読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

碧野圭「書棚の番人」~書店の副店長の正和が過去の関わった事件!犯人の書籍が記憶を呼び覚ましていく。。~

2024-05-27 03:14:17 | 


碧野圭「書棚の番人」読み終わりました。


これ、、

実は読むのは2回目なんです。

それというのも

読んだものと同じと知らずに購入してしまった

タイトルが変わっていて

同じものだとわからなかったから


最近こういう

改訂版ってよくあるよね。。


読み始めてから

あれ?

もしかして?

と気付いた!笑


よく確かめてから買うべきですね


「書店員と二つの罪」から

「書棚の番人」になっていたこの本


でもね

前に読んだけど

また読み直すと

不思議と前回とは違った感想が生まれたりする。


きっと

自分の環境が変わったり

心情が変わっていくと

同じものを読んでも

その重点をどこに置くかも

変わって変わってくるのかもしれないなぁ~なんて


本って

読み始めると

どこにいても

自分が今どういう状況でも

その中にすーっと入っていけるのがいい


二度目でも

また新たな気持ちで読みました。


高田馬場の書店で派遣の副店長として働く

椎野 正和

バイトから派遣社員として働いている

正和には

暗い過去があった。

中3の時

隣に住んでいた家族と深い交流があった。

同い年の「創」とは

親友だった。


しかし

「創」が起こした同級生少女の惨殺事件


そこから正和家族がそれに巻き込まれることになる


その事件が

正和が共犯じゃないかと疑われる。

マスコミに追い回される。。


正和はその後実家を離れ

祖父母の元へ


そして

今の仕事に落ち着いていた。

しかし!

ある日働く書店に届いた本に

愕然とする。。


創が

「死我羅鬼 潔」

として書いた事件に関する本だった。。


17年前の記憶が

呼び覚まされる


それを売り場に置かなければならない

書店員として。。

でも

正和本人としては

それを置きたくない。。


狭間で葛藤する正和。。


そして

そこから

正和は

思い出したくない記憶をどんどん思い出していく。。


当時付け回された


雑誌記者の「青木」が正和の前に現れる。。


なぜ青木が正和の居場所を知っているのか?


そして

なぜかクラスメートだったつぐみが

正和に会いたがる。


甘酸っぱい気持ちを持ってしまう正和


当時憎からず思っていたつぐみに


しかし!

そこには見えない糸が絡んでいた


17年前の忘れたい記憶が、、

忘れていた記憶が、、

正和を苦しめていく。。


書店員ならではの辛さ。。


出版社の営業の辛さ。。


いろんな立ち位置で頑張ってる人たちの苦労


そんなことも垣間見えて


私たち読み手にそこも見せつつ


本がどれだけの人の手によって


ココにあるかを考えさせてくれる。


そして

ずっと事件と向き合ってきた

地元を離れず暮らしてきた

母と弟


弟がしたことを

正和は咎める、、

母の反応は

正和に

ずっと戦ってきたことを訴える


そして

母が言う


「言わないことが罰」



正和が背負うことになる罰とは一体



いろんなことに興味を持つ好奇心旺盛な思春期


どんなことに影響されるかはそれぞれ


そして


その何気ない「行動」や「言葉」が


事件の引き金になることもあるんだと、、


とても怖くなった。。


被害者

加害者

その家族


起きてしまったことを

変えることはできない。


辛いよね。。



どうしたら防げるのか?


自分ができることは何なのか?


そんなことを考えさせてくれる作品でした


二回目だけど

感じるものは多々あって

読み直したことはよかったなって思います







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堂場瞬一「警視庁総合支援課 誤ちの絆」~「話してるだけで相手を怒らせる」晶が支援課の初仕事で得たものとは?~

2024-05-18 03:22:34 | 

堂場瞬一「警視庁総合支援課 誤ちの絆」読み終わりました。


「警視庁犯罪被害者支援課」から

「警視庁総合支援課」に変わり

メンバーも一新された。

今までは

「被害者の家族」のフォローをしていた。



「加害者の家族」も支援していくことになる。


立場的にとても難しく

その対応に始まったばかりの支援課のメンバーは

やりながら対応していくしかない。


柿谷晶は

一課から移動になった。

自分はどんな風に対応していったらいいのか?

それを模索し

初めての事件に右往左往する。


今まで一課でやってきた自分の仕事とは

真逆の対応をしなければならない。


そんな場面が多々ある。


初の事件は

高校生が同級生を殺めてしまう。


という事件


犯人はその場で逮捕された。


喧嘩が原因の刺殺。。

しかし

逮捕された「高梨英人」は

自分が刺したことは認めたものの、、

なぜそうなったのか?

凶器も見つからず、、

その後の取り調べは難航していた。


加害者宅に出向く晶

そして

少年課から移動になった「秦香奈江」

は加害者宅に向かう。


ネットでの誹謗中傷

嫌がらせの落書き

父「拓実」

英人の弟「陽平」

家族のフォローをするために。


弟の洋平は兄と同じ高校なので

特にフォローが必要だ。


そんな中

拓実が脳梗塞で倒れる。。


たった一人になった陽平を助けるため


晶たちは動く。


陽平を守るため


晶はどう動くべきなのか悩む。。


空回りして

自分の仕事の垣根を超え

いろんなところでぶつかってしまう

そんな晶は

香奈江に

「晶さんは普通のつもりでも、

 話してるだけで相手を怒らせがちじゃないですか」

と言われてしまう場面も。。


そして

高梨家の弁護士「神岡琢磨」とも

喧嘩腰になってしまう。。


しかし

なぜか

神岡と晶は相性がいいのか?

悪いのか?

不思議な関係になってく


事件の真相はなかなか見えてこない。。


そんな中


陽平が誰かに襲われる


そこから

事件の真相は意外な方向に


晶の暴走を

香奈江が、、

そして

元支援課の「村野」が

ブレーキをかけてくれる


上司の亮子も

晶に協力的だ


周りの支援を受ける晶


自分の信じた道を突き進む

「臨機応変」

その言葉を胸に

そして

事件の真相は明るみに


意外な結末だった


誰でも前例のないことに取り組むときは

不安だし、、

迷走もする。


でも

自分を信じて突き進むしかない。


これからの総合支援課に


そして


晶の活躍に期待


そして、、

ぶつかり合いながらも

なぜか気になってしまう

神岡弁護士との関係も目が離せない


犯罪はこうしている間も

どこかで起きている。


そして

いつ

自分がその渦中に巻き込まれるのかはわからない。。


普通の生活が

ある日突然できなくなる。。


そういう

巻き込まれる家族たち。。


それを支援してくれるところがある

というのは心強いよね








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横山秀夫「ノースライト」~「あなた自身が住みたい家を建ててください」建築家の青瀬に依頼された家。しかし!その家から施主は失踪?!~

2024-05-05 03:47:58 | 
横山秀夫「ノースライト」読み終わりました。

長編ミステリーのこの作品

横山さんの全身全霊をかけた意気込みが伝わってきました。


建築家の青瀬に

「あなたが住みたい家を建ててください」

という

建築家冥利に尽きるこの依頼


しかし、、

クライアントの吉野は

この家に住むことなく失踪


出来上がりを気に入ってくれたはずだった。


青瀬の生い立ちから生まれたノースライトの家

誰も住んでいないその家に残された

建築家ブルーノ・タウトの椅子

そこに腰掛ける青瀬


そこから青瀬の吉野を探す旅が始まる


タウトを避けてきた?

そんな青瀬はタウトを深く知ることになる



ダムを造る仕事をしていた父

飯場を転々としていた青瀬の幼少期


そこにあった謎の真相


建築家として上手くいかずに

離婚。。

自堕落な生活。。


そんな青瀬を拾ってくれた岡嶋


岡嶋が目指した

息子に残したかったもの。


足りないものを埋めること

埋めても埋めても足りないものを ただひたすら埋めること


岡嶋がどうしてもどんなことしても

やり遂げたいと思ったこと


そのために

窮地に立たされる


青瀬が吉野の正体を知るとき、、


岡嶋が青瀬に本心を見せるとき、、


青瀬は熱い思いを爆発させる



人が生きてきた環境

それによって求めるものが違ってくる。

そのすれ違い。。


でも

その人の本心を知ることで

距離を縮められるのかもしれない。


自分の嫌なところを見せるのは

なかなか難しい。。

自分自身でも

そこから目をそむけたくなる。

でも

それを正視するとこで

あらたな一歩を踏み出せるのかもしれない。


埋めても埋めても足りないもの

それは誰にでもあって

でも

それは埋め続けるしかないんだなぁ。。


そんなことも思いました。


ブルーノ・タウトって初めて知ったけど

その椅子に座ってみたい気持ちになりました。


日本にいた時間は短いのに

タウトがいろんな人に与えた影響は大きいらしい。


何かの

誰かのきっかけで人は変われるものなのかも







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