読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

佐藤正午「鳩の撃退法 下」~よくよく読み下していくとわかる?著者の意図?津田の少年の心☆

2022-04-24 03:44:00 | 


佐藤正午「鳩の撃退法 下」読み終わりました。


この作品の意図を掴むのがなかなか大変だった。


とはいっても


ここまで来ても本当にそうなのだろうか?


という気持ちはまだある。


きっと読み手によって


この作品はどうとでも解釈できる作品なんじゃないかと思う。


それと言うのも


物語の初めのところは


本当にこのお話は

どこに着地するんだろう?


・・・となんか不安にさせる。



だけど


中盤からグングン引きつけられていく。



謎だから


そこが知りたくなる!


でも


最後まで読んでみて


結局は何が言いたいんだろう?



そんなことも思う。



元直木賞作家の「津田伸一」


この人がまず・・


よくわからない人なのだ。



女性の名前をわざと間違えてみたり。。


女性に優しんだか・・


莫迦にしてるんだか・・


よくわからない人



だけど

なぜかみんな津田の世話を焼きたくなるのだ。



母性本能をくすぐるのか



津田が持ち歩き読んでいた


「ピーターパンとウェンディ」


この本もポイントの一つ



このピーターパンこそが


津田なんじゃないかと思った。



少年の心を持った40代のおじさん



それが津田の魅力になってるのかも



細かいところほじくる


人の嫌がることをわざとする


そして


自由気ままに行動する



あぁ~こういうおじさんいるよね~。



ウザくて・・


でも気になってしまう。



そこが著者がこの主人公のキャラクターを作った


読者の母性本能をくすぐるための作戦



そんなことを思った。



タイトルになっている「鳩の撃退法」という意味が


ちょっと未だによくわからないけど・・


でもそれでいいんだとも思う。



「鳩」と称されるあの物


そして


鳩つながりで出てくるアイテム



読み終わって


またいろいろ思いを巡らせて考えてみると


なるほど!


深い内容だったんだって思う。



ここではあえて鳩バラシはしないでおきます。



平和の象徴


マジックの要


時計から出てくる



鳩もいろいろ



そんな鳩たちについても考えさせられました。



津田に対する房州老人の思い



それがトランクいっぱいのアレだったんだろうなぁ



自分が体験したことを小説にしていく・・


それがどこまでが小説か?


本当の話なのか?


見失わないようについていくのが大変。。



そして


そんなところがこの作品の魅力なのかもしれません










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佐藤正午「鳩の撃退法 上」~元直木賞作家「津田」に残された老人の遺品のキャリーバッグには大量の?!

2022-04-18 03:29:22 | 

佐藤正午「鳩の撃退法 上」読み終わりました。


なんとも不思議な始まりで

どこがどうこのお話の着地点なのか?


着いていくのが大変でした。


でも


読み込んでいくうちに

あ~そういうことだったんだ!


そうわかってきたら

なんとも不思議な魅力に取りつかれて

謎を解きたくなってくる



そんなお話です。



タイトルのこの意味は


ちょっとまだ理解しきれていない状態です。


きっと「下」を読み終わったらわかってくるのだと思います。


たぶん



元直木賞作家の「津田伸一」


今は「女優倶楽部」というデリヘルの送迎パート運転手


その津田がある日


常連になっていたドーナツ屋で出会う「幸地秀吉」


ひょんなことで

初対面の彼と話し意気投合する。


またこの店で会った時に話そうと別れた。


しかし!

この日・・

幸地秀吉と妻・4歳の娘は失踪する



その日娘の茜を預かった「新改美弥子」


その人は津田と懇意にしていた


新改の息子のベビーシッターと津田の関係


それものちに明らかになっていく



そして


幸地一家が消えた日


この日が津田の運命も変えていくことになる



廃れてしまった作家の津田の本を


唯一おいてくれていた房州老人の古本屋


その古本屋が店をたたむことになった日


津田は襲われる!!



そして


房州老人が関わっていたと思われる


危ない橋。。



房州老人から受け取ってしまった


遺品のキャリーバッグに詰められたもの・・


それを受け取ったことで


津田は命を狙われる



一つ一つパズルがはまっていくと


段々それが明らかになっていく


でも・・


まだまだ見えない真実の正体!



読者はそこにハマっていくのです




女の家に居候し


書くこともすっかり諦め


その日暮らしをする津田



その津田が事件をきっかけに


書きだした小説



現実と小説の境はどこなのか?


読んでいると偶に見失いそうになる。



でもそこが魅力なのだと思います。



ダメな人にはつい手を差し伸べたくなる。


津田はそんな魅力を持った人です



細かいどうでもいいことが気になる!


津田が謎の真相に気づいていくのも


そういうところからなんだろうね



さて


下にすでに突入しています。


この先津田が対決することとなる


「倉田健次郎」


どういう決着がつくのか?



気になります~







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坂木司「ショートケーキ。」~誰の中にもある「特別な思い出」☆ショートケーキはそんな1ぺージになる♪~

2022-04-15 03:09:49 | 



坂木司「ショートケーキ。」読み終わりました。


もう!

この丁装をみたら

買うっきゃない!


そう思ってしまいますよね


坂木さんずるいです~っ!


ショートケーキにまつわる5つのお話


それは


誰の思い出の中にもありそうな


ショートケー来のお話



私にもある!


高根の花だった私が子供のころのショートケーキ



ケーキ自体もなかなか買ってもらえなくて


「生クリーム」を使ったケーキなんて高級品


バタークリームの甘しょっぱいケーキがせいぜい。。


本当にたまーに


誰かお客さんのお土産でもらって食べる


そんなことがあったら・・


あ~今でも思い出す


あの時にしか味わえないあの・・味



なーんて


ついつい自分の思い出に浸ってしまう。



そんな作品です。


1話1話を


じっくり味わって


ワンホールのショートケーキを食べた気分



あなたのケーキにまつわる思い出も


きっとどこかにあるはず




「ホール」


ゆかとこいちゃんが

コージーコーナーで買うホールケーキ


2人で結成した「失われたホールケーキの会」


そこには2人にしかわからない理由があった




「ショートケーキ」


コージーコーナーでバイトをする「カジモトくん」

姉に食べさせたいと思ったショートケーキ

でもなかなか売れ残りがなく買えない。。



あるときから姉に異変が!


病気?!


そこには


いいお知らせと悪いお知らせが




「追いイチゴ」


コージーコーナーでバイトをする上田さん

カジモトくんの優しい行動を目撃する!


そして感動する


上田さんのうれしいときにやる

あることとは


ケーキを冒とく??







「ままならない」


乳飲み子を持つ3人のママたち


ままならない日々が続く


自分のしたいことができない。。


そんな3人がそれぞれのやりたいことを


実行するために考えた方法とは



子供から離れるひととき


でも・・


やっぱり気持ちはままならない!


ママだから?




「騎士と狩人」


央介は誰かについていきたい

嫁に行きたいと考えていた。


いや、

女性になるとかじゃなく


誰かの人生にのってついていきたい。


自分で考えて行動するってことが苦手だった。


そんな央介が出会う女性たち



彼女たちのカッコイイ生きざまに惹かれる



央介が差し出した特別なショートケーキは

彼女たちを介していく





コージーコーナーがお話の中に出てきてビックリ


私はジャンボシュークリームが昔から大好きで


今もたまに無性に食べたくなるんです


あの値段であの味ってすごい


ショートケーキはなかなか買えないけど


偶に人からもらうとめっちゃ感激!!



ナポレオンも高根の花だけど食べられたら


もー天にも昇る気分



モンブランも好き


昔ながらのスポンジの中にカスタードが入った


あの!


高級なお店のショーケースに入ったケーキは


眺めるのはいいけど


やっぱり食べるならこっちかな


なんて


コージーコーナーに失礼だよね!



でも大好きなお店ってことで許してください



きっと私の知ってるお店でも


こんなことがあるのかもなぁ~


なんて想像してわきわきしてしまいました。



あ~やっぱりケーキっていいなぁ


人を幸せにする魔法だよね



生きていくのになくても困らないもの・・


そんな風に分類されがちだけど


やっぱり


必要だと思う!!


少なくとも私にはねっ




これを読んだら・・


またジャンボシューが食べたくなった!


そこ?


ぷっ。。





















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薬丸岳「告解」~加害者を執拗に追う被害者の夫!復習を果たすため?しかし!本当の目的は・・

2022-04-04 03:58:47 | 

薬丸岳「告解」読み終わりました。


読み終わった後も

ジンジンと心が痛みます。


薬丸さんの作品は

いつも人に優しく

そして

心に深く刻み付ける何かを残してくれます。


今回のこの作品も


人の心の奥の奥・・


そこをグイグイと引き起こしていきます。



「告解」


その言葉を初めて聞きました。



調べてみたところ


神に罪を懺悔し許しを請うことだとありました。



普通の懺悔とはちょっと違うのは


神に向けてすることらしいです。


なぜ著者はあえてこの言葉を使ったのだろう?


それを考えさせられました。



タダの懺悔ではない


一生背負っていく


それほどの罪



そういう重さを表現したのでは?



そんなことを考えました。



本当のところは分からないけど。




籬翔太(まがき しょうた)は


飲酒運転で人を撥ね・・


殺してしまう。



当時付き合っていた綾香とケンカをし


「今すぐ会いに来て」という申し出を受けてのことだった。



その事故で死なせてしまった「法輪君子」81歳


君子は熱を出した夫「二三久」のため氷を買いに行き


事故に遭った。


はねられた後200メートル引きずられて死亡した。



翔太は逃げた。。



人をはねたと認めたくなく


確認もせずそのまま逃げた。



翌日のニュースで知る自分の起こした事故



そして



あっけなく警察に逮捕される。



供述では


「人だと思わなかった」


「信号は青だった」


そう言い続ける翔太




加害者家族は翔太に憎しみを向ける。


息子や娘たちの怒り


そして


君子の夫「二三久」も。



だと


息子の「昌輝」は思っていた。




翔太の刑が決まり


昌輝は自分の住む名古屋へ父を連れて行こうとする





二三久は「やらなければならないことがあるんだ」


と頑としてそれを受け入れなかった。



翔太が刑を終える。



そして


そこから二三久は


翔太を探偵に追わせる。



二三久が大切に隠し持っていた


そのものとは・・


凶器?!


翔太に復習をするため?!



出所後の翔太の動向を見守る二三久



そこには


誰もが想像できなかった真実が





被害者家族がその日から背負う悲しみと

加害者への憎しみ


そして


加害者の後悔と懺悔


加害者家族の苦しみ



なぜこんなことが起きてしまうのか



人は間違いを犯す


そして


救われたいと思う



人は弱いから


苦しみから逃れたいと


楽な道を選んでしまう。。



自分がもし・・


加害者になったら



そして


自分がもし


被害者家族だったら・・



それを想像してみる。



苦しくなる。。



そして


悲しくなる。。



自分が犯した罪ではないのに


その後の生活を奪われる加害者家族。。




それを思うと辛くなる。。



いつ自分もそういうことになるか


誰にもわからない。。



そういうことを想像することはすごく大事な事だと思う。



自分が置かれた環境


自分がやっていくことへの責任



二三久だったら・・



翔太だったら・・



そして


きっかけを作った


綾香だったら・・



いろんな立場で考えること



答えは出ないけど


そう言う事が起こりうるということを


忘れちゃいけないんだと思う。



告解をせずに一生を過ごせたらいいなぁと思う。



悲しい思いをする家族が


増えることのないように願うばかりです。














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垣谷美雨「後悔病棟」~空気の読めない医師のルミ子が聴診器を拾ったことで患者に寄り添う医者になる☆

2022-04-02 02:34:43 | 

垣谷美雨「後悔病棟」読み終わりました。


なんとも不思議な話


でも


そんなことがもしあったとしたら・・


そんな医師がいてくれたなら


自分が患者になった時に


どんなに救われることだろう



そう思った。



空気が読めずに


患者をいつも怒らせてしまう早坂ルミ子医師


ガンの末期の患者さんに


そんなつもりはないのに


不用意な言葉を言ってしまう。



本人は自覚がない。。



そんなルミ子が


ある日病院の花壇の中に聴診器を見つける



誰かの落とし物だと思ったが


誰も落とした者はいなかった。


それをルミ子が使うことになる。



そうしたら・・

あ~ら不思議


聴診器を当てた患者の胸から


心の声が聞こえてきた



困惑するルミ子



でも


そのおかげで


患者の気持ちが分かり


患者の言持ちに寄り添えるようになっていった



第一章 dream


有名芸能人の娘「小都子」


癌に侵されあと幾ばくも無い命


小都子は本当は母のような芸能人になりたかった。


しかし!


母の強い反対でそれを諦めることになる。


死が近づいた今


夢を諦めてしまった自分を後悔する。。


それを察したルミ子は


聴診器で小都子を過去の扉の向こうへ行かせる。


そして


人生のやり直しを体験させるのだった




第2章 family


日向慶一は

毎回見舞いに来るたびに

自分の死後の生活を気にする妻に

辟易していた。。


大学時代に妻の亜津子と出会い


妊娠させ結婚


亜津子は大学を中退し専業主婦に



慶一は仕事が忙しく


妻に家事と育児を任せっぱなしだった。



妻はしっかり者だと思っていた。


が・・


ルミ子の聴診器で過去に戻る慶一は

実はルミ子が苦労していたことを知る




第3章 marrige


幸村千登勢は後悔していた。。


娘の毎子を好きな人と一緒になることを


反対したことに。


生活力のない羊太郎と結婚したかった毎子


当時親心でそれを反対した


毎子は羊太郎との結婚を諦め


40代になった今も独身を通していた。



なぜあの時自分は許してあげなかったのか。。



ルミ子がそんな千登勢を過去の扉の向こうへ・・




第4章 friend



八重樫光司は後悔していた


あの時


何故自分が純生の代わりになれなかったのかと。


そうしたら


今も純生と友達でいられたのに。


純生は転落人生を送らずに済んだのに・・と。



過去の扉の向こうへ八重樫は行く



そして・・


自分が長らく誤解していたことに


気付いていく




ルミ子に心を救われる患者たち


人生の最期に自分だったら


何を後悔するのだろう?


そんなことを考えた。



どんなにやり切ったと思える人生でも


最期にはやはり悔いが残るのだろうか?



空気の読めないルミ子だけど


笹田部長 香織先輩


同僚の岩清水


↑がルミ子のことを話すとき


呆れながらもルミ子を受け入れて


ルミ子への愛情も感じる



なんか素敵な関係だなって思った。



空気を読めないこともルミ子らしさと受け入れてくれる。


そんなところがなんだか面白くていいなって



人生の最期に


こんな医師に診てもらえたなら


きっと安らかに逝けるのではないか




あなたも患者になった気持ちで


過去の自分と向き合って


人生のやり直ししてみませんか















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