碧野圭「書棚の番人」読み終わりました。
これ、、
実は読むのは2回目なんです。
それというのも
読んだものと同じと知らずに購入してしまった
タイトルが変わっていて
同じものだとわからなかったから
最近こういう
改訂版ってよくあるよね。。
読み始めてから
あれ?
もしかして?
と気付いた!笑
よく確かめてから買うべきですね
「書店員と二つの罪」から
「書棚の番人」になっていたこの本
でもね
前に読んだけど
また読み直すと
不思議と前回とは違った感想が生まれたりする。
きっと
自分の環境が変わったり
心情が変わっていくと
同じものを読んでも
その重点をどこに置くかも
変わって変わってくるのかもしれないなぁ~なんて
本って
読み始めると
どこにいても
自分が今どういう状況でも
その中にすーっと入っていけるのがいい
二度目でも
また新たな気持ちで読みました。
高田馬場の書店で派遣の副店長として働く
椎野 正和
バイトから派遣社員として働いている
正和には
暗い過去があった。
中3の時
隣に住んでいた家族と深い交流があった。
同い年の「創」とは
親友だった。
しかし
「創」が起こした同級生少女の惨殺事件
そこから正和家族がそれに巻き込まれることになる
その事件が
正和が共犯じゃないかと疑われる。
マスコミに追い回される。。
正和はその後実家を離れ
祖父母の元へ
そして
今の仕事に落ち着いていた。
しかし!
ある日働く書店に届いた本に
愕然とする。。
創が
「死我羅鬼 潔」
として書いた事件に関する本だった。。
17年前の記憶が
呼び覚まされる
それを売り場に置かなければならない
書店員として。。
でも
正和本人としては
それを置きたくない。。
狭間で葛藤する正和。。
そして
そこから
正和は
思い出したくない記憶をどんどん思い出していく。。
当時付け回された
雑誌記者の「青木」が正和の前に現れる。。
なぜ青木が正和の居場所を知っているのか?
そして
なぜかクラスメートだったつぐみが
正和に会いたがる。
甘酸っぱい気持ちを持ってしまう正和
当時憎からず思っていたつぐみに
しかし!
そこには見えない糸が絡んでいた
17年前の忘れたい記憶が、、
忘れていた記憶が、、
正和を苦しめていく。。
書店員ならではの辛さ。。
出版社の営業の辛さ。。
いろんな立ち位置で頑張ってる人たちの苦労
そんなことも垣間見えて
私たち読み手にそこも見せつつ
本がどれだけの人の手によって
ココにあるかを考えさせてくれる。
そして
ずっと事件と向き合ってきた
地元を離れず暮らしてきた
母と弟
弟がしたことを
正和は咎める、、
母の反応は
正和に
ずっと戦ってきたことを訴える
そして
母が言う
「言わないことが罰」
正和が背負うことになる罰とは一体
いろんなことに興味を持つ好奇心旺盛な思春期
どんなことに影響されるかはそれぞれ
そして
その何気ない「行動」や「言葉」が
事件の引き金になることもあるんだと、、
とても怖くなった。。
被害者
加害者
その家族
起きてしまったことを
変えることはできない。
辛いよね。。
どうしたら防げるのか?
自分ができることは何なのか?
そんなことを考えさせてくれる作品でした
二回目だけど
感じるものは多々あって
読み直したことはよかったなって思います