


父は10年経った今、



また母と暮らしたいといいだす。



父は母を恨んだり憎んだりしていないのか?



なぜ今になってそう思ったのか?



タクにはわからなかった。



年老いた父親の姿を間近で見て



父は何を思うのか考えるタク。。










お話はこんな感じです




終わり方が



完結!



じゃないところがいいです☆



読者がその先を想像できるところ




そして



自分がそう言う立場になったら



どーするだろう



そういうことを考えさせられました。





正解って実はないんじゃないかって思う



子育ても・・・



自分の人生が



「これで正解!」



なんていうのは



誰にも・・



いや・・



自分にさえもわからない。。




だけど



その時



その時



ちゃんと自分と向き合っていけば・・



それでいい




んじゃないかって



そんな風に思ったりする。





ビタミンFは自分で作りだすものなのかもしれないなぁ



そんな風にも思った




よし!


ビタミン注入されたし!


がんばるか



















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重松清「季節風・冬~サンタ・エクスプレス」~些細なことで変わる人生?~

2014-05-04 02:12:57 | 



重松清「季節風・冬~サンタ・エクスプレス」読み終わりました☆



今回は読み終わるの早かった



作品に引き込まれてどんどん読めちゃった。




春・・初夏?に



冬をテーマにした作品を読むのも



なかなかいいもんです





この作品は短編が12作





「あっつあつの、ほっくほく」



カオルのおじさん・・と呼ばれてた


焼きイモやのおじさん。


カオルって言うのは



「カオルちゃん~おそくなってごめんね~」


という歌のことで


みんなが待ちわびているころに、


荷台に釜を積んだトラックで現れるから


「カオルのおじさん」なのだ。



宮脇は高校時代にこのカオルのおじさんに


お世話になったことを思いだす。



ひとりぼっちだった・・


慌てて食べた焼きいもが詰まり


ぬるいおじさんのお茶が助けてくれたこと☆







「コーヒーもう一杯」




洗濯機もなかった部屋に


コーヒーミルを買ってきた年上のカノジョ。



マンダリンの豆を買ってきて


ミルで引いて砂糖も入れずに飲んだ


あの苦味。。



十代の苦い別れと溶けあった



マンダリンの味。。







「サンタ・エクスプレス」



なっちゃんのママはもうすぐ


双子のきょうだいを生む。



パパとなっちゃんは


ママと離れてしばらく暮らしてる。



ママとの別れが寂しかったなっちゃんに



クリスマスイヴにママから飛び切りのプレゼントが







「ネコはコタツで」




父が死んだ。


田舎に母が一人きりになる。



直紀は母が気になるものの・・


自分が田舎で一緒に住むことも


母を読んで一緒に東京で暮らすことも


どちらも選ぶことができないでいた。



父がないくなって・・



母は気落ちしてしまっていると心配になる。



直紀が実家に帰ってみると・・


母は元気そうだった。



そして


同居していたのは


「とうちゃん」という名のネコだった。








「ごまめ」




斎藤さんちは


毎年正月は



家族で神社にお参りに行くことになっていた。



しかし


娘の香奈は彼氏と


息子の敏紀は友達と



出かけてしまう。



齊藤さんはごまめをかみしめながら思う。。







「火の用心」



高校一年のわたしとワクちゃんは


町内会の日の用心の夜回りをやることになる。



高校が違ってしまった


わたしとワクちゃんはビミョーな関係になってしまった。



それというのも


わたしと同じ高校に入るはずだったワクちゃんが


入試で落ちランクの低い高校に通うことになってしまったから。



高校の話題はお互いに避けてきた二人。


しかし


火の用心の夜回りで一緒だった小野に


その話題を振られ・・



気まずくなるわたしとワクちゃん。。







「その年の初雪」




泰司はお父さんの転勤で転校することになる。



雪のたくさん積もるこの街に越してきて


2度目の冬になる。



そして最後の冬。



泰司は親友の三上と「かまくら」を作りたかった。


だから


この街で過ごす最後の冬に


どうしても大雪が降ってそれを叶えたかった。



三上に引っ越すことをなかなか伝えられずにいた泰司。



三上はそんなことを知らずに



「雪は降らない」と軽く言う。



泰司はそれに腹を立てる。



そんな二人に・・初雪が。。







「バレンタイン・デビュー」




父はバレンタインデーの日



モテない息子の達也を気遣っていた。



妻と娘にも


余計なことは言わないようにとくぎを刺していた。



自分のモテなかった学生時代・・



その時の気持ちと息子の気持ちを重ねて。。




息子が帰ってくる。




果たして・・今日は?









「サクラ、イツカ、サク」




マルオ先輩と僕は


スタンバイしていた。



タイミングが大事だ。



合格発表のその日



喜びの表情を浮かべるその瞬間!


切り込んでいく!!



バンザイの押し売り?!



バンザイ1回200円!!





しかし・・



外すと大変なことに?!・・









「一陽来復」



パパと離婚したママと2人家族になった美紀。


ひいじいちゃんと家族だったのか実感がないまま別れたヨウ。


合格確実だと思ってた中学受験に失敗した加奈。



一陽来復。








「じゅんちゃんの北斗七星」



じゅんちゃんはいつもふにゃっとした笑顔だった。


ぼくとじゅんちゃんは同じ団地の隣同志。


物心ついた時から一緒にいた。



じゅんちゃんは感情を表せない。


怒ったときも泣いてるときも



同じふにゃっとした笑顔。



じゅんちゃんが教えてくれる北斗七星は


方角が北でなくても・・


どこでもできてしまう。



星と星をつなげていけば・・



「ほら北斗七星」




じゅんちゃんのことが好きだった・・


だけど・・


大きくなるにつれて・・


じゅんちゃんは


じゅんちゃんでいられなくなっていった。



そして


小3の時引っ越していった。。



お別れも言えなかった。



そんなじゅんちゃんを今も思いだす。






これを読んで私も


同じ団地に住んでいた


一つ年上のさっちゃんを思いだした。



上手くしゃべれなくて・・


いつも涎を垂らしていて。。


上手く歩けなかった。



だけど


私の知らない漢字が書けた。



字は綺麗じゃなかったけど。



そんなさっちゃんと遊ぶことが楽しく・・



けど



ちょっと疎ましく思ってしまった・・



そんな幼いころの記憶。。








「冬の散歩道」



男は疲れていた。



人生に幕をおろそうとしていた。



しかし


次々に起きる小さな事件に巻き込まれ



男は死ぬことを止める。




犬の喧嘩を止めたり・・


小学生がなくしてしまった家の鍵を一緒に探したり・・


おばさんに荷物の番を頼まれたり・・



赤の他人の小さな事件。



それが男を





「帰ろう」



そういう気持ちにさせる。




そういうことって・・



案外あるのかもしれないなぁ。




そう思った。



ほんの些細なこと



そんなことが



命を救うことになるんだよなぁ。



人間に人生って



そんな些細なこと



で成り立ってるのかも






重松清さんの次は「ビタミンF」読み始めてます!





清さん贔屓☆



しばらく続きそうです



















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